屋形船吟行会写真俳句短歌集


                 屋形船吟行会

  
 日時 :   H24年7月3日(火)
    参加者 :  15名
    内容:     お台場及び隅田川を巡る屋形船吟行


         吟行の 名のもと愉し 船遊び          (牧紀

         屋形船十五の瞳梅雨に映ゆ
                   もんじゃ焼きつつカメラ構えつ  (紀舟)


    同好会7月例会は、この吟行会作品を中心に、「自由題」も含て披講に供し、
    HPにアップしました。




齋藤隆夫さん撮影(合計15名)


俳句 写真 コメントその他
夏にあう

  朝潮運河

    屋形船

      牧紀 屋形船は、勝鬨橋付近で隅田川に結ばれた朝潮運河の「小型船のりば」から発着する。



屋形船は、夏それも梅雨時が絵になるように思われる。







もんじゃ焼き 
 キャベツの土手を
     築きつつ

 虹の懸け橋
   早やくぐるとは

        紀舟 屋形船とはいえ、高機能のエンジン装備?もんじゃ焼きに手間取るうちにレインボーブリッジを通過。お台場に向かう。
台場跡

 鵜の天下とは

   なりにけり

       牧紀 黒船対策の台場が、黒い川鵜で占領されている光景に眼を奪われた。

尚、もんじゃ焼きで忙しくて写真が撮れず、山村さんから写真はご提供頂いた。
もんじゃ焼き

  弾ける響き

    梅雨しぶき

         牧紀 もんじゃ焼きの弾ける音、皆の弾ける声、弾ける波しぶき、梅雨しぶきーーー。
まるで、混成三部合唱「愉しい船遊び」?
もんじゃ焼き

  ノンアルコール

     ラムネ缶

         牧紀
もんじゃ焼きたべつつ、ノンアルコールビールとラムネ缶で盛り上がった。
下町情緒豊かな筈のラムネは、ラムネ玉レスのラムネ缶なのには驚きーーー?

