相原吟行写真俳句短歌集

                                                 (2014.12.9 )


  11月28日(金)に町田市北西部の相原在住の衣川さんのご案内で、懐か
 しい里山の風景を、楽しませて頂きました。

     相原の山粧ひて里紅葉
          訪ふ吟行や和気満ち歩む        (紀舟)

 この「相原吟行」を中心に、今月は兼題「山茶花又は自由」で作品を募集し
 これらを以下に纏めました。


長福寺にてー二田さん撮影)


俳句、短歌 写真 コメントその他
大山や

  青く煙りて

    冬近し
       
      隆夫 隆夫さんは吟行より一足早く相原を散策された由。

晩秋の大山が遠望される。
橋本は

  秋を知らない

    都会かな
       
       隆夫 JR横浜線の隣の橋本駅付近は高層ビル街。ただ白が光る。
相原は
  坂道多く
  田舎道

 ゆっくり歩く 
  肩のさみしさ
  
       隆夫 人生の坂道。肩の重みが伝わってきますね。
川面にも

  つるべ落としの

    陽が映えて
       
       隆夫 流石に見事な写真ですね!
桃色も
 エカテリーナの
    夢乗せて

 凍てつく土地に 
     心慰む
  
       隆夫 エカテリーナ皇后の夢と癒し。
人民は?
心病み
  緑の菊に
  逃げたくて

 恐ろしき夢 
  続きて動けず
  
       隆夫 高幡不動の菊花展にて。
風吹きて

  落葉の散りし

    人の心に
       
      隆夫 人の心に落葉吹き入る時もあり。
病院で
  不治宣言の
   帰り道

 ベンチに座して 
    見たかえで赤
  
       隆夫 不治の病も復活の赤に!
干し柿に

   故郷偲び

    黒田節
       
      未来 干し柿は何故か故郷を思い出す。
学窓に

 燃え立ついろは

    紅葉かな
       
       未来 法政大学の構内にて。
渓谷に

  雨そぼ降りて

      山粧う
       
       未来 養老渓谷にて。
山茶花の

  こぼれて
    あ
    生れし

    地に還る
       
        未来 山茶花の樹下は散り花びらで一杯。
惑星へ

   六年の旅

     鴨飛来
       
        未来 鴨の飛来から「はやぶさ2号」を想う。
紅葉に

 色葉に思ひの

      舞扇

      有三 見事な紅葉。法政大学構内にて。
故郷の

  軒端にもあり

     吊るし柿
       
       有三 誰か故郷を想わざる?
野に在りし

   仏の隣り

     山紅葉
       
       有三 長福寺にて。
野仏と山紅葉が初冬の相原に相和す。
見つめらる

   穂の数々や

     木守り柿
       
        有三 和の木守り柿と、洋のパンパスグラスの対比がおもしろい。
時雨るるや

  丹沢の峰

   富士はるか
       
       有三 吟行当日は晴れ一時しぐれ。
暫くは

  学び舎の中

    紅葉狩り
       
      有三 法政大学構内にて。
相原の
  山粧ひて 
   里紅葉

  訪ふ吟行や
   和気満ち歩む

       紀舟 相原は山も里も紅葉の見頃。
和気藹藹のそぞろ歩きの吟行。
幸せを

  吊すや里の

      柿の家

       牧紀 この里の家には幸せの気分が漂う。
諏訪の神

  今年も染める

       大銀杏

       牧紀 諏訪神社の大銀杏。今年も相原は安泰。
里山の

  温き陽射しや

     蔦もみじ

       牧紀 高台の小径には、(ぬく)き陽射しがーーー
錦木や

 まさに紅葉の

       唐錦

       牧紀 唐錦は最高の錦織。
山門を

  潜るや迎えの

     紅葉立つ

       牧紀 長福寺の山門を潜ると見事に刈り込まれた紅葉が出迎えてくれる。
街道を
  跨ぐ陸橋 
   谷深く

   紅葉重なり
    絡まる黄葉

       紀舟 法政大学構内にて。
法政の
  学食むかし 
   思い出ず

   若きに交じり
     紅葉逍遥

       紀舟 同上
山茶花や
 健さん偲ぶか
   うす明かり

 何やら寂し
  夕暮れに咲き

        紀舟 夕暮れの山茶花は高倉健を偲び、ひっそりとーーー。
山茶花の

 咲き散り咲きて

      地に還る
       
       牧紀 山茶花の一生。その時々を生きる。
山茶花や
  そうび まが
  薔薇に紛 ふ

     華やぎも
       
       牧紀 新種の山茶花は、薔薇に似た華やぎがある。
うら侘し
  山茶花の宿
    懐かしき

 今華やぎて
  賑やかに咲く

        紀舟 演歌「山茶花の宿」はもう古い?
冬日に賑やかに!
柿多し

 遠く住む子に

    送るのか

