(2013年)
観桜写真俳句短歌特集

                                                 (2013.04.09 )

 今年は、厳しい寒さの2月が過ぎると3月は急に暖かい異常気象(2寒3温?)
梅遅く桜早しの春となりました。
お陰で当同好会の代々木公園観桜吟行も取りやめとなり、ご迷惑をお掛けしましたが、桜は見頃となった頃から花冷えと成り結構長持ちしたので、それぞれに花見を愉しまれたのではないでしょうか。

    満開の後の寒気に雨模様
          耐えし桜の真心を愛づ    
(紀舟)

今月は「観桜又は自由」題で作品を纏めました。ご笑い覧頂ければ幸いです。


俳句、短歌 写真 コメントその他
いざやいざ

  雨にも負けず

     花ごころ
       
       牧紀 以下9句代々木公園雨上がりの櫻。



花心をくすぐられて雨上がりと共に、ボツボツ花見客が現れた。若い人ばかりーーーー。





早咲きの
  桜に酷き
   寒の雨

 堪へてぞ今日も
    凛として在り

       紀舟 昨今の異常気象には桜もほとほと困っています。
でも雨に洗われまだまだ元気に咲いていました。
東京の
 五輪の昔
  想いつつ

 桜の下に
  独り夢見む

      紀舟 東京オリンピックが思い出される。今度の招致活動の結果は如何に?
花冷への
 代々木公園
   人絶えて

 花の彼方に
   亡き人偲ぶ

      紀舟 吟行の度に、花を見る度思い出すーーーー。
老いてなお

   新たに刻む

     花の時
       
       牧紀 老木の幹から溢れ出す命!我等も頑張ろう!
桜観る

  人それぞれの

      宴かな
       
       牧紀 三々五々、雨上がりの花の宴。
噴水を

 超えし桜の

     時ぞ今
    
       牧紀 いつもは噴水が主役。桜の時季だけは私が主役!
散り花や

  親木の下に

    安らぎぬ
       
       牧紀 親子の情?
下草も十分芽吹き、みどりと白のコントラストが良い。
若葉添え

   雫も重し

     山桜

       牧紀 山桜も何本か見られ、雨に濡れて、みずみずしく、重々しく咲いていました。
とつくに
 外国 の

 子らもはしゃぎて

    春らんまん

        淑如 晴れの日の代々木公園。場所柄、外人さんも多く、はしゃぐ子供が印象的!
歌う子ら

  歩みを合わせ

     花の道

       淑如 同上代々木公園。桜の花に、子らの歌声がこだましてーーー。
花疲れ

  散って光の

   まぶしけり

       淑如 花が散り急ぎ、葉は未だしの光と影。
眩しさに春を惜しむ。
蒼天に

  もくれんの白

    凛として

       淑如 青空に映える純白。清清しい気持ちにさせてくれますね。
赤帽の

  園児も花の

  うたげかな
       
       学 以下3句新宿御苑。
桜の木の下でお弁当。これから、ひとはしゃぎかな?
御涼亭てふ

   花冷えの

    館かな
       
       学 御涼亭には花冷えが似合う?
御涼亭は吹き抜けの建物で夏は涼しい。
春惜しむ

   新宿御苑

   ひとめぐり
       
        学 御苑を一巡りするうちにこんなに散り花が積もった??
長持ちした桜に感謝!
はるけしや

   父と来し日の

     花見舟
       
        学 はるか昔、父に連れられて乗った花見舟の記憶がしずかに蘇る。
あさなさな

   開くを待ちし

     椿かな
       
        学 朝な朝な(あさなさな)今日は咲くかと待ち望んだ白斑入りの椿が見事に開花!
春たけて

  乙女の語らひ

    乙女等の

      ゆきお 乙女らは天下国家を論じてはいない。多分自分たちの夢や友達のことであろう。
俯きに

   淡紅の道

     春惜しむ
       
       ゆきお 花散り敷く道、花びらを数える如くーーー。
春深し

  自転車漕ぐ子や

      先急ぎ
       
       ゆきお 満開の桜には目もくれず、銀輪連ねて自分たちの楽しみに急ぐ若さ!
花冷えや

  サクラ菜花の

     二重唱
       
       和子 千鳥が淵の桜と菜の花の夢のようなハーモニー。
花曇り

  近くにかすむ

   ビルの群れ
       
       和子 同上返り見すれば、ビル街のうす霞み。何とも夢と現実のコントラスト?
トラックの
 荷台に載った
   古ピアノ

   わが半生を
  共に過ごさん
       
       和子 わが半生の思い出の詰まったピアノ。
嫁ぎ先でも可愛がられておくれ!!
古の

  栄華偲びつ

    花に酔ふ
       
      未来 江戸の昔を偲びつつ日本一(?)の桜に酔う。
やはらかき

  葉に寄り添ふて

