深 大 寺 吟 行


  写真俳句短歌同好会の6月の行事として、深大寺吟行を実施しました。シンパの方を
 含め、下見会8名、吟行会当日17名が参加されました。
 町田駅から、新百合ヶ丘、永山経由京王線調布駅下車。バスで神代植物公園前に集合。
 植物園は、バラ、芍薬等は盛りを過ぎていましたが、大温室の睡蓮、ベコニアが満開、
 タイサンボク、菖蒲が咲き始めでそれなりに愉しめました。深大寺門付近で昼食を摂り
 ましたが、車坐で話が弾み、楽しい時間になりました。その後、深大寺は、一般とは逆
 方向に坂を下る方向で、ゆっくり鑑賞しました。
  6月8日(火)の例会で、深大寺吟行を中心に、兼題「菖蒲又は自由」の投稿句歌も
 含めて皆で披講に供し、見直し後、最終版として、ここにアップしました。

             <概要>

    吟行会:    H22.6.01(火)     17名
    下見会:    H22.5.28(火)      8名
    天候:    両日とも快晴、風もなく穏やかな日和

    吟行ルート: 神代植物公園正門ー大温室ーバラ園等ー深大寺門付近(昼食)
           ー深大寺開山堂ー元三大講堂ー釈迦堂ー本堂ー山門ー水生植物園

   

(深大寺バス停付近の看板から)

俳句




境内に 枝垂れ桂の 若葉かな    未来


歴史担ふ 山門抜ける 青葉風    未来


参道に 早や風鈴の 音かろし    未来


深大寺 植田に逸れ(はぐ) 鳥一羽     未来


老いの目に 石楠花のはな 眩しくて  隆夫


びんざさら 想い懐かし 幼き日    隆夫


風薫る 甍と雲と 蒼き空       隆夫


築地塀 添ふて行かばや 初夏の空   忠裕


朝の空 水面に映える 花菖蒲     忠裕


(画像クリックー写真俳句)
涼風に ゆれて落ちゆく 花一つ    恭夫


芍薬の 明るく染めし 園の昼     学


薔薇園に 鐘の音ひびく 日和かな    学


風邪癒へて 絵ごころ動く 庭若葉    学


いとけなき 緋鯉己の 影を持つ     せつ子


絵ごころや 雨の四葩(よひら)の 薄浅黄     せつ子


葉だたみに むらさきあわき 未草    せつ子 


夏鴨の 風来坊は 人嫌い        せつ子


花求め 群がる人も 皐月晴れ      牧紀


菖蒲田に 漸く花の 訪れて      牧紀


泰山木 真珠の如き 花一つ      牧紀


万緑の 揺れて木漏れ日 地に遊ぶ   牧紀


河骨の 一輪夏を 開くかな      牧紀


一叢(ひとむら)の むらさきの風 菖蒲咲く    花音


それぞれの 名も面白し 菖蒲畑     花音


空映す しょうぶ畑の 広さかな     花音


菖蒲早や 咲きそめにけり 谷戸静か   花音


水ぬるみ 清水の中を 鯉群れる     竜


カルガモの 守る早苗の 昼下がり    


紅薔薇の 濃淡映す 光射し       


夏浅し ほどほどの夢 手を合わせ   淑如


夏木立 童に戻り 影遊び       淑如


木漏れ日を 落とせし大樹や 風薫る  小鈴


蛇いちご 名に怖気しか 触れもせず  小鈴


草木染め 吊るして売らる 夏木立   小鈴


緑陰に 鬼太郎一家の 棲み家あり  小鈴


御手洗に 寄り添い咲くや 雪の下   芳翠


新緑の 境内に舞ふ 藍の色      芳翠


(写真提供:牧野さん)
競い咲く 薔薇園人も 溢れ咲く    三樹

緑陰の 草田男の歌碑 輝きぬ     三樹

(写真提供:岩田さん)
菖蒲田を 入念手入れ 庭師たち    三樹


(写真提供:牧野さん)
あさざ咲く その陰乱し 魚つぃーと  三樹


早春を 映す水面や 雨しずか      菜海

流し去り 心の内に 緑立つ        菜海


そっと咲く まだ来ぬ梅雨を 待ち侘びつ  菜海


緑さす 木漏れ日の路 振り返り     玲子

情熱の 深紅の薔薇の 眩しけり     玲子


フリル振り サニーレタスの 到来す   玲子


亀の子や 地取りに勝ちて 甲羅干し   仁昭


薔薇疲れ 木陰に閑を 見つけたり     仁昭


緑陰に ゲゲゲ現わる 深大寺       仁昭


コウホネや 池沼圧す 一輪花       仁昭


虚子展の 薔薇の館の 一句かな       仁昭


新緑に 心癒さる 一日かな        くに



夏草や 猫ひそやかに 坐しており     くに


短歌



薔薇の香に神代(かみよ)の園に集いたる
        善男善女蜜蜂の如  筑山


深大寺燕も潜らむ山門の
     小さき古き時の流れよ  紀舟




夏至る泰山木の花の時
      厚き葉群に白耀きて  紀舟


(写真提供:志村さん)

天を指し泰山木の花開く
      遅き夏の到来告げて  紀舟


開山の慈眼仏と共にあり
     居心地良きや石碑石像  紀舟


(釈迦堂の案内板から)
白鳳の秘仏拝す釈迦堂に
   平城遷都のいにしへ偲ぶ   紀舟


咲き匂ふ菖蒲ひともと際立ちて
    その名もさあれ光源氏よ  花音 


銅葺きの威風堂々降り棟
      緑の中へ龍降りる如  芳翠 


緑降る樹間行く人憩ふ人
      静かに流る時を愛しむ  芳翠


餌を与ふ気配のなきを察したる
      鴨は踵を返し去りゆく  芳翠 

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