2 月 例 会


  開催日時:    2011.2.8(火)  9時半〜12時         

  兼題:    
 「自由」

  概要:     
 今月は「自由題」で作品を募りましたが、多数の投稿があり、
         披講会も、和気藹々の愉しいひと時を共有出来ました。

俳句


残月や 冬の一日(ひとひ)の 始まりぬ  学


老梅に (ひよどり)の来て 日は午なり  学


冬富士の 見ゆる(あした)や 退院す    学


大寒に 名月の窓 静かなり   隆夫


北風が イルミの中を 通り抜け  隆夫


里山に 東の風が 花運ぶ      隆夫


富士晴れて 翁の笑顔 雪の襞     牧紀


逆さ富士 青き湖面の 冴ゆる朝     牧紀


暮れ(なず)む 湖畔の冬の 藍の空    牧紀


富士おろし 波紋残して 凍てる湖      牧紀


石割や パワースポット 春隣      牧紀


梅の香や 茶稽古の道 深呼吸      淑如


福豆を 巣立ちし子らの 部屋も撒く   淑如


去年(こぞ)のこと どんどにくべたし 火柱に  淑如


一列に 並びし水兵 春きざす      小鈴


葉ボタンや 「牡丹」冠する 誇り有り  小鈴


光る海 先は大島 寒明けぬ       小鈴


民の難 救い給ふか 佛手柑     小鈴


大寒や 達磨火打ちで 送り出し    小鈴


ふんわりと 梅一輪の 夢心地     きいろ


啓蟄や まだ熟睡の 前頭葉      きいろ



それぞれの 宇宙で叩き 春のドアー  きいろ


湯気立てて 大人の遊び 味噌仕込み   きいろ


スカイツリー 春浅き街 覗きこみ    ゆきお


駆けてゆく 子等夫々の 春に遭ふ    ゆきお


春めくや 監督の背の 広々と      ゆきお


厳冬の 富士我が生と 重ね見る    未来


願ひつつ 富士に雪形 うさぎ跳ね   未来


梅ふふみ 藁の兎に 迎へらる     未来


紅梅の 多摩の青空 独り占め     未来


鬼は外 我が年齢の 豆の数      未来


冬木立 間より奇しき 光あり     忠裕


どんど焼き 火勢に押され カメラ引く  忠裕


だるま市 (かな)はまほしき 祈ぎ(ねぎ)のあり    忠裕

だるま市 願ひ叶へし だるまたち   忠裕


菜の花や 見やれば白き 富士のあり   忠裕


立春の 光あまねく オブジェかな    美穂子


見ゆるもの みな活き活きと 今朝の春  美穂子

池に陽の 静かに射して 春浅し     美穂子



裏山の 一木のみに 春来たる      美穂子


春の日の 吾が影濃きに 笑いをり     美穂子


紅梅の 香りの記憶 愛ほしく     有三



禅堂に そこはかとなき 春かおり   有三


春の陽を 浴びる布団の あたたかさ  和子


寒禽の 声の鋭き 夜明けかな     くに


春浅し 園には子等の 声も無く    くに


木の間より 輝く光 春立つ日     くに


日脚伸ぶ ゆっくりと雲 動きけり   玲子


白梅や 空には柵の なかりけり    玲子


雨粒の きらめき宿し 梅ふふむ    玲子


こつこつと 鳥棲む音や 藪柑子    玲子


さだまらぬ 想いのありて 夜の梅   花音


黒髪の つめたさに似て 梅香る    花音


紅梅の 紅をささへし 萼のいろ    花音


枝垂れつつ 揺れつつ香る 薄紅梅   花音


きさらぎの 空に広がる 梅友禅    花音


新春の 芸する猿よ 何願ふ      仁昭


冬晴れや 小枝を遊ぶ 瑠璃鶲(るりびたき)     仁昭


城の濠 遊びし時の 薄氷       仁昭


薄日射す 甍が映える 雪日和     仁昭


近江町 ズワイ並べて 客を待つ   仁昭




短歌



   この先に貧しき民の棲むと云ふ
     阿弥陀如来は未だ来たらず  筑山

   棲み慣れし成瀬を後に旅立つも
       思い出尽きぬ参拾五年  筑山

     言の葉の重み失せたる世の故に
        学び始めし和歌の道なり 筑山

   方々の熱き思ひに励まされ
      続けし古典楽しかりけり   筑山
      

   来てみれば菖蒲の里は都なり
       終の棲家と思へば愛し   筑山

   筑波嶺と富士の高嶺を遠く見て
      菖蒲の里はのどかに暮れる  筑山



   この街の同じ空気を吸ふ君の
      訃報で幕を閉じる青春   きいろ


   匂い立つ梅の香りに誘われて
      凍てつく庭にしばし佇む  和子


   富士山頂太陽神の煌めけり
      至福の時よ湖畔に宿る   紀舟

  富士広く南アルプス駒ケ岳
     雪のパノラマ澄みわたる青  紀舟


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