2010年 新春写真俳句短歌集


             明けましておめでとうございます。

    平成22年は「2番底の不景気」懸念の中の幕開けですが、
    「寅年」に肖り、時には吼える如く元気に、又着実に進み
    たいと思います。
    昨年第1回を開催した展示会にも、今年は一段と注力して
    ゆきたいと考えています。
    本年も宜しくお願い申し上げます。
      


                        <俳句の部>         短歌の部>へ移る

俳句 写真 備考、コメント等
寅の年

 遂に来たのか

    六度目の

     ―水白― 72歳の年頭に当たり。

陶製の虎は、札幌赴任中の「中国展」で購入の由。当時36歳。
初詣

 手水使い

   指凍てる

    ―隆夫― 外人さんの手水使いの仕草が何とも微笑ましいですね。
お正月
   ふ
 善い卦がでたね

       札結ぶ

     ―隆夫― 冬の時代を雄々しく(?)生きてくださいね。
甘酒に

 体ぬくまる

     初詣

      ―学―
これは、甘酒の湯けむり?
ほのぼのと身も心もあったまりますね。
初富士や

 湖畔の宿の

  湯のあつき

     ―学― 凍れる初富士と熱き湯のコントラスト
寒月光

 富士漆黒の

  シルエット

     ―学― 左上方の「寒月光」が良いですね。
暁闇を

 富士目覚めゆく

    淑気かな

    ―せつ子― 目覚めゆく時の移ろいがいいですね。
白鳥の

 百花浮かべて
     うみ
     湖 平ら

     ―せつ子― 白鳥の百花繚乱!平和そのもの。

富士は平和ボケ?
山頂で

 初日待ちをり
    
       老青人

            ―仁昭― 老青人:

老いてなお青春の心盛んな人

若いのに老人趣味の人

老人&青年男女

さて、作者の意図はーーー?
山頂の

 雑踏の中

   初日の出

     ―仁昭― すべての人に平等に日は昇る!

<陰の声>
本当でしょうか?
初拝み

 空澄む富士に

     頭垂る

     ―仁昭― 元旦の敬虔な空気の中、自然に(こうべ)がたれる。

感謝、感謝ーーそして願い、祈りーー。
初詣

 息つく社の

    配り餅

    ―仁昭― 初詣登山の途中の差し入れは神様の下され物。

勇気百倍!!
背押されて

  何か安らぎ

      初詣

      ―牧紀― 以下4句、相模の一の宮「寒川神社」参拝。


続々集まる参詣者の背に、何となく安らかな力がーーー。


山門の

 虎の眼光る

    年の明け

     ―牧紀― 寅さんよろしく!!
闇見据え

 きばむく虎に
   とし
   新年託す  

     ―牧紀― 不景気の闇よ、お手柔らかに!
破魔矢背に

   元日暮るる

   富士に立つ

      ―牧紀― 破魔矢をかついで、じっと夕日の富士を見つめる。
新年に新たな決意?
白雲の

   影も戯むる

   松の富士

      ―牧紀― 正月松の内、箱根大涌谷から富士を望む。
富士の雪面にぽっかり浮かぶ雲の影。
富士と戯れる我影か?
門松や

   長谷観音の

   慈愛の眼

      ―未来― 観音様の慈眼は遍く照らす
ふたり連れ

   会話の弾む

     初詣

      ―未来― 微笑ましい初詣!
佛足の

   平和へ一歩

   今朝の春

      ―未来― 佛足が佛顔に!佛顔が佛虎の顔に拡がる想い!今年も平和に!
松明けて

 欅に咲くや

    弦の月

      ―芳翠― 相変わらず、一瞬を捉えるのが上手いですね
何事もなく

    年暮れし

   大根買ふ

     ―小鈴― 今年も無事暮れようとしている。
正月用の大根も買って、家路へ急ぐ。
除夜の鐘

   幾度聞きしや

      大桜

       ―小鈴― 除夜の鐘が鳴り、年が開け、又桜の季節が巡るーー平凡の中に非凡がある?
新年の

   月煌々と

   闇照らし

      ―小鈴― 今年は元日が満月綺麗でしたね。
初詣

   今年は良いこと

    在りそうな

       ―小鈴― 今年こそ良いことがありますように!
福娘

   微笑みあふれ

     春開く

      ―有三― 福の笑み天まで昇れ!

