SNM写真俳句短歌同好会第12回展展示会(2/2)
番号 | 俳句、短歌 | 備考、コメント |
27 | 江戸城の栄枯映すや隅櫓 菱うく濠に浮雲流れ 紀舟 |
大江戸城に残る隅櫓。濠の浮草と浮雲に時の流れをしみじみ味わう。 |
28 | 被災地を見舞ふや 萩も涙雨 牧紀 |
災害続きの日本列島。被災地の復興を萩の花と共にお祈りいたします。 |
29 | 上下界一気に繋ぐみずの道 滝音高く華厳の世界 紀舟 |
上下界を結ぶ水の道、滝の音。未知の世界に誘う華厳の滝。 |
30 | 新緑の御堂に響く 法の声 和子 |
6月下旬、新緑の高野山。御影堂から漏れる静かな読経の声に思わず耳を傾ける。 |
31 | 高野山わき立つ雲や 初夏の空 和子 |
金剛峰寺のナイトツアーに出かけた折に見た、夕暮れ時の雲の美しさ。 |
32 | 何処まで黄金に染めて 秋行かむ 小鈴 |
昭和記念公園での銀杏並木。黄葉した並木を眺めながら歩く人達も行く秋を楽しんでいます。 |
33 | 富士の背に姿隠さん 冬夕日 小鈴 |
山中湖にて、夕日が富士山の背後に沈んでゆきました。わずかの時間でした。 |
34 | 暑き夏今暮るるらむ 雲の峰 小鈴 |
立山室堂の山小屋で、暑い一日が終わり、遠くの山々の峰から雲が湧き、夕日に染まっていきます。 |
35 | 春の川 水面を揺らす子等の声 小鈴 |
遠足の園児が元気に土手を行きます。元気な声が賑やかに行き、小川に映った影も元気に揺れています。 |
36 | 家持の妹恋ふ歌碑や 春の雨 くに |
故郷能登の仁岸川縁に建っている大伴家持の歌碑です。 |
37 | 霜降りて道辺の草の 輝けリ くに |
冷え込んだ朝、畑道の枯葉に霜が降りて綺麗で、枯葉とは思えませんでした。 |
38 | 園児等のそっと手を触る 初氷 くに |
初めて氷が張った日、近くの幼稚園児が噴水池に張った氷に触れているのを見て。 |
39 | 朝焼けや 今日のひと日の恙なく くに |
早朝玄関に出たら、東の空が朝焼けで綺麗でした。 |
40 | 物足りぬ出番終わりし 夏祭り ゆきお |
町内夏祭りの演芸は、練習に比べ、持ち時間が短くて少し残念ーー。「まあ、帰ろうか」 |
41 | 華やぐや 卒塔婆の上の梅三本 ゆきお |
静かに寝ていても季節は移ろう。今は梅か、そしてまもなく桜か。 |
42 | 蝸牛 世はなんであれ殻の中 ゆきお |
うるせーな!世間は、自分で自分を困らせて騒いでいる。 |
43 | 七日目と知る鳴き声や 夕の蝉 ゆきお |
自分の終わりは分かっている。少し寂しいーー。まあいいか! |
44 | さっと鳥釣瓶落しや 遠景色 玲子 |
刻々沈む景色にカメラを向けていると、一瞬鳥が飛び抜けた一齣。 |
45 | 踏み入れば 杜に光の射す小春 玲子 |
参宮橋口から明治神宮に入ると、朝日の差し込む明るい光景でした。 |
46 | 晩秋の大銀杏なほ 繁りけり 玲子 |
わが町相原諏訪神社の12月に入っての銀杏黄葉を見上げました。 |
47 | 冬温し 談笑尽きぬ愛犬家 玲子 |
戌年の正月休みの公園の和やかな風景。 |