2013年 雪の写真俳句短歌特集

                                                 (2013.02.12 )

 今年は、年頭から厳しい寒さが続き、あの成人の日の大雪を始めとして、早3回の降雪を見ました。交通機関には大迷惑ですが、雪には、何となく風情が感じられ、作句、作歌には格好の材料の一つではないかと思われ「雪」の特集を取り上げました。

   初雪の 風情も超えて 降りにけり    
(牧紀)

尚、この中には、勿論「自由題」の投稿分も含まれていることをご了承頂き、以下ご笑覧頂ければ幸いです。


俳句、短歌 写真 コメントその他
竹垣に

  大雪走る

   声聞こゆ

      鶏肋 1月14日成人の日の初雪には皆驚かされました。
「大雪走る」がなるほど実感ですね!
はらからよ
 夕日と共に
   沈み行く

 西方浄土
  安らかなれよ

      鶏肋 写真の通り、西方浄土に迎えられていることでしょう。合掌。
切り枝に

  薄フクロウ

  吊るされて

      鶏肋 じっと見ていると眼が回ります。
ススキの毛皮(?)が暖かそう!
初雪の

 一刷毛さっと

    仄明かり

      ゆきお 窓を開ければ、一面の雪景色。

一刷毛(ひとはけ)仄々(ほのぼの) 雪明り。
歌い手の

  耳飾り揺れ

   寒の入り

     ゆきお 寒の入り、気に入りの音楽で暖かくなる。歌い手もゆったり、聴き手と波長が合っている。
日脚伸び

  こころ急くまま

     焚火かな
       
       ゆきお このところ日脚も伸びてきた。畑を清掃し先ず焚き火。次にーーーー。
心急くまま。
ただ焚火する人の背中は堂々として、余裕が見える。
大雪や

   厚き衣の

    銀杏かな
       
       和子 街路の銀杏に大雪からの贈り物(?)
柚子一個

   残して寒の

    名残とす
       
       和子 初雪の中、ただ一個の柚子。鳥にも食べられず、健気にもよく残っていましたね
名残り柚子

   鳥の餌食と

   なりはつる
       
       和子 今年は厳冬で鳥の餌となる植物が少なく、作者の家の柚子も写真の通り、最後は無残な姿にーーー。
サクラソウ

  凍てる朝にも

     花開く
       
       和子 厳冬の朝、それでもサクラソウは咲く!この生命力を分けてもらおう。
目覚むれば

  ふんわり雪の

   あしたかな
       
      未来 「ふんわり雪」ーこれぞ初雪の風情。
過ぎたるは及ばざるが如し。
水底に

  うごめく影や

    凍て蓮田
       
      未来 枯れ蓮が氷で閉ざされている。でも、水底にはかすかに動く影。春は確実にうごめいている!!
人情の

  深き街並み

     春隣
       
      未来 寅さんの背中にはいつも春の暖かみがーーー。
柴又は寅さんの人情でもつ。
公園に

  春告げる舟

    空の蒼
       
      未来 空の蒼、チューリップの赤、日本丸の白。3色の満艦飾が春を告げる。
午後の陽に

  ほっこり覗く

      寒牡丹
       
       未来 寒牡丹が満面の笑みで静に咲いていますね。
初雪や

  大地を十重に

    覆ひたり
       
       牧紀 1月14日(月)成人の日の初雪は本当に大変でした。10センチ以上も積もり、一面、白の世界に。
ぼたん雪

  昼降りつくす

     なまり空
       
       牧紀 ふるさと北陸の雪のように、鉛色の空から大粒の牡丹雪が終日降り続きました。
立ち待ちに

  枝もたわわに

      雪の花
       
       牧紀 花咲か爺」ならず、「雪咲か娘」の登場です。
見事に枯れ木に、初々しい雪の花を咲かせてくれました。
大雪を

 ものともせずに

    伸びる葱
       
       牧紀 これしきの雪に参っていては、雪国の人に笑われますね。
葱のように真っ直ぐ胸張ってーーー。
境川
  水温みけむ
  かわせみの

 餌を捕り遊ぶ
   春さきがけて
       
       紀舟 画像クリック翡翠の写真集


水温み、風和らぎて、川べりに翡翠遊び吾遊ばるる。

翡翠を度々見かけ、早春を実感!





