梅が丘観梅写真俳句短歌集


              梅が丘羽根木公園観梅吟行

   日時: H24年3月2日(金)  尚、下見は2月27日(月)
   場所: 小田急線梅が丘駅北口から徒歩3分
   参加者:下見9名、当日10名

   吟行コース:
   羽根木公園ー豪徳寺ー世田谷八幡(昼食は有名な美登利寿司)

       梅が丘祭り終わるも梅まだ三分
                   花に鮨添ふ吟行うまし  (紀舟)      



茶席の控えの間で一服雨宿り(吟行会当日)
(梅が丘 梅訪ひ一服 梅談義    牧紀)


羽根木公園入り口付近のこの梅のみ見頃(下見)
(還暦も 古希も若人 春ひと日   美穂子)

<俳句の部>

俳句 写真 コメントその他
降りやみて

   光る雫や

    梅ふふむ

        学 梅に無情の春の雨。でも、少し暖かいーーー。
耳鳴りの

 かそけき音や

    春の雪

       学 春の雪でしんと静かに!何やらゆかし耳鳴りの音。
汀女句碑

 黒く濡らして

    春の雨

       学 梅の雨に黒句碑ぬれて、白字の月が低く浮き上る。

外にも出よ ふるるばかりの 春の月 (汀女)
浅春や

 そぼ降る雨の

    豪徳寺

       学 春雨に霞んだ豪徳寺。桜の季節に再訪できたらと思いつつーーー。
飛梅や

 御意忘れじと

  咲きぬらん

      せつ子 咲き咲かむ 天神様の 御意なれば !
春昼を

 告ぐる時計や

   雨やどり

      せつ子 梅三分。茶室の脇の広間で雨宿り。折りしも時計の音がーーー。
春の宵

フォレスタの声

    俺泣かす

       隆夫 春の宵暮れなんとして暮れず。青春時代の想いが浮かび消える。
梅の香を

 訪ねて歩く

   人まばら

       和子 梅三分 雨の探梅 人三分
梅訪ね

 降り込められて

     宿を乞ふ

        和子 雨宿りの茶室、お庭も素敵でしたね。雨の吟行もまた良し。
春雨に

 打たれて神籤

     運開く

       和子 春雨に清められ、神籤の結び主の運も花開くでしょう?
裾濡らす

 雨は梅の香

    含みたり

       ゆきお 雨は香りを消すといわれますが、多分その香りは雨の雫に含まれている。家に帰り衣服を乾かすと梅の香りが部屋に漂うようーーー。
梅が枝の

 雫の宿りや

    万華鏡

      ゆきお 梅の枝に宿る雫は、さながら万華鏡のよう。雫を通して眺めると新しい景色も見える。
雨の梅もまた一興。
咲くべきや

 まだ待つべきや

     梅ふふむ

        牧紀 羽根木公園にて。
蕾は開かんばかりに膨らんでいるが、雨は涙かため息か?
紅梅や

  朱門けぶる

     雨に咲く

       牧紀 豪徳寺にて。
春雨に凛として咲く紅梅。復興の明かりがぼんやりとーーー。
苔むせる

 祈りの梅や

    豪徳寺

       牧紀 同上。豪徳寺は幕末の井伊直弼で有名な井伊家の菩提寺。
400年の栄枯盛衰を見ながら静かに眠る。
白梅に

 季の移ろひを

   知る日かな

       牧紀 羽根木公園にて。
まだ三分とはいえ、所々に白梅も開花。寒かった長い冬も終わり、確実に春の息吹が感じられた一日。
紅梅に

 雨の雫を

   際立たす

      未来 雨の観梅、雫に首座を譲るかなーーー。
飛梅に

 故郷の空

   懐かしむ

      未来 作者は福岡県の出身。故郷の大宰府天満宮から移植の「飛梅」に感無量!
手作りに

 深き想いの

    雛飾り

      未来 震災はじめ昨年の色々のことを思いつつ、身近な人手作りの雛人形を見つめる!
探梅や

 咲いたか咲けよ

     足運ぶ

       水青 殆ど蕾から三分咲き、見頃まで梅を訪ねて歩きましたね。
しだる梅

 皆の笑みと

    並び撮る

       水青 下方に向く梅の木の下に吟行仲間が集う。
皆並んでハイパチリ。
期待せど

 つぼみは固く

     梅一輪

       水青 今年は開花が遅れ、花は期待はずれ?とは言え、一輪ほどの梅気分。
春浅し

  俳句論議や

    汀女の碑

       玲子 汀女の碑の前で俳句論議。俳句が上達しますように!
ひこばゆの

  生命豊や

    梅の花

