2014年 観桜
写真俳句短歌特集

                                                 (2014.04.12 )


 今年も、稀にみる大雪で、桜の開花遅れを心配していましたが、3月末に暖かい
 日が続き、三つ池公園観桜吟行会の4月1日にはお陰さまで、満開となりました。

    三つ池の外周桜の山霞み 池には枝垂る桜波
    金黒羽白池に遊び、水草芽吹く
    池の対岸に目を移せば
    桜並木の薄紅長く霞み さ緑の柳風に戯むる
    巡遊し桜を愛で、桜に酔ふ 
    梅は春を告げ、桜は春を謳歌す   
(牧紀)

 今月は「観桜又は自由」題で桜を特集しました。ご笑覧頂ければ幸いです。


俳句、短歌 写真 コメントその他
めぐり来し

    対岸の花

    遠見して
       
       玲子 今花を愛でつつ歩いてきた桜の遠景を対岸からーーー。
鳥鳴きぬ

  仰げば高き

    花の空
       
       玲子 鴬の鳴き音に空を見上げるとーーー。
影描く

  池畔の桜

  キャンバスに
       
        玲子 水面のキャンバスに映し込む桜。
風清し
 そとおりひめ
  衣通姫 と

   言ふさくら
       
       玲子 誠に清らかな桜ですね。
老桜の

  枝張り出して

   満ちにけり
       
        玲子 老桜の貫録!でも、そろそろ後進に道を譲らなきゃ?
花に暮

  谷戸よりの風

     色添えて
       
       有三 三つ池公園の近辺は、何々谷戸という地名が多い。
谷戸からの優しい風に染まってーーー。
風鐸の

   音柔らかし

     花見頃
       
      有三 風鐸の音色が桜に染まり、心地よく響く。
見渡せば

  青もみじ見る

    花めぐり
       
      有三 柳青く、桜は満開そして紅葉の新緑。
ああ春爛漫!
花に酔う

   家路は遠く

    池巡り
       
      有三 三つ池を巡り巡りて夜もすがら。
咲かむとす
  熱き思いの
   繋がりて

  さくらの花や
     春を謳歌す

       紀舟 花々が盛り上がり重なり合うように、たった3,4日で満開に!
花は今

 青空高く

     咲き誇る

       牧紀 池の周りの小高い山には桜の高木が多い。
名にし負ふ
 そとおりひめ
  衣通姫 の
    白肌の

  白衣を透ける
   真白きさくら

         紀舟 この桜の名前の「衣通姫」は、允恭天皇の妃。美しい肌の色が衣を通して照り輝いたと言われている(日本書紀)。
三つ池や
 柳さくらを
   扱き混ぜて

   水面遥かに
     春極まれり

        紀舟
三つ池公園の春。

古今和歌集(春)「見渡せば柳さくらを扱き混ぜて都ぞ春の錦なりける」を踏まえて。
池巡り

  柳さくらの

    春に酔ふ
       
       牧紀 同上
満開に
 早散り初むる
    花在りて

 昔の人の
   面影揺らぐ

       紀舟 SNMの中で輝いている最中に亡くなった人を想いーーー。
鳥と遊び

 枝垂るる桜

    揺する風
    
       牧紀 金黒羽白と鴎が春風に戯れてーーー。
訪ふ人に

 花それぞれの

    おもてなし
    
       牧紀 花の広場のおもてなし。
訪ふ人の

 さくらに竹の

   和のこころ
    
       牧紀 日本の原風景?
花吹雪

 ルンルンルンと

      坂下る

        淑如 私も春の坂道をルンルンルン。
こころにも

 晴れ間の見えし

      花の中

        淑如 晴天の花。心も晴天。
雨も良し

   病の癒えて

      初桜

       淑如 病が癒えて、春がどっとやって来る!
窓に倚る

  花見となりし

   八十路かな
       
       学 花見心はいつまでもーーー。
散るもあり

  咲きつぐもあり

      花椿
       
         学 見事な写真ですね。自然の摂理。
老幹の

   孫の如しや

     桃咲ける
       
        学 同上。孫は可愛いですね
華やぎは

  水面にも在り

     八重桜

      ゆきお 人生にも裏も表もありますね。
二筋を

   橋中で見る

      桜かな
       
       ゆきお 両岸満開。甲乙点け難し。
肩寄せて

   見る竿先や

      春深し
       
      ゆきお 一瞬の良い光景を捉えていますね!
花見して

   弁当越しの

     孫のひげ
       
       ゆきお 身近に孫の顔を見て仰天?
池の面に

  絡みて解ける

      糸柳
       
      未来 桜に柳は本当に合いますね。
ときめきを

   貰う桜や

     風の色
       
       未来 すっと伸びた桜が目に飛び込みーーー。
天も地も

 ざわめき騒ぐ

    花盛り
       
      未来 茶屋の辺りは花も人も込んでいました。
花満ちて

  子はこの時を

    忘れない
       
      未来 花と親子の絶妙のバランス!!
片栗の

  咲く頃合いの
    そぞ
     漫ろかな
       
       未来 片栗はいつみても可憐ですね。
早咲きの

   河津の桜

  緋に染めし
       
      隆夫 関東の花は、河津桜から始まる。
節句過ぎ

 涙の跡か

    吊るし雛

       隆夫 旧暦で雛まつりをするところもあるようですね。
竹取も

  三つの話

     春の夢
       
      隆夫 これぞ竹取三姫夢物語。
散った花
 又春来れば
    花となる

 なぜに帰らぬ
   ゼロ戦の人

      隆夫 靖国神社の英霊に捧ぐ。
妄想と
 混乱の中に
   身を置いて

 痛みに耐えて
  寒風にも耐え

       隆夫 人生とはーーーーー。
うぐいすの

  声も軽ろしや

     吟行会
       
      小鈴 少人数で話も弾み、愉しい吟行会でしたね
花に酔ひ

   花と語りし

   一日かな
       
      小鈴 その通りですね。
大きな輪

    絆深まる

   花見かな
       
      小鈴 日本人の絆は、まず花見から?
老木に
 華麗な花を
  ちりばめて
 
 誇りも高き
   臥龍梅かな
      
      小鈴 地に根を張る「臥龍梅の一生」
つくしの子

  思い出の中に

    遊びけり
       
        小鈴 土筆は、都会では見かけなくなり、子供のころの田舎の思い出に繋がりますね。
紅枝垂れ

  友の笑顔が

   浮かびけり
       
       くに 町田で有名な松村邸の紅しだれ。今年も満開。でも友はいないーーー。
一陣の

  風に花びら

     手水鉢
       
       くに 散る桜に華あり。
故郷の

  畦の匂いや

      草の餅
       
       くに 花より草餅。本当に、「畦の匂い」が漂ってきます。。
幽かなる

 風にたなびく

    柳かな
       
      くに 繊細な柳に目を奪われましたね。
どの道も

  行けば桜の

     花盛り

      くに その通りの情景でした!



HPに戻る

inserted by FC2 system