遠州三山紅葉吟行
写真俳句短歌集

                                                 (2015.12.8 )


  クラブツーリズムのバスを利用して、11月26日(木)静岡県袋井市の
 遠州三山(可睡斎、油山寺及び法多山)にて、紅葉吟行会を実施しました。
 前日の悪天候とは打って変わって晴天に恵まれ、晩秋の遠州路を楽しませて
 頂きました(てるてる坊主の効験恐るべし?)。

    雨冷えも相模を過ぎて駿河まで
             遠州ぽかぽか三山巡り

  今月は兼題「紅葉又は自由」で作品を募集し「課題写真コーナー」と共に、
  以下に纏めました。




第一部

俳句、短歌 写真 コメントその他
本堂の

   松並紅葉

    寄せ着けず

       牧紀
萬松山可睡斎は約1300年前の開山。徳川家康がこの名をつけた東海道一の曹洞宗の修業道場。

左は、可睡斎本堂。見事な松に彩られ紅葉の色はなかりけり。






禅寺の

   阿吽の化粧

     うす紅葉

       牧紀 されど、山門は紅葉初めの阿吽の呼吸。
紅葉している?していない?していてしていない?
紅葉にも

    優しき眼

     慈母観音

       牧紀 慈母観音は松にも紅葉にも優しい眼(まなこ)
青空に

   紅葉は淡し

     三重の塔

       牧紀 薬王院油山寺は、約1,300年前行基大士の開山。薬師如来を奉安する真言宗の古刹。寺内の「るりの滝」の水で洗浄したところ孝謙天皇の眼病が治ったと伝えられている。

油山寺三重塔付近の紅葉も未だし。青空がまぶしい!



目を洗ふ
  程の小滝の
   千年の

  長き瑠璃光
   絶ゆる事なく

        紀舟 油山寺滝堂前から、三重塔を見上げつつ、薬師瑠璃光を浴びる。
ひっそりと

  秋日映すや

     るりの滝

       牧紀 滝水が秋日を受けて瑠璃色に!!お滝不動を拝す。
お堂脇

   秘すれば華の

     紅葉かな

       牧紀 油山寺薬師本堂横手にひっそり真っ赤な紅葉がーーーー。
風車

   水子地蔵や

       秋の色

       牧紀
油山寺入り口付近に水子地蔵がある。

秋の色は哀しい色やねーーー!
風もないのに風車がかすかに廻る。
法多山
  境内広き
  寺なれば

   隠れ紅葉の
   華も見へけり

        紀舟
法多山尊永寺725年聖武天皇の勅願で行基上人が開山した真言宗の別格本山。本尊は聖観音菩薩。

紅葉は未だしの法多山にも赤いもみじが散見される。






急階段
 上り切ったる
     奥の院

  などか紅葉も
  進みてぞ見ゆ

        紀舟 法多山尊永寺本堂。数百段の階段を上りきると紅葉もそれだけ進んで見える?
一休み

   見上ぐや高し

       紅葉晴れ

       牧紀 下りの坂道で一服。紅葉晴れを見上げる。
第百回
   例会記念
   秋吟行

    一意一願
     継続深謝

         紀舟 秋の紅葉吟行を終え、一意一願例会100回継続を不動明王に深謝!
吹き溜まる

  落葉に残る

    生の色
       
       くに 油山寺参道にて。

紅葉は今一。されど落葉は紅葉の生の色?
通い路の

  路傍に石蕗の

     花明かり
       
       くに 寒風の路傍にほんのり石蕗の花
咲く。
良く笑ふ

   人懐かしき
    まゆみ
    檀 の実

      くに 檀の実を見ると思いだすーーー。
健気にも

  白き一輪

    冬薔薇
       
      くに 冬薔薇は何故か白。
山茶花の

  咲きし高速

     吟行会

      小鈴 山茶花咲く高速道を西へ西へ!
相模、駿河、遠州路。
紅葉狩り

  目覚めぬ
   富士は

     雲の中

        小鈴 駿河路は寝起きの悪い雲が残っていて残念!
暮の秋

  願の絵馬の

   重きこと
       
      小鈴 絵馬重なり、弘法大師の師走かな
侘しさに

  耐へて一輪

    冬薔薇

      小鈴 逞しい棘ある枝に支えられーーー。
紅葉且つ

  散る参道の

    井井と
       
       玲子 法多山の参道。

流石に由緒ある寺。参道は井井として風格あり。
紅葉また

  しろがねの木々

       美しや
       
         玲子
同上

しろがね色はシニアの色?
本堂へ

  二百余段や

     柿の彩
       
       玲子
同上

二百余段はきつかったですね!!


