2021年1月 写真俳句短歌集


開催日時:  2021.1.12(火)

兼題:      「年末年始又は自由」
概要:
   コロナの感染者は依然として増加。第3波の猛威ただ中に在り。
  とうとう、二回目の緊急事態宣言発出。(遅過ぎの感は否めず)
  残念ながら、今月はテレワーク方式の例会を開催しました。
  当月は「年末年始又は自由」題で作品を募集し、併せて、事前
  にお知らせした課題写真「熱海の日の出」に関する作品を併せて
  募集し、テレワーク方式披講に供し、
  まとめた後、「兼題例会コーナー」にアップしました。

写真俳句短歌

<第一部>


寒木瓜の 一輪咲きし ほどの良さ   有三

 花のない一月に木瓜の花が咲いていました一輪が
 丁度良い咲きどころと思いました。


年明けに 煩悩はらり ぬぐいけり   有三
 密をさけて、今年はお寺の方だけでついたとの話です。


   あらたまの神います国いや栄ふ
       コロナを祓ひ美し令和に  有三
 古典勉強会で万葉集を学んでいる影響です。


寒の入り 水琴の音 漏れにけり    有三
 竹の筒よりか?分かりませんが水琴窟の甲高い音が聴こえました。
 寒さに合った冴えた音でした。


さよならも 無き旅立ちや 落ち椿     小鈴
 昨年の暮れ、年賀欠礼のハガキや身近な人の喪の知らせを頂き、
 お別れの挨拶もなく逝ってしまわれた寂しさを 読みました。


ふと見れば 晦日の月や 萩の風    小鈴
 12月30日頃お月さまはどんなかなと思い(俳句の材料がないため)
 外に出てみたら満丸の月、少しかすんでいましたが。萩の葉の間から 
 覗いたら、大きなお月様が取れました。


丁寧に お祈りしたる 初詣        小鈴
 初詣はいつもお願いがいっぱいで、丁寧なお祈りになりますが
 今年は特に丁寧にコロナ禍終息が早かれんことをお願いしました。

空澄みて 人影まばら 三が日     小鈴
 3日に初詣にいきました。空は良く晴れ、澄み渡っておりました。
 でも、ご近所の神社では、お参りに来る人はまばらでした。


明けの空 白き月あり 淑気満つ      淑如
 朝早く公園でやってる太極拳に行く途中、月は白く見えました。
 トリミング(右)しますか?(牧紀)
 写真のトリミングお願いします。(淑如)


ブラジルの 義兄に届かぬ 賀状かな     淑如
 郵便局に出しに行ったら、ブラジルは受け付けないとのこと。
 吃驚して、大変なことになってると思いました。


やすらぎも 希望もなくて 年明ける    淑如
 せめて難が去るように南天の花を活けました。


松過ぎて 賀状来ぬ人 すこやかか    淑如
 いつも、早々に年賀状をいただく人の賀状が届かず。
 どうされているかなと心配しています。
 急に届かないと、心配ですね。私は今年年賀状卒業を
 明記しました。(牧紀)


紅白の 水引 松に お正月      波
 毎年若松を活けます。


初詣 参拝待つ人 ディスタンス    波
 町田天満宮へ初詣   (1/4)。
初参り ディスタンス取り 静かなり -とか、どうですか?(牧紀)
初参りと参拝が重なり気になっていました。 「初参り」を「初詣」に
変更します。(波)


神殿を 囲む木立や 淑気満つ     波
 これぞ、淑気満つ杜のお社。(牧紀)


初参り 見守る丑の 慈愛の目      波
 目か眼か?慈眼の「眼」か? (牧紀)
 「初詣」を「初参り」に変更。目は目。(波)


初晴れや 合格祈願の 絵馬あふる    波
 今年の受験生は大変ですね!(牧紀)


氷割り 真青な空を 掬い上ぐ     波
 元旦の朝の初氷です。


師走とて 順確かめて 大祓い      ゆきお
 町田天満宮へ早めの初詣。茅の輪は夏の季語であるが、
 師走の茅の輪は初めて見た。茅の輪のくぐり方は順番がある。
 師走の忙しい時に子供に確かめている。


スーパーで 故郷の餅を 選び取り    ゆきお
 命じられて雑煮の餅を求めスーパーへ行った。
 色々取り揃えてあるなかで、袋に故郷の名のあるのを多めに買った。
 良く伸び、美味かった。
「故郷の名」判ります。私は、年越しは”越前そば”で。(牧紀)


