横浜三渓園吟行


日時:   2009.05.25(月)

吟行先:  三渓園
       散策後、中華街で昼食。現地解散。
       以下自由参加
       (山下公園ー赤レンガ倉庫ー桜木町駅)

参加人数: 16名

<俳句>

俳句 写真 コメント他
あやめ咲き

 亀旅立つや

   浮き小舟

    ―隆夫― 首を伸ばして、まさに亀の旅立ちですね。
衣脱ぎ

伸びやかなりし

    若き竹

    ―隆夫― 庵の白壁に竹の青がやわらかい。
きらめける

   池の面や

    花菖蒲

     ―学― 光る水面は心の鏡。
緑陰を

 池に写して

   捨て小舟

     ―学― 写真と俳句が良くマッチしています。

三重塔も写っているので、

「塔覆う緑陰写し捨て小舟」
は欲張りか?
汗拭ふ
    かいな
 婦人の腕

   白じろと

     ―学―
  眼の付け所が、さすが、粋です。
歩を止めて
  いろ
 彩とりどりの

   薔薇に酔ふ

      ―学― 「薔薇に酔う」が良いですね。
五分咲きや

[あやめの里]の

     花菖蒲

     ―学― 「あやめの里」の挨拶句。
曇り日に

 ことに真白や

     花菖蒲

      ―学― 曇っていても白は白!!
道端の

 釣鐘鳴らし

   風そよぐ

    ―芳翠― 初夏のやさしい風の音が聞こえるようです。
緑抱く

 茶室浅瀬の

    水清し

    ―芳翠― 「茶室に浅瀬水清し」かな?
十薬の

どこまで伸びる

    筒状花

    ―芳翠― いつも、観察が細やかですね。
さざ波の

 眩しさに酔う

    花菖蒲

    ―未来― 白菖蒲が酔うと赤紫に?
真っ白を

 天に捧げて

    泰山木

    ―未来― 「天に捧げて」が良いですね
睡蓮を

 浮かべる池の

    真昼時

    ―未来― 睡蓮の午睡時。
竹林を

 抜け来る風の

    五月かな

     ―未来― 何となく季重なり?
南風や

 出逢いと別れ

    ある港

    ―未来― 南風も北風もある港の風景
写真決まっていますね!
「慈しむ景」でも良いか?
有三の愛の世界に浸りて。
地上のものとは思えない気高さ!
ナイスショットですね。
流石!おおらか。心に余裕。
季を超えて、「ドラマ刻みし」港かな?
絵のような句ですね。
「朱の橋」の向こうは極楽?
はらからの

 思い出みなと

   卯波たつ

    ―くに― 卯波に同胞の思い出を連想。ぴったりです。
まさに挨拶句。かんじの世界。
黒蝶も
 たわむ
 戯る紅の

   皐月風

    ―牧紀― 黒と紅の対比。風と戯る。
若葉萌え

 その頂に

   三重塔

    ―小鈴― 「三重塔」は「みえの塔」と読んで貰おう。
迷い亀

 帰りし池に

    花菖蒲

    ―小鈴― 微笑ましい小亀
若竹の

 香りもれくる

   茶室まで

     ―小鈴― 若竹と古い茶室の対比。
ビル囲ふ

 遊園地から

   黄色き声

    ―小鈴― 写真のプロ(?)から、タワーを切る構図に賞賛の声。
雨煙る

 都会の森や

    蜃気楼

    ―小鈴― 良く雰囲気が出ています。


<短歌>

短歌 写真 コメント他
三重の

 塔知ろしめす

    大池の

 花菖蒲飛ぶ

  蝶となり飛ぶ

     ―芳翠― なるほど、紫の蝶が乱舞しているように見えますね。
秀吉の

 瓢箪文の

   手水鉢

 水の流れも

  音もなき午後

     ―芳翠― 静ですね!
みくじとは

 色も形も

  異なれど

 華僑習いの

  願掛けの帯

     ―芳翠― 身の丈にあった帯を選びましょう。
六月は

 花嫁衣裳

  珍至梅

 真珠ちりばめ

  純白ティアラ

           ―芳翠― 花と蕾と茎の撓り!なるほど「ティアラ」
病得て

 蟄居す吾に

  送られし
     そうび
  添付の薔薇
    べに
   紅匂いたつ

      ―芳翠― 流石、シニアネットは電子的に繋がっている。
緑陰の
     いお
 苔むす庵に

  住まいする

  昔の人の

   面影あわれ

     ―和子― 平安王朝文学の世界。
塔の月

 池巡る夜を

  想ひみて

  狩野絵襖に

    三渓偲ぶ

     ―紀舟― 一度は見てみたいが、夢想のみか?
回想の

 百五十年

   浜通り

 吟ブラ楽し

  赤レンガ見つ

      ―紀舟― 堅い吟行、楽しい吟ブラーーなんていうと顰蹙買うか?
開国の

 一世紀半

   海の道

 象の鼻知る

   回想の夏

    ―紀舟― 横浜開港150年。まるで昔の面影はなし。
改装につぐ改装を回想。
首伸ばし

 並んで亀の

  甲羅干し

  三渓園の

  時はやすらか

     ―小鈴― 亀万年、悠久の時の流れ
横浜港

 百五十年の

   時刻み

 大桟橋は

  世界結びし

    ―小鈴― 「赤い靴」が世界を結ぶ。




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