2020年3月 写真俳句短歌集


開催日時:  2020.3.10(火)  テレワーク例会

兼題:      「観梅又は自由」
概要:
   当月は「観梅又は自由」題で作品を募集し、加え、事前にお知らせ
   した課題写真「色とりどりの池の端」に関する作品を併せて募集し、
   インターネットとメールによるテレワークにて披講に供し、 まとめた後
   その記録は同好会HP「例会の記録」欄に、又、作品集は従来通り
   「兼題例会コーナー」にアップしました。
   奇しくも、本テレワーク例会は第150回の節目に当たります。

写真俳句短歌



<第一部>



通ひ路の この道が好き 梅香る     玲子
 駅への山道です。四季豊かで楽しい道です。

   元気になられて、又相原辺りを吟行したいです。(未来)


白梅や また友逝きて 死生観      玲子
 人間の一生、彼の世はどんなとこかな~と梅咲く空を眺めて
 いました。夫が旅立ち悲しみの癒えぬままに、長い付き合いの
 気心の知れた俳句や山の友をそして近所の親しい友を突然に
 亡くしました。

   この世もあの世も華に包まれた世界で在りたい。
   信じたい。(牧紀)


紅梅や ひと月ぶりに 墓訪ね      玲子
 寺境内の紅梅、夫の月命日にお墓参りに行きました。


現し身の われに沈丁 匂ひ立つ     玲子
 庭の沈丁花、夫の仏壇に一枝を・・・

  沈丁花の香りは彼岸から此岸、此岸から彼岸?(牧紀)


レンズ向け 高みの椿 愛でしかな     玲子
 寺境内の真紅の椿、目線の椿は蕾でした。

       蕾は希望(牧紀)


水温む 真鯉の血潮 (たぎ)りをり      玲子
 近くの境川の真鯉、動きが活発でした。
   真鯉に血潮のタギルを見る玲子さんは元気ですね。(有三)


狂 気候 椿一輪 風は北       隆夫
 季語が二つあります 1は椿2は北 季重り。
 狂も私を入れています、皆様でご検討乞う

     狂人日記の今日この頃?(牧紀)


春や春 梅満開や 春は今      隆夫
 季語が4つ入っています。

    松島やああ松島や松島や(牧紀)

    千々みだる 隆夫子よむや 春のうた 
    春は南方のロマンスとか?
    弁士が語っていたのを思い出しました。(有三)

    梅の写真はバッチリで立派すぎです。(未来)


歩めずに 妻に撮らせた 寒桜      隆夫
 のろけです。

   妻は手となり足となり。願わくは口とはならず。(牧紀)

   写真を撮ってくれる奥様は優しいですね。(有三)

      奥様の腕前も中々です。(未来)

   本当は、撮っていただいたのではと思いますが。(すすむ)

      家内が撮影し、私が傾斜を直し、トリミング等四苦八苦
   して作りました。(隆夫)


約束の 観梅待たず 逝きにけり      未来
 長年の俳句友との別れ

    送梅の辞。せめて香りを届けたし。(牧紀)


築山に 東屋のあり 枝垂れ梅      未来
 成瀬堂の坂公園の垂れ梅


絶え絶えに 読経 聞こゆる 春の昼    未来
 境川近くの龍像寺の梅

       時節柄読経の音が何故か高くーーー(牧紀)


黄玉の 色なす 金縷梅(マンサク)の咲けり     未来
 町田天満宮の金縷梅(マンサク)


騒めきを 知る由もがな 鳥帰る     未来
 境川のカルガモ世の騒めきも知らず

    ああ我々も鳥になりたい?(牧紀)

    私は仏になりたい(隆夫)

    鳥の写真優いいですね。ただ気になるのは上部の陸地です(隆夫)

    トリミングしました。(隆夫)

    写真交換します。(未来)


ウィルスや 足音もなき 余寒あり      淑如
 コロナは目に見えないので怖いです。

    「なし」は「なき」のほうが良い?
     直しました。(牧紀)


ゆったりと 腹 丸々と 育つ春      淑如
 4年前に貰ったメダカはまだ生きてます。
 太って元気で、太っているのも悪くないかな‼

     もう目が座っていますね。メナカかな!!(牧紀)

     ふっくらメダカに春を感じました。(未来)


