相模原市立北公園吟行会
写真俳句短歌集


              相模原市北公園吟行会

    日時: H25年6月1日(土)  

    場所:  相模原市立北公園
         (JR橋本駅からコミュニティバス約20分)
    参加者: 13名


   施設概要: 紫陽花園、野草園、水辺の広場、菖蒲田、ハーブ園、ロックガーデン
            ピクニック広場、バラ園、花木園、梅園、郷土の森等


         薔薇遅く紫陽花・菖蒲やや早く
                        公園夏へ衣替へつつ   

   
     本作品集には、当吟行会作品に加えて、6月例会の一般作品、自由題作品も
     纏めています。

     尚、6月例会(25.6.11)は同好会開始以来7年目に入り、70回目(古希)
     を迎えます。これを機に、一段と内容を充実させたいと願っています。
    皆様のご協力、ご支援をお願い申し上げます。

         七変化ならずも変化転生を
                     古希の例会明日への一歩 
                                             (紀舟)


俳句 写真 コメントその他
菖蒲田に

 帽子の白の

   加はりぬ

       学 菖蒲田には白い帽子が似合う。
雨少し

 ほしき吟行

    七変化

        学 吟行は晴れ良し、でも紫陽花には雨がほしい。
束の間の

 薄日に映えて

    白菖蒲

        学 白日の下、白菖蒲の貫録勝ち?
くたびれて

 探すベンチや

    花菖蒲

        学 花は日向に、客は日陰に?
額咲くや

 特に好みの

    淡紫色

        学 額の四葩の鮮やかな淡紫色
紫陽花も

 雨待ち顔に
    こうべ
     頭 垂れ

       牧紀
 俯き加減の紫陽花もあり。
アナベルの

 白衣の天使

   巣立ち待つ

       牧紀
 ナイチンゲールの白衣はまだかーーー。
ヤマアジサイ

  日陰の坂に

   位置を占め

       牧紀
 ヤマアジサイ系は開花早く、ほぼ満開。
特に日陰となる斜面の花は生き生きーーー。
日陰の人生も在り?
柏葉の

 エールを込めし

    紫陽花も

       牧紀
 堂々とした柏葉アジサイにシニアも元気づけられてーー。
若々し

  紫陽花夢の

     大家族

       牧紀
 アベノミックス効果で少子化対策は進むか??
見頃なる
 白あぢさゐの
    点々と

 一眼レフに
   広がる世界

       紀舟 ファインダーの中は白アジサイ一色の世界?

