SNM写真俳句短歌同好会第12回展示会作品集 (1/2)
番号 俳句・短歌 備考、コメント
御仏の背に百丈の
             鰯雲  未来
鎌倉の大仏様の横顔、背には鰯雲が何とも言えない景色。
潮騒を聴くそれぞれの
          秋夕焼け 未来
鎌倉由比ガ浜の夕焼けの名残惜しさ。
黄昏にバカラの灯り
          年惜しむ  未来
恵比寿駅前にバカラのシャンデリアが飾られ、夕暮れを彩る。
蓮の葉に昨日の風の
          忘れ物   未来
薬師池公園の蓮田。新しい一日の始まり。
壮年の湘南ボーイや
         海に春    淑如
逗子の海にカッコいい壮年の男性がーーーー。
夏の夕田舎の匂ひや
           薬師池  淑如
ザリガニ取りに夢中の姉弟。子供たちの昔を思い出しました。
老いを知る冬三日月の
         細きかな   淑如
冬の月は寂しい。まして細い月はなお一層ーーー。
モネのよう川に浮かびし
           花の影  淑如
川に映る桜はモネの絵のようでした。
花万朶
    水面煌めく恩田川  波
恩田川の桜は今年も見事でした!
10 日差し浴び一列駐鹿
            南大門  波
奈良、東大寺にて。秋の昼、鹿たちが気持ち良さそうに休んでいました。
11 拝殿の鈴の音清し
           秋の風  波
三浦市三崎の海南神社。三浦一郡の総社です。
12 玉おどる見上ぐる幼な子
           冬ぬくし  波
芹が谷公園で偶然出会った子供たち。
13 変わり凧
ビルのほっぺに紅を差す  きよし
八王子市片倉城跡公園に隣接する広場で、非常にユニークな手作りの凧を揚げている人がおられました。望む位置に降りてくれと祈ったら、その通りになりました。
14 散り落ちて金木犀や
          終の恋   きよし
自宅の庭に大きな金木犀の木があり、花咲く頃は甘い香りが漂います。木の下に植わっているツワブキの葉に落ちた花びらを見て、句が浮かびました。
15 云えぬことふと語らせし
           春の風   きよし
撮影地は小山田緑地。バラしてしまえば写真俳句始めた頃の初々しい作品。眠らせて置くのももったいないと思っての出展。その後これを越える作品が出来ず今ももがいています。
16 会えぬ日の母に抱かるる
           夏の夢  きよし
事情あって、昨年から今年の一年間、生まれてからすぐの孫を預かり、家内と共に必死で育てました。でもやはり本能的に母親が恋しいのではとの想いで詠みました。
17 雪深く暖簾の招く
        湯宿かな     吉夫
一月の雪降る城崎温泉。墨絵の世界のような湯宿の暖簾。
18 石楠花の蜂を飲み込む
        薄ピンク     吉夫
五月の箱根、山のホテル。見事なシャクナゲの蜜を吸うクマンバチ。
19 朱の鳥居中にぽつぽつ
         七変化    吉夫
六月の高幡不動の紫陽花祭り。ひっそりと佇む鳥居の中に紫陽花がぽつぽつーー。
20 純白のなみだ涙や
         月見草      吉夫
七月のわが庭。月見草が夜露に濡れて咲いています。
21 水仙の群れて咲きゆく爪木崎
  強き海風香りいやます  有三

一月なのに、海から吹き抜ける風は南国の風でした。

22 藁屋根に影やはらかく
            若楓    有三
薬師池公園の古民家の藁屋根に春の日差しの影。
23 緑陰に人影ありて
        風の道       有三
薬師池公園の木陰にて、絵を描く人に風が吹き抜けていた。
24 もののふの砂利踏みしめし東御苑
   百人番所今静かなリ   有三
皇居として利用しないお陰で、武蔵野の面影と遺構が残されたのでしょう。平和のお陰もありますね。
25 今日ひとひ暮るるを惜しむ
          紅葉かな   牧紀
六義園にて。一日の疲れが吹っ飛ぶ静寂の紅葉。
26 鄙の人守り育てしかたくりの
群れて耀よふむらさきの波  紀舟
城山かたくりの里にて。一面のムラサキ色のかたくり。育てた人達のご苦労に感謝。
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