萩の花写真俳句短歌集


萩の吟行会

  日時:H25年9月12日(木)     (7日下見)


   場所:亀戸の龍眼寺(通称萩寺)及び向島百花園 

 参加者: 延べ9名         
 (龍眼寺)   (向島百花園萩のトンネル)
  尚、本作品集には、当吟行会作品に加えて、10月
 例会の一般作品、自由題作品も纏めています。


俳句 写真 コメントその他
萩の風

 寺のこみちを
   めぐ
    廻りけり

       玲子 龍眼寺(萩寺)はこじんまりとした寺。
萩も小さく揺れていた。
大福や

 見頃に早し

    萩の花

       玲子 寺の東屋で大福を頂きながら萩の棚を鑑賞。萩はまだ咲き始め。
咲きてより

   次々こぼる

    萩の花

       玲子 この萩は、咲くと赤から紫に変り短日に朽ちるようです。
白萩や

 着流しの裾

  ひるがへり

       玲子 白萩の颯爽とした裾が翻っているよう!

私も着流しで歩いてみたい。
あれこれと

  森の調べや

    九月尽

       玲子 9月尽、里山は急速に秋へ衣替え。

秋のハーモニーを聞く。
何となく

 くぐり抜けても

     萩の花

       有三
 向島百花園。

名物の萩のトンネルは出入り口のみ。
中はまだ開花していない。残念!!
でも、満開の萩を想像しつつくぐる。
墨東に

 遊女はまぼろし

    萩めぐり

       有三
 龍眼寺。

濹東には遊女の面影、伝説がーーーー。
萩の花

  乱れ咲く道

    薄明かり

        有三
 薬師池公園。

蓮池に下る階段付近は日当たりが良いせいか、珍しく萩が乱れ咲き。
龍眼寺

  人無く萩の

    揺らぐまま

       牧紀
 萩寺はまだ早いせいか訪れる客は少なく、早咲きの萩が静かに揺れていた。
萩揺れて

  紅一点の

    涼を呼ぶ

       牧紀
 寺の東屋に向かって萩の一枝がゆっくり揺れてーーー。
龍眼寺
 祇園精舎の
   鐘思ふ

 風鐸揺する
  萩の群ら風

       紀舟 龍眼寺の風鐸に萩の群ら風。でも鐘は鳴っていなかった。(当然ですね!)
下町の

  寺にぞ似合ふ

      萩の花

       牧紀
 萩は下町のイメージ。倍賞千恵子の面影が合う。
向島
 江戸の昔
   偲びつつ

 スカイツリーに
   眼を奪はるる

        紀舟
 向島百花園は江戸町人の庭園。
秋の七草はじめ小花が咲いているが、どうしても、近くに見えるスカイツリーに目移りする。
ぽつぽつと

  咲く萩愛でる

      江戸の粋

       牧紀
 萩のトンネル中央部で咲きだした萩を見つけた。執念のワンカット。「粋」だね!
まだ青き

  萩の乙女の

      おさげ髪

       牧紀
 出口の萩は咲き始めて、まだ青青しい乙女の如し。
萩の花

  帰らざる日々

    懐かしき

       くに 我らにも満開の青春時代があったのだーーー。そう、私にもーーー。
野の風の

  萩を揺らして

    通りけり

       くに 萩には柔らかい風が似合う。
吾亦紅

  人の恋いしき

    頃となり

       くに 吾亦紅は、夏の朱色ではなく、秋の臙脂色(えんじいろ)
人の影

 絶へてベンチの

     秋の暮

        くに 秋の日の ヴィオロンの 溜め息の すこぶるに うらがなしーーー(ヴェルレーヌ)。
痛む足

 焦る気持ちに

    汗の萩

       隆夫 全身に溢れる萩粒の汗。心には見事な萩の花。
文人が

  秋を愛せし

     萩の寺

        吉夫 龍眼寺(萩寺)は多数の文人が訪れている。句碑、歌碑多数。
 松尾芭蕉:
 濡れてゆく 人もおかしや 雨の萩
 榎本其角:
 つき見とも 見えずや露あり 庭の萩
大黒が

