高幡不動紫陽花吟行
写真俳句短歌集

                                                 (2014.07.08 )

  梅雨に入り、一番喜んでいる花は何でしょう?ーーーそうです。紫陽花ですね。
 同好会では、高幡不動紫陽花吟行会を6月23日(月)に実施しました。
 お陰さまで、梅雨の晴れ間に恵まれ、日中、紫陽花逍遥を楽しみました。


 今月は「紫陽花又は自由」題で、紫陽花を特集しました。ご笑覧頂ければ幸いです。

(2014.06.23)

俳句、短歌 写真 コメントその他
心まで

  透明となる

    濃紫陽花
       
       未来 かすかに護摩の声が聞こえる。
あじさいの紫色の透明感と調和。
菩薩像

  衣紋の襞に
    よひら
    四葩かな
       
        未来 「衣紋の襞」が良いですね。
四葩(よひら)は紫陽花の別名。
好きな歌

  聞きつつ開く

    額紫陽花
       
        未来 好きな歌に耳を傾けているように、咲いている。
海風の

  吹く夏座敷

     藍一輪
       
         未来 一輪の紫陽花に海風が吹き抜ける!
気分最高ですね。
着飾らぬ

 在りのままなる

    山紫陽花
       
         未来 山紫陽花は、西洋アジサイに比し着飾らぬところがいいですね。
「ありのままにーーー」どこかで聞いた歌声も?
相輪に
  雲かかり行く
  御堂に満つ

  護摩を焚く声
    紫陽花の寺

       有三 雲の晴れ間の高幡不動。
故郷の

  山紫陽花に

    歩を休む
       
       有三 紅の額にハットして歩みを止める。
文豪の

  終の棲家に

     夏の風
       
       有三 島崎藤村の終の棲家。
禅寺の

   一隅照らす

     四葩かな
       
        有三 一隅照らす禅寺の風情。
青鳩の

 まいらせ賜ふや

    梅雨晴れ間
       
       有三 大磯の海岸に飛んでくる、珍しい青鳩の一群。
涼風の

   鴫立つ庵に

    花一輪
       
      有三 「鴫立つ庵」の初夏の風情。
紫陽花や
  慈母観音の
   足下に

  時の巡りて
   今年も咲けり

       紀舟 紫陽花や慈母観音と共に在り、毎年静かに花を開くか。
高幡の
  不動の聖地
  梅雨じめり

  八重の真白の
   額の紫陽花

       紀舟 高幡不動聖天堂の脇、日陰に咲く額紫陽花
かしわ葉の
  紫陽花白き
    槍の如

  貫き通せ 
    平和憲法
  
       紀舟 かしわ葉紫陽花の葉は厚く茎は太く、花は槍の如く白を貫く。
我らも強い気持ちで、平和憲法を守らなくっちゃ!
彼の人を
 偲ぶよすがか
     炎立つ

 紫陽花吟行
  浮かびし笑顔

        紀舟 2010年6月25日に高幡不動、多摩動物園を巡る吟行会を実施した。
その頃は芳翆さんも元気で、先頭に立って山紫陽花を愛でていたのにーーー。
高幡の

  不動の光りか

       七変化
       
       牧紀 不動の仏法の光りの下、七変化の色変り。
歌に句に

  仏心こもる

     紫陽花寺
       
       牧紀
句碑
「木に石に 仏心棲めり 紫陽花寺」

の本句取り(?)
紫陽花の

  破れ葉も強し

     花満つる
       
       牧紀 少々の不運には負けない紫陽花の強さ?見習わなくっちゃ!
池濁る

 されども浄き

     四葩かな
    
       牧紀 濁り水にも負けず、いつも清らかな紫陽花!
目に紫陽花

   心に不動や

     吟行会
    
       牧紀 目と心、頭の保養の吟行会
訪ふ人の

  心にまかせ

     七変化
    
       牧紀 花の色はうつりにけりなーーーー。
人の心も又ーーーー。
訪う人の心のままに色変り?
紫陽花も

 超ゆや地蔵の

     纏ふ紅
    
       牧紀 紫陽花も地蔵尊の紅装束にはかなわない?
傘閉じて

  四葩の道に

    また戻り

        淑如 小雨が又やんだ模様。もう一度紫陽花の道にーーー。
四葩見て

   朝ドラまでを

    また眠り

       淑如 朝早く目覚め、庭の紫陽花をみて、ほっと一息。
安堵して、もう少し休みましょう!!
つゆ空に

  響きの重し

    護摩の声

        淑如 どんよりした梅雨空に護摩の声重し。
水青し

   鮎釣りの居て

    静かなり

       淑如 田舎の鮎釣りの風情。釣り人独り静かなり。
紫陽花や

   君は今でも

    咲き誇る

       水白 あじさいの花は比較的花期が長い。
あなたはいつまでも美しい。
紫陽花に

  少女の時代

  あるか知らん

       水白 あじさいの咲き始め(少女時代)に着眼。新しい試み。
春の日や