すぼめたる 足に語らす 冬の鷺      ゆきお
 恩田川。コサギが小魚を狙っている。冷たい川でそっと動く足の形と色。
 石の下をまさぐる。


天満宮 丑年のうし ピカピカに      吉夫
 町田天満宮には、牛の置き物が二体ならんでおります。
 今年の銅像は、ぴかぴかです。


おみくじの まばらまばらの 年はじめ   吉夫
 町田天満宮のおみくじは、コロナの影響でまばらです。


金柑の 今年も家族 大家族         吉夫
 わが家の金柑は、今年も大量です。
金が大量に!!今年は春から縁起がいい。(牧紀)


黄色増す 柚子が夕日に 照らされて    吉夫
 わが家の柚子は、冬の夕日に照らされて、黄色さが増しています。


どの家も 鈴なり蜜柑 庭先に      吉夫
 この団地では、ミカン農家でもないのに、庭先に蜜柑が鈴なりです。


待ちかねて 正月明けの 病院へ     すすむ
 3年前、妻は年末から体調を崩し、正月休み明けを待ちかねて、
 こばやし医院に行きました。それが、終わりの始まりでした。


切り取られ なお深まりぬ 冬の青   すすむ
 横浜美術館の中からの小さな空の青さが印象的でした。
見事な青の三角形。いい構図ですね!(牧紀)


棲み分けは 良いものかなと 枯薄    すすむ
 中山と鴨居の間の恩田川の河原です。
 薄と背高泡立草とがキチンと分かれていて、
 それが生きるコツかなと思って。
本当の平和共存か、核のバランスの下の平和か?(牧紀)


向かひ合ふ 窓拭き恋し 年の暮れ    すすむ

 窓の両面を二人向き合って一度に窓拭きすると、拭き残し無く、
 キレイに出来たなと懐かしみ。少し、嘘っぽいけれど。


歌がるた 上の句で止め 七十枚    すすむ
 さて百人一首を一人でどうやって遊ぶかと考えて、
 テープを上の句で止め、何枚取れるかやってみました。
 疲れました。
 自粛は続く。”一人遊び”も研究しなくっちゃね!!
 でも、70枚はすごい!(牧紀)


懐かしや 友より届く 丸い餅     くに
私の子供の頃の餅は全て丸餅でした。いつの頃からか切り餅になって
いたのですが、何時も送ってくれる義姉が亡くなって、買わなければと
思っていたら、思いがけず友から丸餅が届き懐かしくいただきました。
丸餅、角餅(切り餅)は関ケ原付近で分断され、一般に西は丸餅。東は
切り餅の由。
私の福井は丸餅、石川県の加賀は切り餅、能登は丸餅の由。
面白いですね!(牧紀)


忘る事 多くなる日々 日記買ふ    くに
 家計簿兼簡単な日記を付けられるノートを見つけたので買いました。
 物事を忘れる事が多くなりました。
いい句だなと思いつつ、『忘るる』ではないかな?とーー
古語辞典によれば、 『忘る』には2種類あって、
① 他動詞。ラ行四段活用。つとめて忘れる。しいて忘れる。
② 他動詞。ラ行下二段活用。自然に忘れる。いつの間にか忘れる。
 この句は②だと思いますので、この辞書に従えば、『忘るる』
じゃないかと思いますがーーー。     (すすむ)
私の句の「忘る」についていろいろご意見有難うございました。
私は字余りになるのが嫌でしたので、文語体で「忘る」としたのです。
衣川さん、牧野さんの「忘れ事」につきましては、「忘る」の連用形ある
いは連用形が名詞化したものとありましたが、俳句の世界では「忘れ事」
と言う言葉があるのでしようが、やっぱり「忘れ」の後には、た、ました、
ますを付けたいと思いますので今回は「忘る」でお願い致します。(くに)


静かなる 屋並みに初日 差し初むる   くに
 初日の出が上り街が明るくなり初めました。
 早く穏やかな年が戻って来る様祈りました。


詣ず人 迎ふる榾火(ほだび) 燃え盛る    くに
 近くの熊野神社へ初詣に行った時、詣でた人達が暖を取るため
 境内の大囲炉裏で燃していました。


それぞれの 思ひを載せて 賀状来る くに
友人の賀状にはそれぞれ、優しい一言が添えてありました。


歳末の 町田明るし 人むなし     牧紀
 今年はコロナ一色。イルミネーションはそんなに変わらず、明るいが、
 我慢、自粛で人は少なく、黒いマスクのむなしき姿も?