昇って消えないでくださいね!
初詣で

   ふところ深き

      仏様

       ―有三― 何でも聞いて頂ける有り難い仏様です
キャンドルの

    願ひの数や

    去年今年

      ―有三― キャンドルに託す願いが次の年までひろがる
亡き父の

   小言懐かし

    花八つ手

      ―くに― 花八つ手の前でどんな小言を聞いたのでしょう
今は小言を呟いていませんか?
ひと時を

   雅の世界

  歌留多よむ

      ―くに― 激動の年。こんなときこそ百人一首
馬曳ひて

 さくさくと踏む

      霜柱

      ―英進― これは高尾山登山道の霜柱です。これでいいでしょうか?
(写真提供:牧野さん)

馬の背に

 ゆらりと揺れて

     息白し

      ―英進― これは、ゆったりした息?
(安閑の息)
芭蕉庵

   訪ねし人の

    息白し

     ―英進― これは、満足げな息?
(安堵の息)
背を丸め

   急ぎいそぎて

     息白し

      ―英進― これは、もう苦しい息?
(不安の息)
冬篭り

   一心不乱

   本の虫

    ―英進― 英進さんの蛍雪時代の思い出でしょうか?
氏神に

   家族揃ひの

     初詣

     ―玲子― 正月の原点に幸あれ!
程ほどの

   夢胸に秘め

   今朝の春

     ―玲子― 一家にささやかな福を願う。
ボロ市や

   遠い記憶の

    中にあり

      ―玲子― ボロ市を見て何故か懐かしい記憶がーーーー。
来る年の

   福を願って

    松飾る

     ―和子― 我が家で工夫したつつましい松飾りには、つつましい確かな幸福がーーー
寒空に

  群れなす人や

   ボロの市

     ―和子― 冷え冷えとした年には、ボロ市に人が集まる?
客を呼ぶ

   声につられて

     臼の店

      ―和子― 餅をついて、不景気風を突き飛ばそう!
思い出の

   歌次々と

   新年会

    ―三樹― SNMの新年会の一駒

(写真提供:岩田さん



                         <短歌の部>          俳句の部に戻る

短歌 写真 備考、コメント等
冬の朝

 いいよいいよと

    鳴く小鳥

  吾が心をば
   
    知るや知らずや

      ―水白―
山茶花の葉陰はるかに「いいよいいよ」と天の声

なかなか含蓄のある一首ですね
初春の

 めでたき囃子

    堀兼の

  小さき杜に

   人びと祈る

    ―名無子― このお囃子が聞こえるとーー
故郷のお正月。
雪蛍

 父母眠る

  故郷や

 そうありしかと

   子の末見詰む

     ―名無子― 雪蛍の故郷ーーー。
初日の出

 ヘッドランプで

    登り来て

  頂に立ち

   願い届けと
   
     ―仁昭― 早朝からご苦労様です。
初日の出を見れば、疲労も吹き飛ぶ
 寒川の

 どっしり広き
   しめなわ
   注連縄に

    末広がりの

         平安願ふ

      ―紀舟―
相模国一の宮 寒川神社に初詣。

おみくじは「末吉」

今年は秋頃から景気が回復するようです?



元日を

 富士遮りて

   相模野に

   拡がる安らぎ

        続けと祈る

      ―紀舟―
寒川神社からの帰途、穏やかな富士に遭遇。


穏やかな富士の夕暮れに、1年を託す。
ひんがし
 東  に
 まなこ
 眼 据え置き

  身構えつ

   旭日の勢

       満身に受く

     ―芳翠―
「旭日の勢、盛、生、精、清、−−−−」満身に感じ,今年も頑張りましょうね
知らぬ間に
 おのれ
 己 が世界を

   築きたる
   い
 立ち位置異なる

        娘の処女作

      ―芳翠―
処女作の成功を祈念します
春を呼ぶ

 花匂ひたち

   万葉の 

   初講話聴く

        窓外は雪

     ―芳翠―
白水仙に白雪が重なって見えますね!
でも、講義中はよそ見(外見)をしてはいけませんよ
初春や

 箱根の山に

   ご来光

   来し方想い

       行く末祈る

     ―筑山―
新年の初明かりに感謝!
箱根路の

 宿の前なる

   坂道を

   上る健児の
  たすき
       襷 しいさおし

      ―筑山―
戦前の若き血が騒ぐ??
駄菓子屋で

 嬌声上げいし

  姪たちの

    振袖姿
     よわい
      見る齢 かな

     ―筑山―
姪たちの振袖姿に目を細めている好々爺の姿が目に見えるようですね


(写真は、二田さんから借用))

                                          ページTOPへ


新春特集に戻る

HPに戻る

inserted by FC2 system