観梅吟行写真俳句短歌集
(2008年)

2月19日(火)本町田養運寺ー宏善寺ー薬師池 観梅吟行会
(その他雑詠)

参加者:10名後半1名プラス
        (クリック集合写真俳句)


<俳句の部>

俳句 写真 コメントその他
安息や

 白梅枝垂る

    養運寺

    ―牧紀―
入口の階段を上りきったところに養運寺の本堂。ここで一服。一句。
梅が香よ

 浄土に届け

    養運寺

    ―牧紀―
境内は思ったより広く、ムクロジの大木が在り、根元の祠に以下の夫婦観音像(?)があったという。


養運寺は浄土宗の古刹。
紅梅に

 ほころぶ顔の

    六地蔵

    ―未来― お地蔵様は、シニアのそぞろ歩きに微笑まれ?
群れ咲けど

 白梅寂しき

   色香なれ

    ―牧紀― 寺巡りの感傷か?白梅の宿命?
森小径

 雨水の散策

    十一人

   ―三樹― シニアも11人揃うと壮観?
団栗の

 頭もたげる

    森小径

    ―三樹― 養運寺から宏善寺へ向かう裏道の雑木林に、団栗の芽吹きが見られた。
枝垂れ梅

 道掃き清め

     宏善寺

     ―牧紀―
宏善寺の枝垂れ梅は未だ五部咲きなれど地上まで伸び、風に揺れて掃き掃除?
(とも)
 朋友集い

 香焚きしめむ

    梅すだれ

     ―牧紀―  御簾の中の朋友の顔が判らないほどでも五部咲き!香りは十分。
山門の

 奥より香る

   枝垂れ梅

    ―未来― 山門に立ち、梅の香を感じる一瞬。
西方へ

 祈る日蓮

   梅の陰

   ―三樹― 宏善寺にて。
西方浄土を見つめて。
ありがたや

 御堂に匂ふ

   枝垂れ梅

    ―和子― 御堂に梅の移り香がーーー
仁王像

 あわき春日に

   照らされて

     ―三樹― 仁王像にもあわき笑み?
梅ばやし

 愛のささやき

   ツーピーと

    ―和子― 「青い鳥」見付かりましたか?
大荒れの

 春一番に

  梅しぼむ

   ―和子― 梅にも自然の厳しい試練がーーー
しだれ梅

 孔雀の如く

   枝かざし

    ―小鈴― なるほど孔雀の如くーーですね。
宏善寺

 ことに紅濃き

   枝垂れ梅

   ―美穂子― 五分程度でも紅色が印象的でした。
青き空

 賜り梅の

  白さかな

  ―美穂子― 梅日和に感謝感謝!!
梅が香や

 一滴ごとの

   水に添ふ

   ―美穂子― 流石に目の付け所が斬新!
「一滴ごとの」は「一滴一滴」か?
鐘楼に

 淡き光や

   春浅し

  ―美穂子― 写真の薄明かりが絶妙。
和らかき

 光に遊ぶ

  鴨の群れ

   ―未来― 自然の恵みもーーー
日溜りに

 黄の際立ちて

    福寿草

    ―未来― 長閑な春の一日。
慕い寄る

 金黒羽白の

   目の円ら

    ―三樹― 円らな瞳で見つめられたあの日、あのころーー
雨水の日

 甕に氷りの

    鏡あり

   ―和子― 氷の鏡もうすい?
薄氷の中

 水芭蕉の

  芽もたげ

   ―三樹― 薄氷(うすらひ)の中、一歩一歩確かに春めきつつあり。
目を遣れば

 梅が枝上に

   満月や

   ―三樹― 地に花、天に月、人に愛。
園丁の

 谷戸の蓮田を

    耕せり

    ―三樹― 蓮田も結構手が掛かりそう!
蝋梅の

 香に包まれて

    癒し旅

    ―くに― 蝋梅に癒され、蝋梅を慈しむ。
水溜り

 風を閉じ込め

   氷りけり

    ―くに― 一瞬の自然の造形に驚き!
着想が素晴らしい。
水槽は

 夢幻のゆらめき

    春はじめ

    ―有三― 水槽の前の女の子の夢幻の思い、無限の広がり、春の期待感等が感じられ写真俳句の秀作。
晴れやかに

 願を込めて

    雛飾り

   ―有三― 吊るし雛の何ともいえない赤が印象的。
御神籤を

 結びて重し

    春の雪

    ―小鈴― 春の淡雪さえ重い御神籤に託した想いはーーー?
女性的な繊細さが溢れていますね。
天を衝く

 相輪霞む

   雪の舞

   ―小鈴― 一転して、力強い俳画の世界。
中々のものですね。
雪ごろも

 童の像や

   京の朝

   ―小鈴― 京の雪。同様の風景にてもう1句あり。

 「雪被り 稚児遊びたり 京の朝」
出ておいで

 畑で虫待つ

  ジョウビタキ

    ―小鈴― 啓蟄(3月6日)も近かし。
吊るし雛

 一針一目に

   籠めし愛

    ―三樹― 「一針一目」は中々出ない秀句。
(例会の衆議の成果?)




<短歌の部>

短歌 写真 コメントその他
雨水の日

 そぞろ歩きの

    観梅会

 紅白枝垂れ

   競い咲く寺

    ―紀舟― 養運寺の白梅、宏善寺の紅梅。いずれも見事な華が静かに枝垂れ咲き。
団栗の

  朱き命の

   芽生へかな

 ただ耐ゑ堪ゑて

     育つを願ふ

    ―紀舟― 団栗の自然な発芽に驚嘆!ただ育つを願うのみ。
枝垂れ揺れ

 囁きかける

   梅一輪

 色香やさしき

  宏善寺かな

    ―芳翠― 「宏善寺かな」は「朝のひかりに」位が無難かな?
陽だまりの

 土もたげ咲く

    福寿草

 丈より長き

  やわらかき影

     ―芳翠― 「やわらかき影」への着想が素晴らしい!
如月の

 けやき透かして

     月光の

 五臓六腑に

   染み渡る夜

    ―芳翠― 染み渡るは月光。流石女性の感覚!
でも、月見酒は捨てがたい!
 昼下がり

  長い車両に

   ひとり我

  豊かさ八分

  寂しさも二分

     ―芳翠―  日本のエネルギー事情を考えると何ともはやーー?
遅雪に

 枝垂れ梅も

  未だ半ば

 花満つる様

 如何ばかりなれ

    ―澄香― 満開の折、もう一度訪れて、撮影して貰えたらーー
枝々を

 飛び交う雀か

  ひよどりか

  一瞬の止まり

   カメラ捕へむ

    ―澄香― よく撮れましたね。


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