苗場、田代高原観楓吟行会
写真俳句短歌集


   秋の紅葉吟行会は、これまでと趣向を変えて、クラブツーリズムのバスツアー
  を利用することになった。
  例会を通じて行き先を議論し、苗場山麓の紅葉の空中散歩を選んだ。
  心配された天候も皆様の祈りのせいか、穏やかな快晴!紅葉も最盛期!
  越後の山の紅葉の絶景を満喫しました。
  
  ここに、写真俳句短歌特集として纏めましたので、ご覧頂ければ幸甚です。
  尚、11月例会一般作品を併載しています。

                      <概要>
      実施日:   H24.10.30(火)
      天候:     晴れ
      参加者:   12名
      コース:   「越後の紅葉絶景を空中散歩」

              町田(7:30発)ー苗場山麓、田代ロープウエイ
                   ー田代高原(散策)ー苗場山頂駅、ドラゴンドラ
                   −山麓駅ー湯沢(買い物)ー町田(18:30着)            

(苗場山頂駅の案内板から)

<写真俳句短歌集>

1.苗場、田代高原特集

俳句、短歌 写真 コメントその他
谷川の

 パーキングにも

       山紅葉

       牧紀 町田ターミナル7時半出発。関越自動車道を北上。関東の北限、谷川岳パーキングエリアで小休止。付近の山々も色付き始め。
錦秋や

 眺めてもなお

    眺め居り

     ゆきお 関越トンネルを抜け、湯沢インターで下り、17号線三国街道へ。沿道の山々は、見事な紅葉の連続。
右に左に前後に眺めても眺めてもーーー。
窓越しに

  確かな紅葉
    
     胸躍る

       牧紀 三国街道を南下。湯沢町二居(ふたい)田代高原山麓駅からロープウエイに乗る。
眼前に見事な紅葉の山々!自然に眼が輝き、胸躍る。時刻は11時50分。
好日や

  句の友集いて

    紅葉狩り

      くに 天候に恵まれ、愈々紅葉狩りの始まり。
片思い

   山装ふや
    
     夢の中

       有三 夢のような紅葉装う越後の山々。
思い込むものがあるということは幸せなことですね?
紅葉峡

  人影あらぬ

       発電所

         玲子 ロープウエイが上りだすと直ぐに、眼下に奥清津発電所が見える。
人影は無し、唯紅葉あるのみ。
峰々の
  もみじ こうよう 
  紅葉 黄葉
    谺 して
  越後連山
   錦織り成す

