2023小田原城吟行写真俳句短歌


(2023.06.04 小田原城吟行)
  開催日時:  2023.6.13(火)  9時半~12時         
  場所:     生涯学習センター学習室7
  兼題:     「更衣又は自由」
  吟行会:   2023.6.4(日) 小田原城散策
  概要:    当月は兼題「更衣又は自由」及び課題写真「再冠雪の富士」
          の作品にに加えて、小田原城吟行会の作品を併せ募集し、
          これらを まとめて披講に供した上で、
          同好会HPの「吟行会コーナー」にアップしました。


 <写真俳句短歌

<第一部>


武士(もののふ)の 大樹は語り部 風薫る     有三
 城址公園内の犬槙の巨木に畏敬の念を持ちました。


これやこの 小田原評定 傘雨の忌     有三
傘雨の忌は久保田万太郎の忌です。城址公園の中で拝見しました。
歴史の小田原評定を思い出しました。


色さまざま 先揃えたり 菖蒲園    有三
 見事に先を揃えてありました。


人恋ふる ひそやかなりき 花菖蒲    有三

 一輪の花菖蒲が淋しげに咲いていました。


色変えて 薬師の池も 衣更え    有三
 水面に映る色も季節により変わるようです。


梅雨入り前 濠りのさざ波 青きかな    未来
 小田原城のお濠の水が爽やか


遠くまで 同じ高さの 白菖蒲     未来
 白花が多く同じたかさに咲きそろって鮮やか


休日の 晴れ間憩ふや 更衣       未来
 晴天の小田原城公園に家族で楽しむ姿


黒揚羽 やや翅の濡れ つやめけり   未来
 麝香揚羽(ジャコウアゲハ)に魅せられています。


川音を 聴く蝸牛 二匹いて     未来
 珍しく蝸牛の親子でしょうか?雨が待ち遠しそう。


紫陽花を 見守りし木は 今は無く    すすむ
紫陽花斜面の真ん中に大木があったのでしょうが、
ばっさり切られていました。 可哀そうな気がしました。


江の島に 白波寄せて 更衣     すすむ
 歳時記に載っていた「白波の豊かなる日や更衣」から
 連想させてもらいました。


若者の 季節先取り 更衣       すすむ
高校生の頃、イケメンの友達から、季節を先取りするのがかっこいいと言われ
暑い9月にハイネックのセーターを着たことがあります。
暑くてもまだ5月、ノースリーブは若者の季節先取りだと思いました。


居合わせし 人も蛙と 思ひ込み     すすむ
五島美術館の庭園は、石仏以外にも、猿とか羊とかの像がありますが、
えっ? 蛙もと 思いました。しかし、よく見るとホースの巻き取り機でした。
隣に居合わせた人も、蛙だと思ってた そうです。


更衣 顔も変えむと 髭生やし     すすむ
衣替えの機会にイメージチェンジを図ろうとしましたが失敗でした。


崖上を 睨んで勝負 花菖蒲     ゆきお
紫陽花、菖蒲が妍を競って譲らない、人はただ見るのみ。


夏雲に 虚も実もあり 天守閣      ゆきお
 硝子のビル壁に映った天守、夏の幻か?


釣り堀の 日差しの濃さや 衣更へ      ゆきお
 急に日差しが強くなり、傘を大きなものに衣替え


散り敷いて 小径は絣 衣更へ      ゆきお
栴檀の白い花は、地上に散っても美しい。小径の爽やかな夏姿。


木の間から 白の奔流 衣更へ      ゆきお
ヤマボウシの花は、奔流のように咲き、樹を衣替えする。


アヤメ咲く 小田原城へ 吟行会    小鈴
久しぶりの吟行会に小田原城に来ました。


いにしえの 城を守りて ねじれ花    小鈴
銅の門の入口の隅に、1本だけねじれ花がピント伸びて咲いていました。


咲き初むる 小田原城の 花菖蒲   小鈴
小田原城の周りはアヤメ,菖蒲 紫陽花と花に囲まれています。


サミットの 無事に終わりて 春麗    小鈴
今年は日本の国が開催国でした。 広島サミット。
そのサミットも無事終わりました。 ほっと一息。
何が起こるか分かりません。


夏めきて 忘れがちなる 飲み薬     淑如
げんきんなもので、少し良くなるとくすりをのみわすれます。

谷底の 温泉染める 谷空木       淑如

湯上りの 肌のほてりや 谷空木      淑如

腰に良いと聞いて、山奥の秘湯に行ってきました 。
残念ながら、峠が険しく、車を止めて空木の写真を とれませんでした。
(写真は、未来さん提供)


