写真兼題「蛍」


 写真俳句短歌同好会の6月の行事として、町田市忠生公園のがにやら自然観察館のほたる観察会に参加。 吟行会の題材として、蛍を取り上げました。予想以上にほたるは見ごえがあり、皆それぞれに堪能できました。
7月の例会(8日)で合評を行い、ここに纏めました。

   侮れぬ町田の蛍の光かな(牧紀)‐‐‐‐‐町田市役所殿に贈る

兼題の写真

自然観察園わさびだ跡付近 早苗田(蛙の合唱)


参考:朝日新聞 H20.7.5の天声人語から「蛍のコラム」

はかなげではあるが、ホタルの光はどこか艶(なまめ)かしい。水のほとりで、ひそやかに明滅して揺らぐ。せせらぎを包み込むように夏の闇は深く、人の姿はシルエットに沈む。

  
ゆるやかに着てひとと逢う蛍の夜 
               (桂 信子)
ホタルの語源には、「星」と「垂る」が合わさったという説もあると聞く。
夜の川面に乱舞する図は、なるほど天の川を想像させる。

はかない星々は、私たちに、地球のはかなさを語りかけているようにも思われる。



俳句

十薬の白み残して初ほたる      牧紀

ひと呼吸ひと輝きや蛍舞       牧紀

遠き日の闇にひとすじ蛍かな     牧紀

蛍火を見つめし瞳二十六       牧紀
(参加13名)

瞬ける東京ほたるもの悲し      竜



ほたる飛ぶ人の心がわかるよう    竜

暗闇に近づき離るほたる恋      竜

闇に舞う蛍の愛は一途なり      未来



一瞬の逢瀬に生きる蛍かな      未来



蛍狩り過ぎ来し方の浮かぶ闇     くに



闇中へ蛍火消へて残るもの      くに

遠き日のゆめ浮かび来る蛍狩り    芳翠




息ひそめ闇に蛍の飛行待つ      芳翠

蛍舞ふ夢叶へしか闇に消え      有三



蛍恋ふ過ぎし昔のわらべ歌      有三



目を凝らし闇を見つめる蛍狩り     三樹

蛍飛び蛙人声はたと止み        三樹

蚊に耐えて蛍の飛ぶを息き止めて    三樹

ささら川蛍火映じ直ぐ闇に       三樹

蛍火と十薬の花白競い         三樹

忠生なる谷戸のささらや蛍飛ぶ     三樹



蛍火を見つつ焚き火を寝ずの番     三樹
(昔、インドネシアの小島で夜通しクルーを捜索した時の想い出)


どくだみの匂いほのかや蛍狩り     小鈴



あちこちに歓声上がりし蛍狩り    小鈴


蛙鳴きホタルの光闇に舞い      小鈴

帰る道迷い蛍に見送られ       小鈴

短歌


 がにやらに友を求めて飛ぶ蛍  
      蛙歌って更に励まし   韶光






 わさび田も在りし忠生の清き杜  
      蛍火うれし懐かしき時  紀舟



 人声も蛙の高音も無き如し  
       蛍の杜の蛍の世界   紀舟






 蛍火よ身に近寄りて嬉しくも
  乙女の身なれば受けたるものを  澄香

 宵闇に寄り来る蛍歓声に  
  見向きもせずに更に彼方へ    澄香





戻る
inserted by FC2 system