        淑如 遠方の子らが正月の食べ物として、待っているかも?
  さだめ
散る運命

   光りはじきて

    冬に入る

       淑如 照り輝きて今を生きる。
冬晴れや

  散歩の道に

    家が建ち

        淑如 里山の悲劇?
新米を

  一口食べて

    里思ふ

      淑如 飽食の時代こそ、「食物」に感謝の気持ちを!
懐かしき

  干し柿つるす

      軒の家
       
       和子 やはり思いは故郷に!
紅色を

  愛でし
  もみじの

     寺巡り
       
       和子 長福寺にて。
名刹を
 まもる御堂の
    竜の貌
   
 もみじの錦
  映えて赤らむ
       
       和子 長福寺、文殊堂左右の、のぼり竜と下り竜。そう言えばかすかに赤らんで見える。
雨後の径

  照らすもみじの

     明りかな
       
        学 紅葉と黄葉のコントラスト。
紅葉燃ゆ

  一葉拾いて

     栞とす
       
         学 燃えるもみじの栞。優雅ですね。
薬師池

   紅葉日和の

      立ち話
       
        学 「立ち話」が良いですね。
りょうりょうと

     笛の音流る

       紅葉狩
       
        学 尺八はもみじの音色?
くたびれて

   先ずは一服

      鴨の群
       
        学 薬師池の絶景ポイントで一服!
枯蓮田

   帰りをせかす

      雨もよひ
       
        学 この時期、天候が変わりやすいですね。
短日や

  暗転のごと

    夕景色
       
     ゆきお 短日の実感!
小春日の

  予感や

  雲の棚引きて
       
     ゆきお 大山から富士山(白一点)まで見事に棚引いていますね。
多分昨夜は小雨、今朝は晴れて気温上昇、小春日に!
足元の

  暗きを助け

   銀杏散る
       
     ゆきお 金色に輝く銀杏。
山茶花の

 千のはなびら

    鎮まれり
       
        玲子 地に還るみそぎの鎮もり。
来し方や

 赤い山茶花

   葉がくれに
       
        玲子 人生万事控目がベター。
あめつぶの

   三つ四つ冬の

      花蕨
       
        玲子 珍しい冬に咲く花(わらび)
秋深し

  鄙の家はるか

     奥にあり
       
       玲子 相原の鄙の家は、柿の門からはるか奥にあり。大家があちこちに!
岩肌を

  滑て無音や

      秋の滝
       
        玲子 養老渓谷にて。無音の滝。
晩秋の

  富士のお山は

     影ながし
       
       吉夫 富士の影と湖。絶景の絶好タイミング。
残し柿

 立ちはだかりて

    鵯のもの
       
       吉夫 我が物顔の鵯は嫌われる。
中国?日本?韓国?
気高さに

 老いを増したる

       七変化
       
       吉夫 紫陽花は7色に変わるといわれ別名「七変化」。これに加齢の白化を加えると八変化??
何故に

 皇帝ダリア

    涙する
       
      吉夫 雨天が大嫌い?
晩秋の

 日射し深みて

    猫のいる
       
       吉夫 こんな可愛い目で餌鳥を狙っている?
しばらくは

   紅葉一望

     佇めり
       
      くに 養老渓谷にて。紅葉に浸る。
雨粒も

  紅葉の色に

   染まりをり
       
      くに 同上。生憎の雨。
山茶花を

 愛せし友の

   訃のしらせ
       
       くに 初冬の山茶花咲く頃、訃報がふえる?
色を染め
   
    大樹を登る

     蔦紅葉
       
        くに 寒風に負けず、健気に生きる蔦に拍手。
昔日の

  故郷を思ふ

   吊るし柿
      
      くに 矢張り、故郷に思いは移る?
山門は
 
  紅葉黄葉

    従えて
       
      小鈴 長福寺の山門。町田市指定有形文化財。1862年着工。
紅、黄の両紅葉を従がえる貫録ある佇まい。
赤黄色

 染めてもみじ葉

     今を生き
       
        小鈴 法政大学構内にて。
生き生きした紅葉の海に感動。
街路樹を

  金色に染め

     秋行きぬ
       
        小鈴 金色に輝く銀杏。良い写真ですね。
小春日や

  親子で並び

    昼寝かな
       
       小鈴 子を思う母親の眼が何とも良いですね。
帰り道

   雨雲となり

     冬はじめ
       
       小鈴 この時期、冷たい雨にご用心!



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