文月 例 会




  7月例会: 2009.07.14(火)

         
「自由題」


   今年は、雨の多い本格的な梅雨がまだまだ
   続くと思っていましたが、 急にあけて、今度
   は猛暑日。体調管理にご注意下さい。


        (平塚の七夕)


俳句


糸のごと棚田に雨や梅雨最中      学


花びらの蝶の翅めく花菖蒲      学


蝶さそふ蜜柑の花の香かな      学


紫陽花を巡り歩きて昼餉かな     学


花野辺のカサブランカや雨上がる   学


滝音に風のにほいを聞いてゐる   未来



釣り人に梅雨の湖鎮もれり     未来



雨粒を載せ九輪草彩をなす     未来


湖に陽のやはらかき梅雨晴れ間   未来


綿菅の湿原遥かまで白し      未来


水湛ふ谷戸六月の景をなす     未来


生きる力君に貰いて朴の花     未来


石庭に一服の茶やつつじ咲く   未来



一つ山越へて出会ひぬすみれ草  玲子


よい風の来て初夏(はつなつ)山毛(ぶな)林   玲子



もののふの眼差し遥か花菖蒲   玲子


滴りや山に天狗の棲むと言ふ   玲子


咲き初めし四葩(よひら)しずかに装ひけり 玲子



わが子らを期待に染める桜花   隆夫



紫陽花に留めし影や城の址     隆夫


灯火で歌いし夏や君何処      隆夫


 ずみの花清き流れに影映す     和子


わたすげの白き点々風わたる    和子


短冊に老ひの上達願ふわれ     和子



門灯に白さ一際半夏生       くに


風そよぎ月影和して梅雨晴れ間    くに


活けられし泰山木の蕊こぼれ    小鈴


(雲洞庵にて)
兼継の遊びし庭や緑濃し      小鈴


(雲洞庵にて)
大草履絵馬や神籤で足重し     小鈴


ギボウシの花の数ほど蜜集め    小鈴


(写真提供:青木さん)
若き日は遠き思ひ出蛍の火    小鈴


(注:前面のガラス窓に蜻蛉が止まっている)
休みたる蜻蛉や青田の中にあり  小鈴


菖蒲咲く山は蛙の大合唱     小鈴


朝涼(あさすず)の中禅寺湖へ雲動く     芳翠


全方位笑みのこぼれる九輪草     芳翠


整然と(あした)はじまる夏の湖     芳翠


定め待つ上り詰めたる立葵   牧紀


犬麦を遠くに投げし帰り道    英進



(写真提供:牧野さん)
天に向き物申したりねじれ花   英進


(同上)
芹摘んで笑顔の二つ水に揺れ   英進


楸邨忌蟻一匹の惑ひけり     英進

梅雨晴れや再会祝し笑顔なり   英進




摘む人のありて艶冶な花菖蒲   有三


草むらに蛇滑りいで風動く   有三


夢紡ぐ港風吹き香る薔薇   有三

短歌 



 ゆるやかに流れる我の此の時を
     無残に砕く目覚ましのベル  韶光


 風水の造形美なりたくまざる
    技に魅せられ歩みとどまる  芳翠


 山の端を雲はゆっくり撫でゆきて
  
   中禅寺湖に冷気みなぎる  芳翠


 弾痕と花売る店の非対称
  
 争いあるも共に愛でるか   アンナ


 廃墟には樹が茂りおり幾年か
   過ぐる今なほ槌音聞こえず  アンナ


 影写し陽射し暮れゆく川岸に
    添ふものありて長き足影  名無子


花に託して、花の如く
 余生など生きたくもなしつれづれと
    朝の日あびて今日の未知生く 名無子


小豆島の今日だけの夕日を見て
 急がねば時の速度は背をつつく
   なぞる意味なし古着を捨てる  名無子


HPに戻る

inserted by FC2 system