厳冬の
  山も雪消の
   兆し在り

 日本列島
   久々の春
       
      紀舟 このところの厳寒も漸く緩み、雪消の気配。
眼を転ずれば、円高も解消されつつあり、日本にも久方の春がやって来る
大野山
  陽だまり道に
  浮かぶ富士

  雪渓和らぎ
   春滲み出ず
       
       紀舟 同上大野山からの富士。
午後南面を降り、陽だまり道から眺めると富士も一層の春の装い。
朝焼けの

 街動き出す

     寒の内
       
       小鈴 今日も朝焼けが、すっきり、綺麗!
寒さに負けず、今日も一日の活動が始まる。
ふる里は

  雪の便りを

   イヌフグリ
       
       小鈴 ふる里はまだ雪の便り。でもこちらはもうイヌフグリが咲き、春の芽生え。
鬼を討つ

  豆ころがりぬ

    寒の明け
       
      小鈴 節分の豆がころがっている。この豆が鬼を討ち、寒を討ち春を呼ぶのでしょうか?
冬牡丹

   男結びの

    粋な薦
       
       小鈴 成程!良く見れば男結びが粋な薦ですね。
薦(男)の下冬牡丹(女)が安らかに咲いている微笑ましい光景ですね。
初雪に

  授業忘れて

   飛び跳ねか
       
       水青 初雪に浮かれて飛び跳ねた経験はどなたも懐かしく思い出されるのではないでしょうか。
新雪に

   車整列

     青信号
       
      水青 14日の大雪に交通機関は大打撃。
町田の駅前も車が数珠繋ぎ
青信号も赤信号。赤信号も赤信号。身動きならず。
雪富士へ

  心はやれば

  まろびけり
       
       学 さあ雪富士を撮ろうーー心はやって急ぐと(まろ)びますよ。ゆっくりゆっくり。富士山は逃げませんよ!
富士撮るや

  しきりに騒ぐ

    鳰の群れ
       
        学 富士を望む湖の静寂は、鳰の群れ騒ぐ声が聞こえるほどに!
しらじらと

 明けゆく富士の

    淑気かな
       
        学 朝明けの富士の淑気が瑞雲を呼び寄せているかのごとく。
初富士や

    十年同じ
      うみ
      湖 の宿
       
        学 去年も見た富士寒月。今年も満喫。来年も再来年もーーーーー。
なかんづく

  ソプラノ響く

  「福は〜内」
       
        学 「なかんづく」がなにやらゆかしく響きますね。
どんど焼き

  餅あぶりおり

    母子ずれ
       
       遊歩 子供には、「どんど焼き」より、もちろん「焼き餅」
母さんも分かってます!
左義長や

  竹はぜる音

   こだまする
       
       遊歩 左義長の良い写真ですね。竹の爆ぜる音がまさに聞こえてくるようです。
冬の鷺

  溜め池の中

    寒げなり
       
       遊歩 嘴の先までくっきり映り、冬の水の冷たさが伝わってきます。
鷺の羽根の白さが余計寒げに見えますね。
だるま市

  開眼もなく

  捨てらるる
       
      遊歩 だるまは購入時片目を入れ、年の瀬に願い成就、感謝の気持ちで両目を入れて神社に納め、翌年は出来れば一回り大き目のだるまを購入するのが建前の由。
白眼のままはだめですよ。
とふとつに
 祇園精舎の
   鐘ひびき

  諸行無常の
 ことわりぞしる
       
       筑山 作者に親しい方の訃報が突然にーーー。諸行無常を肌で知る。

祇園精舎の鐘(風鐸)の写真はありません。
写真は唐招提寺の風鐸(一種の風鈴)です。
高僧が亡くなる時、何故か風起こり鐘(風鐸)が諸行無常の響きを奏でたと言う。
夢いずこ

  天を睨むや

    達磨市
       
      有三 いずれも大願成就のだるま達。さあ肩の荷を下ろし、炎に乗って天に還ろう。
園児等と

  初詣りする

     帝釈天
       
       有三 幼稚園児も帝釈天詣。子供の頃から人情豊かに育つのですね。
底冷えの

   渡り廊下に

    風が鳴る
       
       有三 ここは本当に寒かった。寒行そのもの?
初御空

  真青にこころ

   飲まれそう
       
       くに 見上げる青空。今年も真青なこころで、安らかに過ごせますように!
初雪や

  屋根の雀に

   話し掛け
       
      くに とうとう初雪が積もったね。でも雀さん、元気そうね。寒くないのかしら!
私も元気出さなきゃ!
雪霏々と

  街並み遠く

    煙りをり
       
       くに 14日の雪は本当に霏々(ひひ)として降りしきり、故郷、能登の雪のように、街並みが遠く霞むほどでしたね。
消え残る

  雪の白さや

     一服す
       
       玲子 降雪から10日も経っているのに残雪がまだ真白なのに感動。これを見ながら熱いお茶を一服。至福の時!
雪の日や

  探し物して

     一日過ぐ
       
       玲子 大雪に降り込められて、外出不可。
丁度良い、今日は一日探し物でもするか?
立春や

 うれしきことの

    ありそうな
       
       玲子 今年の立春は偶々暖かかった。境川を散歩していて、愉しそうに泳いでいる鴨に出逢い、こちらも何だかうれしい気持ちに!
蝋梅の

  透ける空あり

    多摩の谷戸
       
       玲子 蝋梅の黄色と透ける青い空の対比が鮮やかですね。
人去りて

  人待ちて咲く

      冬桜
       
       玲子 冬桜はおとなしい花。目立たないが近づいてみると、気品あり、孤高の花。
のらくろを

  知る歳が行く

    春の日や
       
       仁昭 のらくろ少尉殿。わかるかな?
冬晴れや

  いま白く塗る   
    ひひ
    冲る富士
       
       仁昭 白ペンキ塗りたての白富士?
黒白の

  煙に追われ

   野火はしる
       
       仁昭 野焼きの風情は、何時か過ぎし昭和のひと駒が思い出される。
ぷっくりと

  命たくわえ

     春を待つ
       
       希由 サクランボの蕾が命を含んで、ぷっくり膨らんでいる。春が待ち遠しいね!
切られても

 切られても高し

       冬欅
       
       希由 冬欅

  人を抱えて

       自若なり
       
         希由
欅の大木の冬の手入れ。
切られても、切られても泰然自若。庭師4人が載ってもびくともせず、なお高く高く聳える!



HPに戻る

inserted by FC2 system