2019年3月 写真俳句短歌集


 開催日時:  2019.3.12(火)  9時半〜12時
場所:     生涯学習センター学習室7
兼題:      「観梅又は自由」
概要:
 当月は「観梅又は自由」題の作品に加えて、事前にお知らせした課題写真「川面の余寒」に 関する作品を併せ募集し、これらをまとめて、同好会HPの「兼題、例会コーナー」にアップしました。
例会に先立ち3/4(月)に羽根木公園観梅吟行会を実施しました。生憎雨の観梅となりましたが、美登利寿司本店のメニュー”春一番”が好評で楽しい会となりました。




(写真提供:二田さん)

友と来て楽しからずや梅が丘 雨に観梅昼美登利寿司



 <写真俳句短歌

<第一部>




菜の花に 持て成されたる 昼の膳 未来


一皿に 海苔の艶めく 江戸の味 未来


ふるさとは 近きて遠き 梅真白  未来


寄り添ふて 娘を慈しむ 雛の顔  未来


谷戸は今 春の息吹に 騒めけり   未来



季を食む ワインも欲しき ほたるいか  淑如


花ミモザ シャンソン歌ふ 友の住む 淑如


目を覚ませ外は温いぞ めだか達  淑如


雛飾り 思い出話や 老夫婦    淑如


小鳥一羽 春を慶び 飛び交ひて   隆夫


庭先の タンポポ一輪 風に揺れ  隆夫


路地裏に 紅梅見たり ついカメラ  隆夫


何もない 我が荒れ庭に 梅一枝   隆夫


草むらに ある日ひょっこり 福寿草 和子



やはらかき大きな影の空間も
今は消え失せ無残な姿  和子


氷雨降り咲き誇る梅眺めいて
   友の訃報に明日は我が身か 和子


白梅や 湯島の女の 涙雨   牧紀


送梅や あらわな幹に 雨が沁む  牧紀



思い出の 茶室に煙る 梅の雨   牧紀



梅に集い 雨にメジロも お昼時  牧紀



  赤心の失われゆく平成よ
真摯に憂ふ燃ゆる紅梅  紀舟


甲高く 呼び合ふ園児 春浅し  ゆきお


梅の香や その紅白 究めかね  ゆきお


白木蓮の 空を絣に 雨上がる  ゆきお


白椿 緑の鎧に 守られて     吉夫


日差し浴び オオゴマダラが 羽化をして 吉夫


魚たちと 水族館の ひな祭り   吉夫


茶屋にさす 小春日和の 薄明り   吉夫


白梅の 林の続く 薬師池     吉夫


目を引くは 山茱の花の 黄色かな  くに


老梅の 花ほんのりと 色をさし  くに


梅林や 香りを載せて 風抜ける   くに


夫病んで 観梅吟行 諦むる   くに


白梅や なんと痛しい 古木かな  玲子


梅が香や 谷戸の景色の 調ほる   玲子


緑枝の 白しだれ梅 無造作に  玲子


少年の 甲高き声 早桜      玲子



病窓の 山座同定 遅日かな   玲子


ヒヤシンス ぽつんと笑顔 向けにけり  玲子


手入れ良き 寺庭入れば 梅の香  きよし


無機質な ビルの見下ろす 桜かな  きよし


残寒を忘れ若者一心に
土手も職場とパソコン打ちぬ きよし


   色分けで生と死決まる儚さを
恨みもせずに木々は動かず きよし


お詣りの帰り親しき友に遇ひ
貰ふ焼き芋ほのか温もり きよし


観梅や 話に花咲く 昼下がり   小鈴


トラックの 春泥洗はれ 干されけり  小鈴


一つ落ち また一つ落ち 藪椿    小鈴


春の風 工場の煙や 真直ぐ上  小鈴



春光や ソーラーパネルの 大稼動  小鈴


蕗の薹 たった三個で 存在感  波


市美展みて 芹が谷公園 春さがす  波


咲き競ふ 白かな紅か 藪椿    波


雨音を 笠に集めて 梅見かな   波


満開の 梅の彼方 空真青     波


尾長来て 梅の花びら 味試し   波


観梅や羽根木の里に降る雨の
 雫に映す過ぎ去りし日々  有三


四阿(あずまや)の ここにも梅見 人の影 有三


二羽ありて 風のいざなひ 水温む   有三


余白ありて 何に(えにし)や 椿落ち  有三


動くらし 風の音する 馬酔木花   有三



<第二部>

課題写真コーナー

「毎月事前に出題される課題写真に対し、
皆で俳句、短歌を創作し合うコーナーです」

川面の余寒


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