       牧紀 紅色と黄色のもみじが(こだま)し合って山肌を染め上げ、錦織りを完成してゆくーーー。
山肌を

  色づき染めて

      秋惜しむ

         和子 山肌の紅葉は最盛期!でも直ぐに寒い冬がやってくる。
見納めと

  決めし絶景

       山粧ふ

        未来 これほどに粧った紅葉はもう見納めか?
こんな絶景に会えて幸せ!!
白樺の

  黄葉貴婦人の

      如く立つ

        未来 全山紅葉の中、白樺が貴婦人の如く優雅な装い。
天空を

  一跨ぎする

     紅葉狩

      未来 天空を斜めによぎる紅葉の山々。
時に会いし
  越後の山の
   紅葉場は

  渓流埋める
     綾錦なれ

       紀舟 越後の山の千載一遇の紅葉の絶景に出会え、言うこと無し。
紅葉の
 山又山に
  迎へられ

  錦絵刻まむ
    心の底に
      
       紀舟 紅葉の錦絵いつまでも心の底に!
めぐり合いを感謝、感謝!
錦秋や

  一筋の川
    
   谷を分け

       有三 一筋の川の流れが、錦秋を深めているように見えますね。
紅葉を

  引き裂き流る
    
      清き川

       鶏肋 清流の青が渓の紅葉の中で輝いています。
流石写真のプロですね。
もみじ山

  「感動」二字の
    
     声ばかり

       水青 ロープウエイからの眺めは、感動、感動又感動。
衣さんの
 てるてる坊主
   効有りて

 田代の空と  
    湖青し
      
      鶏肋 ロープウエイを下りると、田代湖の青が広がる。

衣川さんのてるてる坊主には全員感謝!この時期こんなに晴れた穏やかな日はまたとないでしょう。
何ともいえない良い青が出ていますね。
晩秋の

 田代湖みどり  
    
    あかあおき

       水青 晩秋の松の緑、湖の青、紅葉、黄葉。
秋枯れに

    湖水の青の

    澄みわたる

       牧紀 高原はもう冬。田代湖の青が一層際立つ。
湖の

   閑かなるかな

     小六月

      未来 この時期珍しい暖かな日差しの下、田代湖が静かな青を湛えている。
色葉散る

  瑠璃色の湖

      静かなり

         和子 田代高原の紅葉は大方散り、湖の瑠璃色が静かに冴え渡る。
立ち枯れの

   眺め殊なる

       草紅葉

        和子 立ち枯れの草紅葉が、白樺の白で一層さびしく、秋の深まり、冬近きの感。
遥かなる

  湖の青さや
       わた
       草の絮

        くに 草の白い絮(綿)が青の湖面に映える。
好日の

  一景を絵に

      秋惜しむ

         玲子 枯れ始めの尾花、葉落ちの白樺それに晩秋の雲。まさに秋惜しむ光景。
小石蹴る

  草の照葉の

       美しき

         玲子 足元の草紅葉が晩秋の日を受け黄金色に輝くーー。
秋雲の
 よ
  過ぎて鉄塔

       並行す

         玲子 高い鉄塔、高き千切れ雲、青き天空の広がり。
高原の

  主役に遠く
       わた
       草の絮

         玲子 紅葉の過ぎた高原には、白い草の絮が主役。でも、何かさびしい秋の深まりを感じさせる。
高原の

  移ろふ風に
    
   尾花ゆれ

      有三 気まぐれな高原の風にもてあそばれる尾花。わが雄花の如く?
錦秋の
 渓谷降る
   ゴンドラや

 紅葉の海に
   我も飛翔す
        紀舟 世界最長の5481m、日本一の瞬間地上高230mを誇る”ドラゴンドラ”
上昇、落下の反復に息を呑む。又、文字通り息を呑む絶景に感動!自ら紅葉の海に飛び込む感覚。
晩秋の

 雲にゴンドラ
  
    一つ揺れ

      未来 冬を呼ぶ高層雲にゴンドラが映える。
ドラゴンの
  まなこ
   眼 に映る

      紅葉郷

         玲子 ドラゴンは、眼下に見える 我が故郷の二居(ふたい)湖の紅葉を自慢しているのかも?
天然の

 美の競演か

    渓紅葉

      くに 紅葉と黄葉、山と渓、川と湖ーー天然の美の競演にめぐり会えた幸運に感謝。


2.11月例会作品集


俳句、短歌 写真 コメントその他
学童の

  落ち葉ける音 

     冬近し 
  
      吉夫 微笑ましい情景です。落ち葉が見えるようです。
晩秋の

  猫の作れる 

    日陰かな 
  
      吉夫 伸びた日陰に、猫の輝く眼が好印象。
白鷺の

  映せし川の 

    水涼し 
  
      吉夫 水に映る白鷺の貫禄。見事に一瞬を捉えていますね。
烏瓜

  黄色くなりて 

    現われて 
  
      吉夫 成程!黄色くならないと気付きませんね。
立冬や

  汽笛の幻聴 

     里の駅 
  
      ゆきお 立冬の冴え冴えとした駅空間。懐かしい汽笛の音が聞こえてくるようです。
かろやかに

   二重映しや 

    アメンボウ 
  
       いけ 二重映しに見える面白い写真ですね。
ふっくらと

  豊かに伸びる 

      箒草
  
       いけ 丸々太った箒草から、箒は何本作れるのでしょう?
鶏頭花

  大きく育ち 

     肉厚し 
  
       いけ グロテスクなばかりの鶏頭花。
買い物や

  遠回りして 

     柿の径 
  
        学 遠回りしても、「柿の秋」を味わう。気持ちが良くわかります。
かはいいと

  撫でて人行く 

     すすき原 
  
        学 すすきが可愛いという心に感動。そういえばすすきもお辞儀をしていますね。
秋天や

  校歌とどろく 

     稲門祭 
  
        学 大隈重信公も満足げですね。
蒼天や

  葉にすてられて 

      柿一顆 
  
        学 蒼天に柿一顆。愈々秋も終りですね。
女愚痴

  向日葵の如 

   燃え尽くせ 
  
       水青 「向日葵の如燃え尽くせ」は中々面白いですね。言い尽くした後は、向日葵の如カラリト晴天に。
鞆の浦
 波にたゆとふ
     釣り小船

 ゆらりゆらりと
   何を待つらむ
        筑山 鞆の浦は、かつては潮待ちの浦として賑わい鯛の産地としても有名の由。
鞆の浦
 佇みおれば
   いにしえの

 潮待つ人の
   想い思わる
       筑山 潮待つ人の思いが伝わる心地。
今宵また
 人目偲びて
   ささやくは

  大宮人の
    儚き想い
        筑山 1600年程前の応神天皇の時代の「ささやき橋」ロマンスの地。「ささやき橋」という地酒もある由。
草の花

  畦にこぼれし 

   コンペトウ 
  
      小鈴 秋草の中に、金平糖のような色とりどりの小さな花がーーー。
流鏑馬の

 出番待ちたり 

     秋祭り 
  
      小鈴 流鏑馬は秋祭りの華ですね。
天高く

  爆音響くや 

     火縄銃 
  
      小鈴 火縄銃の爆音と煙が満ち満ちて、暫し、いにしえに戻った様ですね。


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