葉 月 例 会




      開催日:  2009.08.11(火)

      兼題:    「自由」


俳句



霊山の気満る所夏霞み      芳翠


この蓮も四度(よたび)開いて散る運命(さだめ)   芳翠


先達の詠いし花も雪の中      隆夫


網戸まで来て鳴く蝉や胸にしみ   牧紀



 
ガブリ喰う昔の味やわがトマト  牧紀


遅れ行くあじさいの道麻綿原(まめんばら)   学


山百合を求めてひとり(のり)の山   学


夏惜しむ七里ガ浜に姉(おとと)    学


浜木綿の花青空を突き上ぐる    未来


蓮の葉に花の哀れを載せてゐる   未来


朝日差す郭公の啼く散歩道     未来


朝霧の湖畔静かに明けてゆく    未来


白百合や真直ぐ伸びて夏行きぬ   小鈴


虹囲ふ堅き絆や隣組        小鈴


虹消へし茜の空の家路かな     小鈴


向日葵や太く優しく(たくま)しく    小鈴


母逝って瑠璃色の蝶纏われり    竜


あぶら蝉じっとこちらを見つめてる  竜


人去りて旅ひと時の涼しさよ    玲子


蝉しぐれ二礼二拍手一礼す     玲子


人知れず大文字草咲いてをり    玲子


翡翠(かわせみ)の風の飛翔に池畔さめ     有三


ありやなしや幸せさがしのクローバー 有三


朝まだき風を抱きて蓮ひらく     有三

短歌



  菜園に連なるトマト熟すとき
       もんぺ姿の亡き母思ふ  紀舟


  夏過ぎてはや秋来ぬか赤トンボ
     群れ飛ぶ美空まだ梅雨の雲  紀舟



  痩せ蛙春の祭りの落ち(こぼ)
     か細く鳴きて夜は哀しき   韶光


  山中湖水面(みなも)に咲くや花一瞬
       観る撮る人ぞ何を想うて 韶光


  朝曇りはぐれがらすが付きまとふ    
       心の影と寄り添ふごとく 
芳翠


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