庭の木に 巣作りありて そっと歩む    淑如
玄関扉の真ん前に鳥が巣を作りました。
戸を開けるたびに驚いて 飛び立ちます。


休日の 出鼻挫くや 走り梅雨     きよし
5月後半、土日に雨が降ることが多かったです。
出かける予定の人たちにはがっかりだったでしょう。


池の主 らしき唸りや 牛蛙      きよし
八王子市長池公園の長池は、立ち入り禁止の鬱蒼とした
雑木林の中にあります。 どこからとなく、ウシガエルの大きな
鳴き声が不気味に聞こえました。


夏空へ 分を争ふ 命乗せ     きよし

自宅近くの陸上競技場はドクターヘリの臨時のテレポートになっております。
ちょうど救急車で 運ばれてきた患者さんが乗せられ、飛び立つところでした。


水色の シャツにご機嫌 衣替え     きよし
相模原市津久井湖城山公園の花の苑地にルピナスが沢山
咲いておりました。ワンちゃんの写真を 撮っているいる方が
おられたので、私も撮らさせてもらいました。


広げたる 羽のかろきや 衣替え     きよし

薬師池公園の蓮田で、大きく羽を広げるカルガモがおりました。
何だか衣替えをして軽くなったのかなと 思いました。


彷徨へ(さまよへ)る 蝶の連れゆく 夏至の影   きよし
道端でアゲハ蝶が飛んでいました。まだ夏至ではありませんでしたが、
影がほぼ真下に見えました。
「NHK俳句」で主(夏至)と従(蝶)がはっきりしていれば、季語重なりも
可能と言ってましたので、 あえて季語重なりで詠みました。


歯科医院 窓辺の花も 衣更え     玲子
40年以上通っている歯医者さんが若く一新しました。


月光の 雲間に揺らぐ 梅雨近し    玲子
雨戸を閉めるときに、暫し仰ぎました。


八十路過ぎ 死はまだ遠し 白菖蒲  玲子
この頃は同い歳前後の知名人の訃報が多いです。


睡蓮や ザリガニのいて 鯉もいて    玲子
片倉城跡公園にて、子供たちがザリガニを見つけ賑やかでした。


道通る 人の会話や 小向日葵    玲子
昨年の種が鉢より飛んで、早々と咲いています。


園児等の 植えしじゃが芋 花つける    くに
通り道の小さな畑は幼稚園児が農家の方に手助けして貰い
ながら、折々の作物を作っています。今はじゃが芋です。


梅の実を 採りて今年は ジャムとする  くに
何時もは梅味噌なのですが、塩分を控える様に言われて
いるので、今年はジャムにするつもりです。


戸を繰れば 庭に一輪 月見草   くに
雨戸を閉めるとき、白さ一際目立つ月見草 が咲いていました。


紫陽花や 故郷の家は もう無人   くに
数十年前生家から1枝持って来た紫陽花(雪の下)が、良 く花を付ます。
生家は今は無人になりました。


身辺の 整理を兼ねて 衣更え    くに
断捨離をと思うばかりで中々片付かなくてーーー。


幾重にも 厚み増す雲 梅雨に入る  波
市民病院の窓から大山方面を望む。


紫陽花の 彩のいや増す 小糠雨   波
 ご近所の庭で、これがあじさい⁇ 
 雨のしずくは撮れませんでした。


十薬の クロスくっきり 夕間暮     波
 ご近所の庭


遠き日の 孫の時計や 時計草     波
 ご近所の垣根


診察を 待つ間の長し 初夏の空    波
 町田市民病院の建物と空


   水煙に合わせ新樹の鶴の舞
       日比谷の杜も更衣かな   紀舟
日比谷公園、鶴の噴水にて。
バックの若葉が鶴の舞をまねているように見える。
公園の木々はどこも、新緑に更衣。



    小田原城戦乱避ける知恵ありて
       北条偲びあぢさいまつり   紀舟
 北条氏は、最終的には降伏し、開城。
 小田原の戦乱は回避。領民は無事。


城攻めの 忍びの群れか 七変化   牧紀
 ”七変化”はあぢさゐの別称。
 険しい斜面に這いつくばって咲く姿が忍者を連想?


梅雨晴れ間 忍者惑はす 影の城    牧紀
近代建築の鏡面の威力。忍者も驚くか?


北条の 五代の栄華 花菖蒲      牧紀
 咲き誇る花菖蒲は、北条氏治下の領民の豊かさも象徴?


  梅雨の花両雄並び立つ姿
       あはれや争ふ人間世界   紀舟
梅雨時に咲く紫陽花と菖蒲の両雄、見事に棲み分けている。
人間世界もそれぞれ並び立つ工夫を!戦争はNG。
ウクライナに早期の平和を願ってーーー。


    命掛け議論を交はすことあれや
         小田原評定笑ふべきかは    紀舟
防衛、原発、少子化問題等、命がけの議論が必要な時。
今こそ”小田原評定”並の徹底議論が必要では?




<第二部>

課題写真コーナー

再冠雪の富士



HPに戻る


inserted by FC2 system