   引っ張る夫

     痴呆妻

       水白 超高齢化社会の到来。身につまされますね。
昼顔や

   花弁の向こう

   住みたいね

       水白 あの世との境目は花弁一枚?
花弁の先は、天国?極楽浄土?はたまた地獄か?
七夕や

   少女の願い

   届けたい

       水白 同感ですね。
紫陽花や

  善男善女の

     人の波
       
       和子 この日は、珍しく梅雨の晴れ間。
あじさいの小山に向かう、ここ銀座道路は人の波。
柏葉を

  光背がわりの

     地蔵尊
       
       和子 柏葉あじさいの淡い光背。
水玉の

 梅雨の晴れ間に

      光る朝
       
       和子 梅雨のお庭。朝陽が清々しい。
道端に
  熟れし桑の実
  見つけたり

 噛みし思い出
  ふるさとの味
  
       和子 桑の実を噛んだ思いは、遥かな昭和のノスタルジア!
日の差すや

   紫陽花の影

    むらさきに
       
        学 紫陽花の影は、皆むらさき色?
山寺の

 梅雨の晴れ間の

    人出かな
       
         学 梅雨の晴れ間に恵まれて!紫陽花見る人皆満足げ!
車椅子

   押す声やさし

       菖蒲園
       
        学 満開の菖蒲が、心を優しくする。
菅笠や

   おもわ優しき

      花摘み女
       
        学 優しいおもわ(面輪)、菖蒲にも優しい。
小町なる

  色とりどりの

     四葩かな

      ゆきお 小野小町が溢れている情景?
紫陽花を

  透かして見るや

    今日の娑婆
       
      ゆきお 今日も娑婆は泡の如し。かつ消え、かつ生まる。
(写真は泡あじさい)
昨日雨

  明日も雨らし

     額の花
       
       玲子 今日のみ梅雨の晴れ間。紫陽花の額が眩しい。
紫陽花や

 護摩読経の

    響きけり
       
        玲子 紫陽花を透かして護摩の幽かなり
七変化

   ゆるりと染める

     一花かな
       
        玲子 白無垢から七変化は始まる。ゆっくりゆくりーーー。
法の山

  山あぢさゐの

     色ふなり
       
       玲子 (のり)の山の山あじさいはほんのりと紅が映える。
在りし母

  思ひ出づるや

      額の花
       
        玲子 母が育て、母が愛し、母と見た、私も好きなこの額紫陽花。
紫陽花と

   水の流れが

   色混ぜて
       
      隆夫 紫陽花を映す流れの清らなる。
鮮やかな

  紫陽花の陰

     梅雨を呼ぶ

         隆夫 見事な四葩ですね。
儚きは

   水面に映る

      影菖蒲
       
       隆夫 清水に映る菖蒲を見事に捉えましたね。
あじさいは

  変わり行く世の

       習いかな
       
         水青 紫陽花は名の通り七変化。人の世もーーー。
潮騒に

   見れば浜茄子

   ひとつあり
       
        水青 たったひとつ咲いている浜茄子は、神秘的?
湿原に

   線路はのびて

       初夏の風
       
        水青 釧路湿原に線路はどこまでも真っ直ぐ延びる。
紫陽花を

 廻り出会いし

     六地蔵
       
       くに 七変化巡り巡って六地蔵。
切り株や

  歌こぼれ出る

      夏山路
       
        くに 待ちぼうけ、待ちぼうけーーー。
会釈して

 紫陽花の道

    譲り合ふ
       
        くに 梅雨の晴れ間の紫陽花銀座。譲り合って会釈を返そう!
一輪の
   あるじ
    花が主 や

     夏座敷
       
       くに 鴫立つ庵の夏座敷が良く撮れていますね。(あるじ)の紫陽花の貫録!
潮の香に

  しばし故郷の

     夏思ふ
       
       くに 大磯にて。
故郷の能登の海に比して穏やかな太平洋。
朝露の

  残る紫陽花

   無垢な白
       
      小鈴 紫陽花も白が基本?
紫陽花や
 いと
 愛い寄り添う

      道祖神
       
       小鈴 これも白紫陽花が似合う。
緑陰に

   石仏達の

     宴あり
       
       小鈴 われわれシニアにも心からなる宴がほしい。
老鴬や

  木魚に合わせ

     谷わたり
       
       小鈴 山寺の木魚の音に合わせるように、老鴬(夏鴬)の谷わたりの声。
もくもくと

   雲 山となる

    梅雨晴れ間
       
       小鈴 ピッタリの写真ですね。



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