観桜写真俳句短歌集09

                                                (2009.04.22 追記)


俳句の部

俳句 写真 コメントその他
ボートより

 千鳥が淵の

   花見かな

     ―学― 水面から見上げる桜は又違った風情あり。
二人連れにはナイススポット。
花いかだ

 分けゆくボート

    二人連れ

     ―学― 花いかだ埋め尽くす間も二人には短かき時の流れとや思う。
図書館を

出でてしばしの

    桜かな

     ―学―
この花は、「玉縄桜」との銘あり。

さて、花見の後の展開は?
春の鴨

 連れ立ち泳ぐ

     薬師池

     ―学― 親子、夫婦、姉妹?
遠富士や

 桜まつりの

   中にいて

     ―学― 富士の絶景ポイントですね。
  も
池の面に

   春爛漫を

    投影す

    ―未来― 将に「春爛漫」。”投影す”と固い表現がいいですね。
蒼天に

 今を盛りと

    桜かな

    ―未来― 蒼い空に紅白のコントラストが絶妙
整然と

 折りたたみたる

   葉の芽吹き

     ―未来― なるほど。蝶の羽根と同じ原理か?観察が細かい。
旅立ちの

 時待つ春の

   鴨の群れ

    ―未来― そうですね。春は、様々な卒業と入門。何か始めなくては?
風やさし

 細く柳の

  揺らぎおり

    ―未来― 頬を撫でる優しい風が伝わってきますね!
花散りて

 萼蕊色増す

   紅枝垂れ

    ―芳翠― 流石、女性の観察眼、感受性は細やかですね。
春色を

 心に映す

   池めぐり

    ―芳翠― 花の命は短くて、楽しきことも多かりきーーーとか心に思いつつ?
満々と

 陽射し飲み込む

     池の春

     ―芳翠― 春の息吹を一杯吸い込み、池の春めぐりの一こま。
(上記と連作?)
夜桜を

 泰然と見る

    春満月

     ―牧紀― 4月10日は満月。暖かい夜を、桜逍遥。
咲く花を

 見つめて無言や

    花いかだ

     ―牧紀― 花ある君も花なき君もーーーー。
御衣黄や

 王朝の夢

   愁い咲く

    ―牧紀― 「御衣黄」は古典の世界へ誘う。
この薄き黄緑りは、蕾のままで枯れゆく
運命(さだめ)のものもあるかも?
花びらを

 池に散らして

     影映し

     ―小鈴― 花びらの 散る池の()に 花影も

花散るときの移ろいにしんみりーー
大きく手

 広げて迎える

      桜花

      ―小鈴― 手を広げて待っていてくれるようにもみえますね。
古木なる

 桜ブーケで

    幹飾り

     ―小鈴― みどり葉とピンクの蕊がお似合い。
観桜

 木陰で何を

   語るやら

    ―小鈴― 桜の木陰で話も弾むーー
花見はそっちのけの人もいるか?
そはめだか

 にあらじとかや

     里守の

     ―三樹―
以下7句旅部会の小山田散策ハイキングに参加して。


鶴見川源流にて。

清流にはめだかは棲めない。
里守の厳しい声。


写真提供:志村さん
沢蟹の

 遊ぶ源流

   春うらら

    ―小鈴―
鶴見川の源流にて。流石に水が透き通っていますね。
トンボ池

 ヤゴは冬眠

   覚めやらず

     ―小鈴― ヤゴは冬眠。ノーコメント。
里山の

 ピンクの辛夷

    道しるべ

     ―小鈴― 枯れ木でも道しるべになるの?
一言余計でした。
土筆ン坊

 にょきにょき
    顔出し

   おひたしに

     ―小鈴― 食べられてしまう運命とは?
背伸びして

 少し顔出す

   白き富士

    ―小鈴― 春霞の中、よく見えましたね。
(リサイズに工夫が要ります)
春の音

 奏で水車は

   杵をつき

    ―小鈴― カタカタ、コットンーーー
NHKラジオ歌謡を聴いていた世代ですね!
花に酔い

 一夜の夢を

   惜しみけり

     ―有三― ライトアップの三渓園にて。

夜桜には、雑念を払い一層深い味わいがありますね。
影うごく

 お玉杓子の

    水模様

    ―有三― かすかな波立ちの中にお玉杓子の動きを捉えた感動の一瞬。
うぐいすや

 野点ての茶筅

   止まるほど

     ―有三―
閑静(しずか)さや野点に滲みる鶯の声――のような静かな佇まいの中、一瞬の鶯の声。
源流の

 陽だまり土筆

   すみれ草

    ―三樹― 土筆(つくし)群れ、すみれ咲くまさに源流の春。
一日無事

 謝して収める

     鯉幟

    ―三樹― 可愛いい孫の健やかなる成長を祈るおじちゃんの顔が見えるようですね。


岩橋さんの写真を借用。
大空に

 飛び立たん
    ばかり

    白木蓮

    ―三樹― 白木蓮の心意気が伝わってきます。
見渡せば

 心奪わる

   花の雲

    ―くに― 霞か雲か、見渡す限りーーー
本当に「花の雲」ですね。
なおざりの

 庭にも溢る

    春の色

     ―くに― 春巡るは、自然の摂理。夫々に春を謳歌し、伸び伸びしているのがいいですね。
たおやかに

 川面に降る

   枝ざくら

    ―動香― たおやかに」がいいですね。
外見に似ず、たおやかな心をお持ちですね!



写真提供:牧野さん



<短歌の部>

短歌 写真 コメントその他
円錐の

 メタセコイアの

    影池に

  三羽の鴨の

   軌跡呼応す

     ―芳翠― 何とも微妙な一瞬を捉えましたね。たくましい行動力とこまやかな感受性の結晶ですね!
満開の

 桜さくらの

    高枝に

 ひよけたたまし

   川沿いは春

     ―芳翠― ひよ鳥の春を謳歌する声が聞こえてきますよ。
山おぼろ

 水面もおぼろ

  たゆらなる

   心抱えて

    春惜別す

     ―芳翠― 「たゆらなる心」と「春惜しむ心」の関係はおぼろ?
足元を

 見定めつ行く

    幼き子

  一歩一歩に

  たも網揺れる

     ―芳翠― なるほど、心優しき母の眼。いや孫を見る眼?
西行の

 心如何にも

   春の花

  我ひとたびの

   夢にひたりつ

     ―紀舟― 春のこの時期は、静かに散るもよし、一花咲かせるもよし。
大空に
  こうべ
 頭をたれし

  この枝垂れ

  大地あまねく

   大悲の華か

     ―紀舟― 少々、大袈裟な表現。シニアの年輪を重ねーーーー。
わざわざに

 富士を見んとて

   出掛けしが

  雲湧き流れ

   見れぬ侘しさ

     ―韶光―
残念!!

雲の中にある富士山を心眼で見るしかないか?
そはめだか

 にあらじとかや

     里守の

   声清流に

    沁みこみぬ

   ―三樹・紀舟― 三樹さんの上句に紀舟が下句をつけた。連歌(?)のお遊び。

写真提供:志村さん
(写真の左端の影が里守?)


観桜11へ

HPに戻る

inserted by FC2 system