巻頭写真俳句短歌集


  SNM写真俳句短歌同好会ホームページの巻頭作品を纏めました。
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  2007年4月〜2012年12月:

秋川の流れやさしく水澄みてさざめく光り胸にしみいる 芳翠
詩に捧ぐ魂やすらげ秋の薔薇 有三
水面から秋の深さの声を聞く 隆夫
旅に出て朝顔空を掴みけり 玲子
一筋や善男善女の暑き道 ゆきお
砲台の跡に川鵜の遊ぶかな 未来
富士山頂太陽神の煌けり至福の時や湖畔に宿る 紀舟
明々と駅舎灯りて去年今年 玲子
越後路や錦まとうも日はわずか ゆきお
がにやらに友を求めて飛ぶ蛍蛙歌いて更に励まし 韶光
錦秋の渓谷下るゴンドラや紅葉の海に我も飛翔す 紀舟
葉陰より静に咲けり御衣香は
春風に川面に伸びし枝先の散りて流るる花のいかだに 澄香
元朝の波寄せくれば海鳥の低き声して半島明けぬ 花音
うつろひの人の心ぞかなしけれ花にうずもる慈悲の微笑み 和子
つらき世も蓮のつぼみのあしたかな
鴇色に空染めてゆく初明かり くに
初夢や富士の白嶺の動かざり 牧紀
茶の会の果てて日傘の人となる
羊草目覚める刻の山の池 未来
束の間の秋の豊潤(そら)に在り 有三
本堂は静寂なりぬ紅葉狩り 玲子
蛍狩り過ぎ来し方の浮かぶ闇 くに
来し方を夢の彼方に葬れどなほ耳底に山ほととぎす 芳翠
奉納の太極拳を舞い終えて参道下る元日の朝 芳翠
福豆を巣立ちし子らの部屋も撒く 淑如
能登の海沈む夕日を眺め居て過ぎ来し方に思ひを馳せる くに
冬紅葉ベンチに憩う二人かな
咲き満ちてあぢさゐ道をせばめけり
見る人の心映して澄むという鏡が池の今日はさざなみ 芳翠
人とらず熟柿は蟻にくわれけり
日当たりにのんびり熟す柿三つ 隆夫
霊峰のミネラル豊かに柿田川三島梅花藻育くみ流る 芳翠
亀石に更科の文春の夢 有三
かんざしの如き梅花をいつくしみ 藤志乃
境内にひともと早咲き梅ありてまなこ張るごと(しべ)伸ばし居り 芳翠
白梅は満開なれど詫びしかり鶯めじろ蜂さえも見ず 韶光
梅ゆれて香りゆらぎてそぞろ坂 牧紀
烏瓜宵咲く花の白糸の乱れそめにし我が夏もゆく 紀舟
春怒涛故郷は今風の中
心もて寄り添ふ桔梗花開く 有三
雨上がり湖畔に夏の拡がれり 未来
緑陰の苔むす庵に住まいする昔の人の面影あわれ 和子
ままごとの化粧の友の面影も薄らぎゆきて古希の夏来ぬ 芳翠
秋桜の囁き合って風に咲く 未来
ひんがしに眼据え置き身構えつ旭日の勢満身に受く 芳翠
初日受け北に飛び立つ機に託す海越え届け孫への賀状 芳翠
満作や己がしがらみ解きつ咲く 未来
初夢に出でまほしけれ松に富士 牧紀
白雲の影戯るや松の富士 牧紀
青空に紅白映えて夫婦花秋明菊の寄り添い咲けり 澄香
濃き薄き里山緑の綾の中 牧紀
身はいずこ叶わぬ人と観るさくら 有三
見納めと決めし絶景山粧ふ 未来
春送る憂さもてあまし道端の花に好きよと呟いてみる 芳翠
円錐のメタセコイアの影池に三羽の鴨の軌跡呼応す 芳翠
水面から秋の深さの声を聞く 隆夫
思いのままならぬが常のこの浮き世紅白咲き分け生きるぞ(うま) 芳翠
立ち上がるなでしこの花愛でにけり 玲子
紫陽花に心変わりを見つめられ 有三
菜の花に向き合う富士の機嫌よし 未来
夏蝶の憩うオアシス我も欲し 美穂子
新春の光りと陰り池に在り 牧紀
虹囲ふ堅き絆やとなり組 小鈴
薬師池残りの萩に降る雨のまだ温かし散るな急ぎそ 紀舟
春の日に心酔わせし桜樹を見る人もなく秋ぞ吹けゆく 筑山
落ち葉踏む音遠ざかる日和かな
朝明けに霧まだ重し尾瀬ヶ原 牧紀
風に耐え波に打たれし老木の強き姿に励まされたり 小鈴
夕暮れて酒場の誘い秋涼し 吉夫
一葉づつ桜紅葉の散りゆきぬ 玲子
伝統の三社祭に集まりし人人人のそれぞれの想い 筑山
渓谷に橋脚なくも猿橋の匠のはね木心うたれて 翁翠
さざ波の眩しさに酔う花菖蒲 未来
石庭の皐月に心癒さるる 未来
双葉より芳しかれと名づけしか栴檀香り父母しのぶ朝 芳翠
梅が枝のもとを流るるせせらぎは待ちに待ちたる春を知るらむ 筑山
いにしへに銀の世界にたとふとや面かげうつし芝の白梅 紀舟
伸びやかに枝垂れる小花合い和して拡がる大樹人の世界も 紀舟
不忍の池の桜を愛でつつも思い浮かぶは浅草の華 筑山
新涼や空澄み風の消ゆるほど 牧紀
潮の香に初富士凛と匂い立つ 未来
去年も来しこの紅葉を眺むれば踏む落ち葉さえ語りかけ来る ゆきお
人学び人送り出す桜かな 未来
玉学や明治昭和の教材の多きに我の時代想いて 韶光
過ぎし日の手紙懐かし里の春 隆夫
照り映えし林を行けば紅色の光あふれてこころ華やぐ 花音
栂池や濃霧と雨に襲われて視界を無くし暫し佇む 韶光
新緑の膨れる森に復興の若き力の漲るを見む 紀舟
石蕗咲くと妻の声ある朝の庭
枝垂れ揺れ囁きかける一輪の色香やさしき宏善寺が梅 芳翠
白梅にささやく鳥のせわしなさ 未来
友集い香焚きしめむ梅すだれ 牧紀
藁の香の匂ふ棚田やバッタ飛ぶ
新緑を艪の音に載せ渡し舟 未来
散水の吾をめがけて襲来す憎きやぶ蚊を思い切りはたく 和子
屋形船十五の瞳梅雨に映えもんじゃ焼きつつカメラ構えつ 紀舟
水音に耳傾けて紅の山あじさいは楚々と咲き居り 芳翠
誰そ彼の茜に浮かぶ山際に新たな年の願ひを込める 筑山
谷川の清き流れに臨みつつ神の降ります夢の架け橋 筑山
風やさし細く柳の揺らぎおり 未来
禅堂にそこはかとなき春かおり 有三




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