第2回
写真俳句短歌吟行会

平成19年10月26日(金)
鎌倉(極楽寺、長谷寺、大仏、文学館)にて吟行会

平成19年10月29日(月)午前10時〜12時
町田公民館にて披講会 


<俳句の部>
俳句 写真 コメントその他
江ノ電の

 田舎の小駅

    秋の雨

     ―牧紀― 秋の吟行会は小雨の江ノ電極楽寺駅から
極楽の

 山門重し

    秋深し

     ―牧紀― 極楽への道は軽くない?

(極楽寺)
花落ちて

  筋骨踊る

    百日紅

    ―牧紀― 極楽寺の樹齢?百年の百日紅

(極楽寺)
結界の

 先を想いて

   秋うす日

    ―牧紀― 鎌倉は観光と修行の街か

(成就院)
椨の木に

  魂宿る

   秋の寺

   ―未来― 鎌倉は寺院が多く、椨の木もあちこちに大木が見られた。

(左図は、御霊神社の椨の木)
花を愛で

 菩薩の恵み

    薄紅葉

    ―有三― 花一杯。雨も降らず。これぞ菩薩の恵み。

(長谷寺)
天地人

 祈りの小仏

   長谷の秋

    ―牧紀― 何とも可愛らしい小仏かな

(長谷寺)
上臈の

  杜鵑草

   慎ましき

    ―牧紀― 珍しい上臈ホトトギス

(長谷寺)
藤袴

ゆったり揺れて

   うすかおり

     ―牧紀― 藤袴は時期的にやや遅かったが、そのためか悠然としているように見えた。

(長谷寺)
大仏の

 美顔懐かし

    初紅葉

    ―牧紀― これまでは駆け足で見流してきたが、今回は大仏の美顔をゆっくり拝することが出来た。

(鎌倉大仏)
御仏の

 横顔がすき

    暮の秋

    ―未来― 横顔には、豊かな頬、慈しみの眼、優しい口元ーー

(鎌倉大仏)
如来仏

 芒の影の

   慈しみ

   ―有三― 頬撫でて芒が感謝?

(鎌倉大仏)
鎌倉の

 文士と愛ずる

    秋の薔薇

     ―牧紀― 鎌倉文学館は詩人「中原中也」の特別展であった。

(鎌倉文学館)
文士偲び

 古き館の

   秋の薔薇

    ―未来― 秋の薔薇園は静寂の中にしっとりとした趣があった。

(鎌倉文学館付属薔薇園)
詩に捧ぐ

 魂やすらげ

   秋の薔薇

    ―有三― 「中也」に捧げる薄ピンク混じりの白薔薇が絶妙!

(鎌倉文学館)



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<短歌の部>

短歌 写真 コメントその他
新田氏の

 古偲び

  坂に立つ

 変わらぬ波や

   鎌倉に寄す

     ―紀舟― 絶景ポイントから新田義貞の鎌倉攻めを想う。

(極楽坂)
流石、古都鎌倉。

(御霊神社)
町田は終日雨。鎌倉は降らず。神仏に感謝、感謝!
忍性の

 石鉢見せばや

    厚生の

 大臣に問はむ

  施療のこころ

     ―芳翠― 極楽寺の忍性法師は鎌倉時代の律宗の僧。窮民救済、施療,施薬他社会事業に尽力したことで知られる。

忍性法師が厚生大臣か厚生省次官であればなあーーーー。

(極楽寺)
門前の

 からす経文

   唱えおり

 秋雨しみる

  極楽寺かな

    ―芳翠― 雨にも負けず経文をーーー
我らも頑張らなくっちゃ!

(極楽寺)
江ノ電の

 音こころよく
     とし
 また年輪を

 きざみし床の

  張り板やさし

    ―芳翠― 古希の眼差しですね。

(御霊神社付近)
故ありて

 受け給いしや

    左頬の

 傷の気になる
    よわい
   齢になりぬ

     ―芳翠― 同上

(鎌倉大仏)
宝治の乱

 三浦一族

   鎮魂の

 半島向きて

  坐せる大仏

   ―芳翠― なるほど!鎮魂の眼差しですね。

(鎌倉大仏)
雨模様

 秋の鎌倉

    隋道の

 緑の奥に行く

   二人連れ

    ―芳翠― カメラアングルが絶妙!

(鎌倉文学館入り口)
文学館

 文士偲びて

   目を移す

 庭木に落つる

  真直ぐなる雨

    ―芳翠― 鎌倉文学館の見学が終わる直前に一時的秋時雨。中原中也の偲び雨かーーーー。

(鎌倉文学館)
バラ園で

 黄色気高く

   咲き誇る

ピースは母の

 愛でにし品種

   ―芳翠― 気高き黄色に薄紅添えて、亡母の慈眼偲ばれむ。

(鎌倉文学館)


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