古き雛 幼き頃の ()を思ふ      淑如
 50年前の雛人形は娘が残して行きましたが、毎年飾ってます

      スワリのいい雛ですね!(牧紀)


浅き春 諸々ありと 兄と姉       淑如
 兄姉はいつもいつもあそこが悪いここが悪いと言ってます


老木と いへども 誇り 高き梅     和子
 最近何かと愚痴が多い、この梅を見習いたいものです。(ゆきお)


遠き日の 思い出の花 木瓜開く    和子


つれづれに 訪ふ人もなし ひな飾る    和子
     ジーンときます。(すすむ)


    一年を手塩にかけしシンビ咲く
         飾らぬ心(いまし)めとする   和子
 「飾らぬ心」はシンビジュームの花言葉です。

       和子さんのお人柄そのものですね!(牧紀)


梅花の章 梅見る会の 授けしや     牧紀
  菊花大綬章に変り「梅花の章」。因みに「桜見る会」なら桜花章か?
 勿論梅花章も桜花章も「梅見る会」もない。ダービーの桜花賞はある?

      櫻花賞は牝馬3才馬のレースです。
      ダービーは牡馬同じく3才馬です(隆夫)


旧宅の 長きアーチや 門の梅     牧紀
  近隣を梅逍遥の折、堂々たる旧家の門前の梅に出会った。
 長い枝ぶりは流石!旧家に恥じず。


白梅や わがふる里の 雪想ふ      牧紀
 白梅を雪に見立てるのは、古来の趣。有名な万葉集「梅花の歌」に、
 ”わが園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも―旅人” 


    菅公の愛しむ梅やポツポツと
       春告げ草の名の如咲けり   紀舟
  写真もう少し何とかなりませんか(隆夫)

  交換しました。(紀舟)


   淑やかと思ひし梅のしたたかや
        蕊を集めて我を見返す   紀舟


竿先の 微かに揺らぎ 春兆す      ゆきお
 季語・春兆す
 恩田川沿いの弁天池、気温は未だであるが竿の先を微かに揺らす風は
 春の香りを持っている。

  絶妙の向き間隔ですね(無意識にコロナ対策?)(牧紀)

  藤巻さんしばらく電車に乗られていない様子、片倉城址公園
  くらいは大丈夫そうですか?カタクリの花が見ごろになります。
  皆さんでどうでしょうか?(未来)


白梅の 寒 凌ぎきた 白さかな       ゆきお
 季語・梅
 堂之坂公苑の白梅。寒さを凌いできた梅は誇るかの様にその白さは
 一段と目映い。
  
  堂の坂公苑の梅を詠んだ作品を拝見して驚きました。
  梅の頃はよくゆきましたが人と行き会うこと珍しかったです。
  閑散としていました。(有三)


剪定を 急ぐ街路樹 総掛かり       ゆきお
 季語・剪定
 夕方、近づく春に急ぐのであろうか、欅の剪定は一本の木に5人も
 取り付いている。春は、よっぽど近いらしい。せわしい晩冬である

      電線を走る忍者の群れかとも?(牧紀)


戯れを 間遠に聞くや 水温む       ゆきお
 季語・水温む
 桜の樹は未だ蕾も小さい。しかし、子供は鋭い感覚で川水がもう冷たく
 ない事を知っている。子供の声はすでに春、枝を通してはしゃぐ声が
 聞こえて来る。年寄りと違い、鋭く春の到来を体で感じている。


カワセミの 今は静かに 春を待つ    吉夫
 1月の薬師池。カワセミが細い枝で微動だにせず、春を待っていた。

    カワセミも暖冬はありがたい?(牧紀)


落椿 整へられて 皆を待つ      吉夫
  薬師池の椿園。落ちたツバキが見事に並べられてもう1度見てくれる
  のを待っている。


      落ち椿の色褪せぬ姿にはいつも感動(牧紀)


鎧の葉 守られて咲く 椿かな       吉夫
 椿の堅い鎧に 淡い乙女のようなピンクの椿が咲いています。

     
椿の葉を鎧にたとえているのは言い得て妙です。(有三)

     中止にならなければ、今月、伊豆大島に行きます。
     そういう目で椿を見たいと思います。(すすむ)