        山桜
       
        未来 葉の先まで咲き揃い見事な山桜。
紅にほい

   人の佇む

    桃の花
       
      未来 桜も桃も咲き揃い至福のときを共有。
尾根道の

  閑散として

    花満開
       
      未来 今年は予想外のときに満開を迎え、桜祭りもあちこちで中止になりましたね。
枝垂桜

  気品溢れん

  ばかりなり
       
      未来 白混じりの淡いピンクが何とも気品溢れる桜色ですね。
お花見を

 眼下に見下ろす

     絆かな
       
       水青 吉野梅郷では梅と桜が併せ咲いていた。花見の人たちも方寄せ合って和やかに鑑賞している様を眼下に。
凍て返る

どの色この色

   一気咲く
       
      水青 寒の戻りで、梅、サンシュユは遅れ、桜と揃って一気咲き。見事な花の艶!
梅つぼみ

 少女の乳房

    吾思ふ
       
      水白 かつて思春期の少女を持つた父親の感慨。
冬の猫

 お前も温もり

   欲しいのか
       
       水白 どっしりした雌。遠慮がちの雄。
雌雄の猫の遠近感が絶妙ですね。

作者の気持ち、判る分かる
矢っ張りか
 開かぬ蓮に
    坐れぬと

 闇に閉ざされ
   行く道哀れ

      鶏肋 お釈迦様は善人も悪人も決してお見捨てになりません。
風止まる
 ひと
  他人の故郷

    長閑なり
       
      鶏肋 人里はなれた湖の桜をのんびり、長閑に鑑賞。
さよならと

  空の彼方に

    冬燃える
       
      鶏肋 春よ来い。冬よさよなら。煙に乗って!
朧なり

   恋の辻占

    片思い
       
      鶏肋 マーガレットの花言葉は「恋占い」の由。片思いの進展や如何に?
路地裏や

  どこか懐かし

     暮の春
       
      小鈴 赤い円柱状のものは消火設備でしょうか?それなら成程、路地裏には消防車が入れませんからね。
春冷えや

   媼笑顔の

  おもてなし
       
      小鈴 春冷えどころか、おうなの笑顔は四季折々のおもてなしですね。
紫木蓮

   幾百千の

    花の風
       
      小鈴 なるほど一木(?)当千の花芽を誇る紫木蓮ですね。
糸桜

 友の笑顔の

  のぞくよな
       
      小鈴 枝垂れる花の向こうに友がいるようにーー。一緒に来ればよかったのになあ。
琴の音の

ほのかに聞こゆ

     花の庭
       
      小鈴 さすが古都の庭。琴の音が枝垂桜の向こうからほのかにーーー。
時過ぎて

   戯れ遊ぶ

   花いかだ
       
      有三 花筏には戯れ遊んだ往時を偲ばせるものがありますね。
誘い合う

  銀座でランチ

     櫻まじ
       
       有三 桜の銀座で昼食会。皆様お元気ですね。
花冷えの

 お練のあとや

   あと五日
       
      有三 新歌舞伎座杮落としまで後五日。
をみならと

  銀座の散策

  芽吹き合い
       
      有三 翁、媼の銀座散策。青春(芽吹き)を夢見て!
花を愛で

  共に語りし

   人を恋ふ
       
      くに これぞ芹が谷公園の桜。いつか一緒に見た友を思い出しつつーーー。
ミモザ咲く

  昨日と違ふ

   道を行く
       
      くに 今日はミモザの満開のこの道を行こう。
木瓜の朱に

  今日の元気を

     貰いけり
       
       くに この朱の木瓜はいかにも生命力に溢れて見えますね。
老幹の

  肌の中より

     花開く
       
      くに 老木の幹の皺肌に、すべてを包み込むような勢いを感じますね。
いにしへの
  歌に詠まれし
      山吹の

  色鮮やかに
   花開きをり

       くに
大田道灌の歌が思い出されますね。

これぞ「やまぶき色」という山吹。
ひとときを

   櫻浄土に

   紛れ込む
       
       玲子 「桜浄土」が秀逸。
我等も桜浄土に紛れ込みたいな!
再度来て

  満開の花

    仰ぎゐる
       
       玲子 成程、何度来ても見る価値のある立派な枝垂れ桜ですね。
街道の

 のっと目にいる

      花の景
       
       玲子 街道の角を曲がると、高みにのっと桜の花が。一瞬の驚き。
生きとしの

  時代を想ふ

      櫻かな
       
       玲子 幹の太さ、広く張った枝振り。時代を感じさせますね。
翔ぶ如し

    櫻一本

   華やげり
       
       玲子 飛翔せんとする鳥の如く雄大な櫻の一木。



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