因みに、この花は、日本自生種ーヤマアジサイ系統の「紅テマリ」ーの白。やがて紅に変化?
紫陽花に

 木漏れ日そぞろ

       坂の道

       牧紀
 木漏れ日のそぞろ歩き。吟行日和。
菖蒲田の
 畔の紫陽花
   艶やかに

  小町むすめも
  かくやと想ふ

       紀舟
 魚心あれば水心、そして花心?
恥じらいて頬赤らめて艶めきてーーー。
濃淡を

  競ふむらさき

      菖蒲かな

       牧紀
 甲乙付けがたき将に名菖蒲(勝負)
薄みどり

 相模の森を

    抜ける風

       牧紀
 公園の郷土の森はみどりの風。
七変化

 まだ二変化の

   色にあり

       玲子 残りの五変化が楽しみですね。
ふくふくと

 あぢさゐの花

   開き染む

       玲子 ふっくらとした紫陽花に幸せを感じてーー。
紫陽花に

  昭和の思ひ

   重ねけり

       玲子 四角の花の丸い塊りに戦争と平和の昭和を想う。
あぢさゐの

  白は白色

   通すなり

       玲子 その通り、平和憲法は筋を通さなくっちゃ!
紫陽花の

 睦ぶことなく

  咲き初むる

       玲子 離れて一片咲き始めた紫陽花に喝采!
六月や

  日輪の影
   ほとばし
    迸 り

       玲子 ブラッシュの花。上から見るとなるほど日輪から先芽が迸り出ている。
紫陽花の

 取り付く島なき

     色変り

       有三 七変化、八変化ーーーー。
今日限り

 額紫陽花は

     紫に

      有三 額あじさいは、雨紫に極まれり。
薔薇園の

 石段あがる

   景色かな

       有三 薔薇の盛りは過ぎていたが、丁寧な愛情あふれる手入れに感歎!
あぢさゐや

  逆光に映ゆ

   イヤリング

       未来 紫陽花の先に、逆光に映えるイヤリングの婦人が?
背伸びして

  紫陽花雨の

  待たれけり

       未来 雨よ来い、早く来いーーー。
丁寧に

 生きる指標や

     花菖蒲

       未来 一途に真っ直ぐに伸びる花菖蒲の生き様良し。
水松てふ

 杉さがみ野の

  梅雨晴れ間

       未来 「水松」という珍しい杉に出会って。
黄釣舟草

 闇に灯ともす

  ごとく咲く

       未来 「郷土の森」の通路を入って直ぐのところに釣舟草でも珍しい黄色が育っていた。
濃き黄の

 不吉の影なし

   薔薇咲けり

       小鈴 花に吉凶なし。見事な黄金色!
おがたまや

 いにしへ人の

   香を放ち

       小鈴 薬師池にある珍しい古木。辺り一面、好いにおいが漂う。
アオサギや

  緩やかに時

   ながれをり

        小鈴 アオサギと共に作者にも緩やかな時がーーー。
その先に

 何があるのや

    夏きざし

        小鈴 愛犬の眼の先にご注目。
島ひとつ

   夏鴬の

    大合唱

       小鈴 横須賀沖の無人島「猿島」の風景。戦前は旧海軍の要塞地帯、今は海上公園。
紫陽花や

 故郷の便り

  なゐのこと

      ゆきお 微動だにしない紫陽花に、地震の便り。
山路来て

 丈の低きや

    額の花

      ゆきお 四葩の明るいスカイブルーがスカッとしますね。
紫陽花の

 葉のあつあつと

    垣根かな

       ゆきお 成程、紫陽花のしっかりした葉が垣根にもってこい(花が終わっても!)
紫陽花や

  色とりどりに

    咲き競ふ

        くに 紫陽花はいろいろな色が一時に咲きますね。
雨まとひ

  紫陽花色を

   深めをり

       くに 紫陽花には矢張り雨が似合う。
あれこれと

  思ひ出つきぬ

    薔薇の園

        くに あの時、この時、あの花、この花。思い出の「薔薇の(その)
遠くにも

  訪ふ人の列

   あじさい路

        水青 訪問客と紫陽花の長い列がのんびり続く。
あじさいの

  薄淋しきや

   露天風呂

       水青 紫陽花は淋しく見えることもーーー。
紫陽花に

 光り輝く

    道熱し

      鶏肋
 柏葉紫陽花に元気をもらう。
夕暮れに

 燃ゆる山肌

   夏さなか

      鶏肋
 一瞬の夕景に見惚れてーーー。
何詫びる

 すずらんの花

     頭下げ

       鶏肋
 頭を下げるすずらんの知恵!
月と雲

 漂い揺れて

   夜を待つ

      鶏肋
 なかなか夜が来ない?
女子高の

 紺のスカート

   あやめ咲く

       吉夫
 白の上着に紺のスカート。成程。
背ばかり

 伸びて都会の

     麦の秋

       吉夫
 これも都会に生きる知恵?
どの花も

  貴賤を問わず

     揚羽蝶

        吉夫 貴賤に拘るのは人間のみ。
翡翠の

 仕留めた獲物

   生きの良さ

       吉夫
 この一瞬を良く捉えましたね。
花籠の

 子らから届く

    夏はじめ

       淑如
 子供からの初夏の贈り物。何物にも代え難し。
木下闇

 何を思ふか

   人がいて

      淑如
 木下闇のもとに独り佇みーーー。
童ゆく

 足もと軽き

    里若葉

      淑如
 まだ残っている懐かしい里の風景。
ざりがにを

 追いかけ遊ぶ

     声弾む

       淑如
 同様な作者の優しい眼差しが感じられる。
薔薇一重

 赤子の様な

   手を開き

      淑如
 一重のシンプルなバラもいいですね。
初夏のズー

  親しくなった

  オランウータン

        水白 オランウータンの友を見る眼。
シラスの眼

  睨みに戸惑ふ

    少女かな

        水白 成程、シラスの眼が睨んでいるようで、ドッキリ。
若者の

  夢は花園

   駆け巡る

       水白 若者の駆けるは「春の花園」
君と僕

   周りの幟
   
   うる
    煩 さけり

        水白 二人(二羽)の世界。
蟻さんよ

  家にはないよ

    何にもね

        水白 何にもない。でも愛がーーー?
夜光灯

 ひっそり巣篭もり

      鴉らの

         水白 巣篭もりの鴉は可愛い。でもねーーー。



戻る

inserted by FC2 system