寒月や コロナの星を 見つめをり   牧紀
 地球を覆うコロナウィルスも月までは届かない?当たり前だ!


   新年の干支(えと)の見守るコロナの輪
       如何に抜けるや試練の刃  紀舟
 新年は丑年。コロナの急速なる終息を町田天満宮に祈念す。
 開発中のワクチンが、”鬼滅の刃”となるか?


歳末に 早や結ばれし 神籤かな   牧紀
 新年に予想される三密を避けて、早々と参拝、神籤掛けに!


山茶花や 紅白一重 八重も咲き    牧紀
 こんなに咲き誇る山茶花。
 咲いてさびしいーー、さだめかなしいーー「さざんかの宿」
 何ゆえに? 誤解されるのが運命かーーー?


 乙女娘の 頬染める如 初紅葉    牧紀
 これは、初紅葉か色濃き病葉(わくらば)か?


(まばゆ)しや 若者と受く 初日の出     玲子
 長福寺からの初日の出。
 狭い撮影ポイントには密を避けて先客が並んでいました。
 割り込めず、うろうろしていたら、若者がここよく見えますよ!
 と招いてくれました。
老若男女和気藹々。これが日本のこころ。
初日は赤富士(?)と共に(牧紀)
眩し(まばゆし)訂正しました。(牧紀)
富士山は北西に位置しますので赤富士にはなりませんが
夕方の茜雲に染まる富士山がきれいです。(玲子)


元朝や ボール蹴る子の 夢清し    玲子
 初日の出を拝した足での初景色です。子供の夢は素直ですね。


(ゆったり)と 元日の月 沈みけり     玲子

初日の出の真後ろに、大きな美しい月がゆったり(寛)と沈んでいきました。
12月30日は令和2年最後の満月でした。[ゴールドムーン]と言うそうです。
(ひんがし)の野に(かぎろい)の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ(柿本人麻呂)
 ー ーのやや時移りし世界?ーーー牧紀
「万葉集・柿本人麻呂の歌」ありがとうござます。美しい情景が目に浮かび
ます。(玲子)
コメント訂正しました。(牧紀)


残り柚子 猫いづこへや 道普請    玲子

 年末の道の工事です。猫がいつも道にいます。


葉牡丹や 雨降らぬ日の 更新す     玲子
 天気予報士によると、1か月以上雨が降っていない日が続いているとのこと。


品の良さ 武家の育ちか 姫椿     きよし
 だいぶ散った姫椿(山茶花)でしたが、この花は
 しっかりと残っておりました。
「姫椿」拡大しましょうか?(牧紀)
そのままで、よろしく。(きよし)


さりげなく 握り合ふ手の 温かさ  きよし
 お二人さん、お幸せに・・・


シクラメン 素通りさせぬ ほど並び  きよし
 店頭の花々が歩道にかなりはみ出ていました。


年の暮れ すがる思ひの 神頼み    きよし
 握手した後、願い事をされた方の手に、魔神が消毒液を
 スプレーしておりました。


   手水せず鈴も鳴らさぬ初詣
       長蛇の列は静かに進む  きよし
 南大沢八幡神社。長蛇の列でしたが、前との間隔はしっかり
 取っていました。


冬雲や 軽く撥ねたる 筆の跡     きよし
 冬雲に、絵筆の微妙なタッチを感じました。
中々いいですね。冬雲がもっと多い(縦長)方が良いように
思いますが?(牧紀)
そのままでよろしく。(きよし)


黄昏の 東京タワー 淑気満つ    未来
 黄昏時の東京タワーの凛とした姿。


東風(こち)に 祈りの明かり 点滅す    未来
 万全を期して娘と会うことにしました。


初詣 金刀比羅宮へ 願掛けに     未来
 虎ノ門琴平町の金刀比羅宮へ初めての参拝。


閑かさや 官庁街の 初御空      未来
 霞が関の官庁街は音もなく静かでした。
今年は、一層静かな官庁街。
正月休み無き医療現場の混乱を想う。(牧紀)


丑年の 土鈴からんと 年初め     未来
 娘が金、私は銀の丑の土鈴を戴きました。
金銀の”土鈴”いいですね。
丑年の 土鈴からんと 年初めーーでも? (牧紀)
推敲有難う御座いました。訂正宜しくお願いします。(未来)
訂正しました。 (牧紀)


<第二部>

課題写真の作品集

熱海の日の出



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