      玲子 この寒さの中、蕾を膨らませ、花を開く梅の生命力には感心する。話は変わるが、鎌倉鶴岡八幡宮の大銀杏のひこばえも何とか育ってほしいもの。
幾年の

  紅梅ほのと

    匂ひけり

       玲子 梅の高木はめずらしい?満開が愉しみ。
見上ぐれば

  白梅描く

    日和かな

       玲子 咲き始めの白梅は何ともいえない風情と気品がありますね。
探梅の

  寺の出づるを

   惜しみけり

       玲子 豪徳寺の門前にて、綺麗な三毛猫に見送られた。風寒けれど日差しは春。
観梅や

  和気藹々と

   グルメ付

      小鈴 春雨が慈雨となり、昼食の美登利寿司はそれほど待たずにずに入れた。安くて美味しかった。
訪ね来し

  旧居の梅の

   咲き始む

      小鈴 作者は羽根木公園の近くに住んだ事がある由。訪ねてみると旧居の梅は、一足先に見頃。
吟行会

  春雨そぼ降り

    しずく花

       小鈴 豪徳寺境内の桜の枝に雫が点々花のよう。
雨の吟行会の余得か?
招き猫

  春の日本に

   福招け

     小鈴 日本は震災以来、何となく閉塞感が打破できていない。数多の招き猫よ何とかして下さい。
ウグイスや

 時にあらずと

   声ひそめ

      小鈴 幕山山頂付近にて。時ならぬ雪にウグイスも巣から出られない?
しのぶれど

   梅一輪の

    歩みかな

      有三 何事もただ一輪の歩みから始まる。
紅梅と

  招き猫なる

    豪徳寺

      有三 豪徳寺本殿前の見事な紅梅。招き猫の縁起により井伊家の菩提寺となる。
足跡を

 すぐに消し去る

     春の雪

      くに 庭白む何とも淡き春の雪
探梅や

  蕾は固く

   空にあり

      くに 中々おもしろい構図ですね!「探梅」が効いています。




<短歌の部>

短歌 写真 コメントその他
はえ
南風吹かば
 香り届けよ
   被災地に

 天神様の
   飛梅なれば

      紀舟 大宰府天満宮から寄贈された紅白一対の「飛梅」。
菅原道真の
 
東風吹かば匂いおこせよ梅の花
           主なきとて春な忘れそ

に因み、南風に託す。
梅が香に
 木々も目覚むる
    頃なれや

 葉根木伸ばせよ
    復興日本
  
        紀舟 被災地はまだ裸の瓦礫の中。高木に復興を祈る。どっかり根を張り、枝葉まで行き渡る対応を願う。羽根木公園にて。
タンポポは
東風に吹かれて
  フワフワと

  俺もなりたや
   あの花トンボ
  
         隆夫 「花トンボ」が良いですね!私も飛んでみたい。
立春を
 過ぎても寒い
    曇り空

 雛はひもじい
  餌なしトンビ
  
        隆夫 メロンパンを頭に載せて、トンビを誘って撮る由。
なるほど迫力が違いますね!
雪の降り
 赤城おろしも
  止まざれば

 東風吹くまでは
   咲くな急ぎそ
  
         筑山 今年は本当に寒い日が続き、梅はいつ咲いたらよいのか迷い迷っています。
東風吹きて
 匂い起こせし
    梅の花

 昔のことを
  忘れざりしか
  
        筑山 東風吹けど寒さ未だし梅の花昔のように咲けぬが悲し。
去り行くは
 世の常なれど
    我が影は

 召されし日まで
  忠にして義なり
  
         水白 我が影は我に従う。我が影の如く我を慕いし人もがな。
根生いの地
 など定むるな
   海図なく

   灯火も拒む
     流れる域は

  
       名無子 作者は「李恢成」の生き方に興味があるらしい。
ういまん
 偽満の
 旅順大連
  死者たちの

 ささやく声す
    塹壕跡に
  
       名無子 現地では「満州」のことを「偽満(ういまん)」と言う由。生々しい塹壕跡に感無量。
梅の木の
 垂れ垂れて
   とき
     史刻む

 血の痕跡を
  墓石に秘めて
  
       名無子 幕末の大老井伊直弼の墓前に捧ぐ。
梅の木は
 梅の言葉で
    香染む

 蕾ふっくり
   恋せよをとめ
  
       名無子 長かった冬も終わり、数多の梅蕾よそれぞれに匂い立つ春に恋の花を咲かせよ!


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