整ひし

  家康公の

   手植へ松
       
        玲子 可睡斎の名付け親、家康公お手植への松。
成程、見事なり!
薄紅葉

   慈母観音の

    微笑みぬ

       玲子
可睡斎

慈母観音の微笑みが見る人に伝わり、このページを見る人に伝わる?
冬晴るる

  逆光に小葉

    より紅く

        淑如 もみぢ葉のさざ波が逆光に映える!
奈落見て
    しのびね
  聞こゆ 忍音
     もがりぶえ
     虎落笛

        淑如 奈落にいると聞える虎落笛。

偶には奈落を見るのも必要?
アフリカの孤児、シリア難民を見る目が変わるかも?
年暮れて

   猿が一匹

    出番待つ
       
       淑如 未さんさよなら!さよなら未さん。

次は吾輩の出番!
一列の

   子ら賑やかに

    落葉踏む
       
       淑如 賑やかな一団。日本人?
洋館に

 紅葉のツリー

    似合うかな
       
       吉夫 早々と紅葉のクリスマスツリーが洋館を彩る。
白サザンカ

  二人姉妹の

  かたよせて
       
      吉夫 清楚なるサザンカ姉妹の旅の宿?
招き猫

 見つめる先の

     散り紅葉

       吉夫 招き猫と散り紅葉が数を競う?
古寺の

 もみぢが客の

     遊園地

       吉夫 紅葉が一杯になったら発車します!!
次は法多山仁王門です。
地蔵には

  赤の帽子の

    冬支度

      吉夫 可睡斎本堂下の石燈籠列。

お地蔵さんには赤が似合う。
洛中の

   歴史を誇る

     大銀杏
       
       和子 大銀杏、芽を出し、葉を出し黄葉し地に返る。歴史は繰り返す!
南禅寺

  錦に映ゆる

    水路かな
       
       和子 水路の枯れた色が紅葉にマッチしている。
鮮やかな

  襖絵みやび

     京の秋
       
        和子 京都ならではの雅!

消火器が重要文化財の象徴?
落葉舞ふ

  賀茂の宮居の

      大鳥居
       
       和子 今年もなんとか1年無事に有難うございました!!
老ひてなほ
  仲睦まじく
  あれかしと
 ただす
    糺 の森の
     賀茂の明神

        和子 老いてなお、若者のお手本に!
言い残す

  事などあらじ

     秋の暮
       
      きよし 鶏頭の花を夫婦に見立て、
終焉を迎え、自分の思いが相手に全て伝えることが出来ているならいいなあ―
との思いを込めて。

獲物来ぬ

  ひとり芝居や

     秋深し
       
     きよし 毒々しい蜘蛛のひとり芝居。成程秋深し。
落葉踏む

  音も楽しや

    子の世界
       
      きよし 「子の世界」を慈しむ「親の世界」が紅葉の下に広がっていますね。
本堂の

  裏手に回り

    秋見つけ
       
     きよし
可睡斎本堂の裏手から

流石行動派の「きよしさん」ですね。
添乗員

  笑顔で急かす

     秋の旅
       
      きよし 3人も必死で走っていますよ。
散り紅葉

  たくまし羊歯に

     色を添へ
       
      きよし ノキシノブに散り紅葉が色を添えている。観察が細かいですね。
ちちはは
 父母 へ
 いも
   妹よりの柿

    供へけり
       
        学 大根半分がキーポイント?
はらからの

   しきりに恋し

      蜜柑吸ふ
       
        学 ワインで鋭気を養ってください。
夕暮や

  ほのかに白し

    石蕗の花
       
         学 石蕗の花は陽の残っている夕暮れ時がいいですね。
小春日の

 鷺の歩みや

      水輪追ふ
       
     ゆきお 恩田川の小鷺が冷たい水の中を歩いている。さながら水輪を探して脚を入れているようにーー。
幾度の

  図柄変わりて

    敷く紅葉
       
     ゆきお 恩田川縁の道は四季折々の風情(図柄)がある。
晩秋は散り敷く紅葉の図
参道に

 紅葉巡りの

    人の列
       
       未来 法多山の長い参道。紅葉を求めて人の列。されど紅葉はやや早し。
天狗杉

 幾歳越へし

    冬日和
       
       未来 油山寺の天狗杉の根。樹齢千年以上の由。
晩秋の

  富士遠く載せ

    伊豆の海
       
       未来 西伊豆大瀬崎にて。
文句なき晩秋の景!
明治の香

  残せし橋に

    黄葉かな
       
      未来 八王子長池公園にて。
(新宿四谷見附橋
を1993年に移設復元したもの)
礒菊の

  気品匂ひて

     凪の海
       
      未来 海岸に自生の礒菊。葉に花に気品あり。
白い屋根

  秋色映える

     紅の色
       
       隆夫 白い屋根がワンポイント。
秋満る

 薬師の池の

   緩やかに

       隆夫 昨年の思い出の写真。
寂しい日

シャンパンもなき

    クリスマス
       
         隆夫 本当に寂しいね!
寒き夜
 夢見るものは
   夏の日に

 野に咲く薔薇の
    紅き輝き
       
       隆夫 寒き夜の白昼夢の由
紅葉狩り

   仏の道は

    まあだだよ
       
      有三 法多山の長ーい参道。本堂はずーと先。まだまだ長生きだよ!
初時雨

  笠雲富士と

    遊山かな
       
      有三 時雨模様の西伊豆遊山
ひっそりと
 静まりおれる
   庭にさえ

 秋の気配は
  訪れにけり
       
       筑山 静かさや庭に浸みいる秋の色!!
里とほく
 訪なふ人も
   稀なるに

 時節忘れぬ
 もみぢ葉いとし
       
       筑山 紅葉の季節は必ず巡る。人の世もーー。
ただひとり
 庭を眺むる
   旅人に

  錦色した
  秋風の吹く
       
       筑山 錦色した秋風」が絶妙ですね!
奥山に
 人知れずして
   咲くもみぢ

 辺り見まわし
   凛としてあり
       
       筑山 紅葉初めのもみぢは凛とした勢いがありますね。


第2部

課題写真コーナー

吊るし柿
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