コロナ禍の戯れ句歌

句歌

1月

一番に マスク手洗い 年の明け

医療危機 耐えよう心の 隙間風

正月は未だ不自由のままだろう
        さて覚えるか百人一首

2月

忍耐と 我慢の狭間(はざま) 梅吟行

人情の 厚きに涙 春立つ日

庭の無き身にも兆しは知られけり
      鉢の実生の春の夕暮れ

3月

燦々(さんさん)と 春陽(こぼ)れる 散歩道

山茱萸(さんしゅゆ)や いつも希望の 黄金花

花粉症の妻の残しし柄マスク
     今や貴重な遺品となりぬ

4月

しっかりと 三密避けて 花遍路

新学期 教室校庭 静かなり

友悩む 暇と退屈どう違う
   コロナは人を哲人にした

5月

ゴーツーホーム トラベル無しの 皐月かな

五輪可否 菖蒲の時ぞ 如何にせむ

新宿の出会いは二人マスク越し
       今日湘南で素顔公開

6月

ろくでなし 七変化なるも 止む得まい

録画せる ビデオも尽きて 梅雨籠り

引きこもり解き放たれて隣県へ
     紫陽花の青 立ちつくす青

7月

七重八重 賛否両論 蝉しぐれ

七転び 八起きの自粛 立ち葵

遅れすぎ近寄り過ぎと諫めらる
       ツアーの登山今は難し

8月

はちす(蓮)咲く 薬師も独り 池巡り

ハチ公の 周りも今は 熱気なし

9月

苦しくも 残暑に耐へて 家居かな

栗の実や (いが)厚ければ 中身良し

10月

十分に 食事巣籠り 秋太り

十分の 健康体操 秋うらら

11月

獣医さん 蝙蝠(こうもり)怖し 寒の月

十一人 今日も揃わぬ 霜の朝

12月

住人に 救急車呼ぶ 師走かな

十二分 巣籠りの果 師走なれ


HP


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