時は流る進んでる!
船遊び

 スカイツリや

    波に立つ

       牧紀 屋形船の窓の外には、川面から立ち上がるスカイツリーがーーー。
スカイツリ

 梅雨うす曇り

   ひとり立つ

       牧紀
スカイツリー鑑賞のため30分停船。


どんよりうす曇の中でも、スカイツリーは孤高の姿。独立独歩、唯我独尊ーーー。






もんじゃ舟

 汗拭きながら

     和む人

       鶏肋 皆愉しそうな顔、和気藹々、和みの時。
薔薇の赤

 落日背負い

   色透けて

       鶏肋 落日にすっくと立つ紅薔薇。まるで作者の姿を見るよう?
道端に

 頭垂れてる

     小判草

       鶏肋 実るほど頭を垂れる小判草

緑の背景が絶妙!
我に似た

 口先だけの

     吹流し

       鶏肋 どうしてどうして、「変幻自在の」吹流しですよ。
桜散り
 湧き水溜まる
    池の中

 何故か聞こえる
     惜別の歌

        鶏肋 島崎藤村作詞の「惜別の歌」が何故かシニアの耳にきこえてくるよう。同感です。
梅雨空や

 笑いの絶えぬ

     屋形船

       和子 笑いさざめく吟行(?)でした。梅雨空も吹き飛びましたね。
川風や

 華やぎそえる

    夏すがた

       和子 偶然乗り合わせた4人娘。川風にそろいの浴衣が似合いました。俄然盛り上がりましたよね。

乗り合いの 綺麗どころや 夏の華


川風に

 吹かれて探す

     名所かな

       和子 行く手に清洲橋。この辺りに「芭蕉庵」がある

写真もなかなか良いですね。
菖蒲田の

 花がら摘むも

    赤だすき

        学 茶摘も花がら摘みも「赤ねだすきに菅の笠」
日本はいいなあ!
菖蒲田や

 傘かたむけて

     すれ違ふ

         学 菖蒲田の木道を互いに譲り合いながら、会釈を交わしつつーーー。これまた古き良き日本の伝統。
大太鼓

 ひびく一山

     手毬花

       学 高幡不動尊全山に響く大太鼓に、響き合う大手毬花。
ふくよかに

 観音おはす

   濃あぢさゐ

        学 濃い紫は観音の慈愛の眼差し?
額紫陽花

 薄日に映ゆる

      雨雫

        学 紫陽花には雨が似合いますね。特にあじさいの母種「額紫陽花」が似合う。
菖蒲田の

 花に閑かな

    時流る

     せつ子 菖蒲田の閑かな時の流れに身をまかせ、聞こえてくる花の囁きを書き留める。
梅雨空や

 その鋭さを

   和らげぬ

     ゆきお 青空のシャープな姿も良いが、梅雨空の柔らかな感じのスカイツリーも又風情あり。
梅雨明けを

 橋くぐるたび

   願ひけり

     ゆきお 梅雨の雫か、波飛沫か?
梅雨明けを願いつつ、涼しさに酔う。
浴衣着て

 をみなの装い

     屋形船

       有三 浴衣姿の横すわりが、何とも妖艶。カメラアングル流石!
黄昏て

  闇の装ふ

    七変化

      有三 なるほど、白紫の額紫陽花は黄昏時のうす闇が似合う。
屋形船

  賑わい載せて

     風涼し

      未来 もんじゃ焼きの熱とわれらの熱気で盛り上がりましたね。熱ければ熱いほど、両側の窓からの川風が心地よくーーー。
砲台の

  跡に川鵜の

   遊ぶかな

      未来 今は無き砲台跡が川鵜の棲みか。悠々、ゆったり鵜の天国。鴎、青鷺もいましたね。
仰ぎ見る

  スカイツリーの

     梅雨湿り

       未来 梅雨に湿ったスカイツリー。でも、中身は変わらずドライ人気スポット。
釣り人の
    しな
  竿の撓 りや

    梅雨曇り

      未来 釣り人は、竿の撓りの一瞬が、堪えられない?
ヨットハーバー

   穏やかに待つ

      海開き

       未来 整然として江ノ島ヨットハーバーは、夏を待つ。
船遊び

  しぶき涼しや

     隅田川

      いけ 熱気むんむんの船遊び。窓からの波しぶきが涼を誘う。
梅雨空に

  スカイツリーは

      堂々と

       いけ 堂々たるスカイツリーが、梅雨空のグラデーションを背景に。中々のものですね
船遊び

  モダンな都市美

     橋とビル

       いけ 「春の麗の隅田川」は一昔。今や超近代的都市空間。
隅田川今昔物語の1コマ?
屋形船

  着きて日傘を

     畳みけり

       玲子 お待ちどうさま!さあ、船遊びの始まりはじまり!
船遊び

   心放ちて

    波に乗る

      玲子 日頃の主婦の苦労から解き放たれ、心うきうき波に乗る?
梅雨空や

  カラフルな橋

     近づきぬ

       玲子 様々な形態、配色の橋が近づき、あっと言う間にくぐりの愉しみ。
手際よく

  アイスデザート

    焼き上げし

       玲子
アイスデザート焼きは男性でしたね。
ティーシャツの

      若衆に命

      守られり

        玲子 この屋形船のクルーは男性3名、女性1名。いざと言うときは、この若衆が助けてくれるのかも?
七変化

  だけど私は

     白のまま

       吉夫 あくまでも白を守り通す紫陽花もあるのだ!
あぢさゐが

 見下ろしてなを

   青き下田港 

      吉夫 あぢさゐの 青に染まりて 下田港?
あぢさゐの 青見下ろしつ 下田港?

では、意を尽くせず、敢えて字余りに!
九輪草

  都の牛車

     花車

      吉夫 九輪草は、見ようによっては成程花車。
ほうたるに

  出会う楽しみ

    伊豆の宿

      吉夫 宿まで着いてきた蛍!!
よし、お前の子孫を見に来年も来よう。
夏風に

  吹かれ隅田の

    橋めぐり

      小鈴 吾妻橋下から駒形橋を望む。
夏風に吹かれて様々な形状の橋を眺めるのも一興。
川遊び

  もんじゃの煙

    船に満つ

       小鈴 もんじゃの煙が、浴衣に映る。更に、印を結んだ指先にご注目!

きんと雲 浴衣の君の 指の冴え
蓮池や

 ザリガニ取りで

     賑わへり

      小鈴 ザリガニ取りに無心で取り組む姿がいいですね。
木漏れ日や

  長き尾休めし

     蜥蜴かな

       小鈴 良く見つけましたね!
こんなに細長い蜥蜴は見たことありません。
半夏生

   蝶戯れて

    上りゆく

      小鈴 真夏ではない「半夏生」の季節感が効いています。
良く写真が取れましたね。
日盛りに
 釣り糸垂れて
    何思う

   川の流れに
    人生重ぬか

      小鈴 川の流れに身をまかせ、釣りのこと以外何も考えていないかも?
憂うこと
 続きし日々の
    我が心

   労わる如く
   川風の吹く

      くに 屋形船の窓辺に佇み、川の流れに見いる。
スカイツリーの影を映す川面に癒しの風。
憂さは済みだの川に流して!屋形船を降りる。
月見草

  今夜は若き

    日の夢を

      くに 純白の月見草に、若き日々の思いを重ねーーーー。青春プレイバック。
 とみこうみ
左見右見

  鳩が餌食む

   梅雨晴れ間

      くに 梅雨晴れ間餌を求めて右左。最初はおっかなびくびく。だんだん無警戒に、どうどうと!
船はゆく

  梅雨空抜ける

    笑い乗せ

      希由 梅雨の曇天も抜けんばかりの盛り上がりでしたね。
梅雨の川

 なんじゃ
  もんじゃで

     泳ぐ声

       希由 梅雨の隅田川を泳ぐようにゆく屋形船。中ではなんだか「もんじゃ焼き」で盛り上がる声が、これまた、川面を泳ぐように。
梅雨のゆり
  めくるめ
  目眩 くとき

      語り居り

        希由 梅雨時に咲くゆりは、いつも私の友!
薫風や

 千体地蔵の

     風車

       遊歩 滋賀県湖東三山の金剛輪寺にて:
千体地蔵の風車は回るものあり止っているものあり、それぞれ気ままに風任せ。千体に千態の人生。
風の香も

  浄土へ誘ふ

   道しるべ

       遊歩 この千体地蔵に見とれていると、ふっと浄土の風を感ずることがある。気のせいか?歳のせいか?



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