梅の華に 包まれている 地蔵尊     吉夫
 梅が丘の子守り地蔵尊は、年に一度梅の香りに包まれます。


紅梅の 枝垂れゆかし 梅まつり     吉夫
 紅梅がくねって色っぽくさいています。

        梅まつりが楽しみですがーーー?(牧紀)


恋ふる想い 梅が香に乗り 叶へよと     すすむ
 湯島天神です。
 神社と絵馬の間に梅が咲いていました。『恋心』とせず、6字になりますが、
  もう少し幅のある『恋うる心』としました。   
    恋ふ思ひ ~~~~~~~ ~~~~~
    ではだめですか?5・7・5で収まり、読みやすいです。(玲子)

    本当は5文字にしたかったのですが、何となく、『恋ふる』という
    表現が正しいのでは思ってそうしました。
    改めて古語辞典を調べますと、『恋ふ』は上二段活用で連体形は
    『恋ふる』が正解でした。(すすむ)

        句は「恋ふる想い」と掲載されていますが、コメントには
    「恋うる心」とありました。「恋ふる心」ならニュアンスが
    違うので句がすんなり読めます。(玲子)

    私の結論は、やはり、『恋ふる想い』です。私の気持ち(池)を
    分かって下さいとお願いするなら、『恋ふる心……』。
    私の気持ち(川)を叶えて下さいとお願いするなら、
    『恋ふる想い……』と考えました。 (すすむ)

    その通りと思います。想ひを叶へる(他動詞)心が分る(自動詞)
    動と静ですね。(牧紀) 


雨粒の 飾りあしらふ 裏の梅       すすむ
  薬師池です。
 普段、あまり人目に触れられない梅の裏も雨粒で一層美しいと思い、
 『梅の裏』ではなく、別の顔として、『裏の梅』と表現しました。

    梅の裏で泣く乙女心に感動(牧紀)

       「裏の梅」は「家の裏」に咲く梅を思わせないでしょうか、
        芭蕉に"人も見ぬ春や鏡の裏の梅"と言うのがあります。
    当初の梅の裏が面白いと思いますが・・(ゆきお)

    どうも「裏の梅」にはひっかかりました。
    素直に「梅の裏」でよいのでは・・・僭越ですが例えば
    「雨粒の あしらふ梅の 花の裏」「雨粒の 飾りし梅の 花の裏」
   (の・て・を)で「飾り」と「あしらふ」は同意味? (玲子)

    俳句単独なら、『梅の裏』と詠みます。何故なら、『裏の梅』なら、
    裏庭に咲いている梅と思われるからです。
    しかし、写真と俳句のセットだから、誤解されないのでは、と
    思いました。
    また、『顔の裏』と『裏の顔』とでは意味が違うように、同じ梅の
    中の裏というより、普段人から見られない『裏の梅』という表とは
    別物が、雨粒をあしらって、けなげできれいだと詠みたかった訳です。
    ちょっと、無理がありましたか?(すすむ)

    「飾りあしらふ」おっしゃるとおり、ダブった表現ですね。
    いろんなご意見参考にさせていただきます。(すすむ)


広重の 絵から抜け出で 梅背伸び     すすむ
 薬師池です。
 安藤広重の『亀戸梅屋敷』に似た梅の木を見つけました。浮世絵から抜け
  出した、その木の勢いが、背伸びをしているように感じました。

   
   広重の浮世絵、インターネットで見ました。その通りですね!(牧紀)

『亀戸梅屋敷』(ご参考)


梅写真 探すとそこに 妻は居る       すすむ
 薬師池です。
 昨年撮った写真の中から梅の写真を探していると、亡くなった妻の後ろ姿が
 写っていて、ジーンときた次第です。


この梅は 触れちゃダメよと 鳩十羽      すすむ

 鶴岡八幡宮です。
 もう少し、近寄りたかったのですが、出来ませんでした。

     すすむに進めず?(牧紀)


  梅林の紅梅白梅巡り行く
       花満開に静けさ漂ふ   くに
 薬師池公園の梅林です。高みから見たとき何とも物静な景に見えて。

  梅は何にも云わないけれど梅の気持ちはーーー。(牧紀)


  吹く風に春の気配を感じとり
      庭の片隅朱き木瓜咲く   くに
 庭に出たら風が気持ちよく土に這うように木瓜の花が咲いていました。

    何ともきれいな朱色。「木瓜朱」とでも名付けたし(牧紀)