 萩少なくて

    薄笑い

       吉夫 萩は五分咲き程度。大笑いはできないね。
山栗の

  小さく落ちて

    並べられ

       吉夫 誰が、何のために?そもそもここはどこ?
要らざる邪念。黙って鑑賞。
電線で

 こんがり焼かれ

    秋あかね

       吉夫 秋あかねが、おもいおもいの向きで、こんがり焼けるのを待っている?もういい色にーー。
温泉の

  鬼怒子の像も

    秋ぬくし

        吉夫 鬼怒子も猛暑が過ぎ、今は気だるい秋の日差しにうっとり!!
こぼれんと

  白きで誘ふ

     萩の寺

       ゆきお 今少し見学が早すぎたのが残念!
赤白も

  同じに寝たる

      秋出水

       ゆきお 自然の猛威と公平さを実感?
棚田守る

  案山子の顔の

 「にらみ」かな

         学 「にらみ」のお陰で今年も豊作。

案山子さん有難うございました。
畦道や
      バッタ
 ひょいと飛蝗の

    ひとつとび

        学 バッタも飛び出す棚田の原風景。
稲扱きや

  阿吽の呼吸

    爺と婆

        学 阿吽の呼吸で稲扱きの呼吸を捉えましたね。
秋まつり

 神輿は道を

  ふさぎをり

        学 どっしり道をふさぐ神輿。どっしり座り込む担ぎ手。接待のおばさんーーーいい祭りですね!
餌をとるや

 鳶ひるがへる

    海の秋

         学 見事に鳶の飛翔の一瞬を捉えましたね。
秋まつり

 木遣をうたふ

    女ごゑ

        学 男の影に女あり?
白萩や

  風とたはむれ

    散り急ぎ

        小鈴 何とも見事な白萩の大木ですね。
唐辛子

  熱き思ひを

    色に秘め

        小鈴 熱き思いも一転辛き思いに!!
ご用心。
落ち柿や

 虚しく朽ちる

    身を嘆き

       小鈴 「もったいない」柿君のせいではありません。人間の驕りのせいです。
蕊伸ばし

 競い合ひたる

   曼珠沙華

       小鈴 曼珠沙華の生命力にただ感嘆。
こわい顔
のっぺらぼーに
    おどけ顔

 稲を守りし
  案山子並びぬ

       小鈴 道端に写る影と共にいいアングルですね。
萩の花

 溢れこぼれる

   優しさよ

       水青 「溢れんばかりの萩の花」にはなかなかお目にかかれない気がします。
秋日受け
 共に語ろう
   睦まじく

  日ごとの老いも
   天に任せて

        水青 白秋の二人のほほえましい情景と秋日の柔らかい光と影がマッチしていますね。
我が肩に
 家族背負いて
    朝早に

 実りの道を
 今日も行かねば

       水青 腕肩をすっくと伸ばした自転車の人。この家族にもいずれ実りの秋がやってくるでしょう
玄関の

  枯れ葉一枚

    秋を見る

        水白 玄関に吹き寄せた一枚の枯れ葉。ああ秋だなーーー。
赤とんぼ

  やっと目線に

   とまりたる

        水白 赤とんぼは止まりそうでなかなか止まらないものですね。
おみなえし

  首長くして

   待つや君

       水白 女郎花らしいね。
風さやと

 残暑の中の

   えのこ草

      水白
 目立たないえのこ草に着眼したところは良いですね。
秋深し

 行かねばならぬ

     列長し

       水白
 秋深く、足もとも冷える。
美術館

 抜ける小径に

     萩の花

       未来
 美術館の小径には丸葉萩が似合う。
蛸の脚てふ

 貴重種の

    紅葉す

      未来
 ゆであがった「蛸の脚」とは言い得て妙ですね。
訪ぬれば

まだ刈られずに

    蕎麦の花

      未来
 思い入れが蕎麦の花にも届いたのでしょう。
風無くも

  金木犀に

   近づきぬ

      未来
 丁度今時が木犀の季節。戸外はいつでもどこでも香って来ますね。
母と子の

 寄り添ふて見る

       冬桜

         未来 母と子が寄り添っているような何とも綺麗な冬桜ですね。



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