懐かしや 土手に顔出す 蕗の薹    くに
 バス停に行く途中に見上げた土手。故郷を思い出してーーー。

  ボケが咲き、フキが芽を出す庭、春が萌す、いいですね。(有三)


行き過ぎて 戻りて写す いぬふぐり    くに
 何時も通る道でーーー。


髪撫でて 衣装整へ  雛飾る     くに
 一年ぶりに出した手作りの雛、乱れを直して飾りつける。

      手作りとはすごい。襟を正して―――(牧紀)


食足りて しばし余裕の 梅見かな    きよし
  こういうのが詠むみたかったけれど、出来なかった。(すすむ)


悩ましき 花粉忘るる 春の雨      きよし


   春風に自由求めて飛び立てど
       哀れ肌着は雨に打たれり  きよし
 春風に自由を求めるのはどなたですか?少し気になりました。(有三)


    球ひとつ巡るドラマはJ1に
     負けず劣らず子等にもありぬ  きよし
 もう少し、ズームアップされておれば、二人のバランスが一層
 良かったのでは?(すすむ)


     ウィルスに人出少なき遊歩道
       プロは嘆かず芸に徹する  きよし


春暁や 名も知らぬ山 明けにけり     小鈴
 場所は相模原の高速道路に入る手前です。
 靄が晴れてきてとても綺麗でした。

  何ともいい写真ですね!1句目「春暁や」ではどうですか?(牧野)
   参考:
    春なれや名もなき山の朝がすみ(芭蕉)

  「春暁や」と詠んだ方がすっきりと口調も良いと思いますので
  変更お願いします。(小鈴)

  変更しました。(牧野)


よく見れば 白き花咲く 鉢の中      小鈴
 俳句の材料の写真を探していたら、椿の木の下に置いた鉢の中の雑草に
 白い花が咲いていました。(花の名前を忘れました)
 雑草なのに一鉢仕立てです。


かたまりて うつむき咲きぬ 黄水仙    小鈴
 黄水仙が一塊になって、同じ方向を向きうつむいて寂しそうに
 咲いていました。

 かたまりて うつむき咲きぬ 黄水仙  に変更お願いします。

      変更しました。(牧紀)


春一番 缶転がしぬ カラコロと     小鈴
 春1番の吹く寒い日、待ち合わせで待っている時、空き缶が、強風と車の
 起こす風にあおられ、カラコロと大きな音を立てて転がっていきました。

  3句「大通り」ではどうでしょう(牧紀)

  この句は、春一番の吹いている、寒くて震えている時に、缶の
  転がる大きな音がして見たら、風に巻き上げられて転がっていました。
  大きな音を響かせている、その缶の音が読みたかったので、(カラコロと)
  は入れたいと思います。(小鈴)

  諒解しました。(牧野)


 春の雨 新芽の目覚め 促しぬ     小鈴

 春の雨で新芽が急に元気になったようです。


瓶に挿す 水仙香る 昼下がり      波


満開に 歩調も弾む 梅の花       波


受験子の 絵馬うず高し 天神社      波


責付(せっつ)く 預かる孫の 雛飾り     波
 夫をせっついても、この雛飾りは結局波さんがなさったのでしょう。(ゆきお)


何処にや コロナウィルス 冴返る     有三
 南町田駅付近より写したものです得体の知れないものに悩まされます。

   人類の天敵は――最下等のウィルス等細菌類ですね!(牧紀)


通院の 寄り道もあり 土佐みずき   有三
 通院の途中に公園があり季節の花が楽しめます。

 未来さん前回は梵天椿をメールで紹介していただき有難う御座いました。
 トサミズキのこと、宜しかったら教えてください。私の写真は分かり
 にくいです。


   早咲きの白梅一枝膨らみぬ
       春たつ頃を指折りかぞふ  有三
 堂の坂公苑の梅の木の中で毎年この一木は大寒の頃咲きます?
 今年も訪ねて見て咲きかけていました


   東屋に人影も無く梅香る
       万葉思ひ春日過ごさむ  有三
 良い梅がある公苑ですが木の数が少ないためか閑散としています

      吾一人、梅二輪、万葉思う(牧紀)


来た道を 思い出させる 枝垂れ梅   有三
 堂の坂公苑の梅は今年は綺麗に咲きました

   「来た道」は空間、時間?両方?(牧紀)



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